ラウンド富士 レポート [Round 2 Report]


●ポール・トゥ・フィニッシュで井口卓人、関口雄飛がともに連勝!

 昨日の雨が上がり曇天ながらも肌寒く、気温12℃、路面温度13℃でのスタートとなった第2 戦決勝。土曜午前の予選の結果、C クラスは1 分33 秒451 のニューレコードでポールポジションを獲得したのは井口。これにエリクソン、国本が続き、第1戦同様トムス勢がトップ3 を独占し、安田、コッツォリーノ、岩崎、嵯峨というオーダー。N クラスでは関口が1 分35 秒951 でダブルポールを奪い、山本、小林のHFDP RACING 勢がこれに続くという結果となった。
 日曜の午後零時45 分、フォーメイションラップがスタート。ドライコンディションで迎えた決勝のスタートでは、井口はまずまずの飛び出しを見せるも3 番グリッドの国本が好スタートを決め、1 コーナーでエリクソンをかわし2 番手に浮上。3 番手にエリクソンはコカコーラコーナーでコースオフを喫し、すぐさま復帰したものの、アウト側から並びかけた安田と接触してしまい、2 台は100R 出口でコースアウト。ともにレース復帰を果たすが、大きな後れをとってしまう。
 これで上位陣は井口、国本、コッツォリーノ、嵯峨というオーダーとなるが、5 周目あたりからシフトのトラブルに見舞われたコッツォリーノがペースダウン。一時は12 番手までドロップしたエリクソンが猛然と追い上げを果たし、嵯峨とコッツォリーノを攻略し再び表彰台圏内の3 位に返り咲くことに。ポジションを落としたコッツォリーノは嵯峨の攻勢を受けるが、スリップを避けてストレートでラインを変えるなど防戦一方の展開となっていく。
 結局トップを行く井口は安定したペースで周回を重ね、後半は2 番手の国本とのギャップをじりじりと広げて見事に逃げ切り優勝。井口は昨年と同じく開幕の富士ラウンドを連勝で飾り、最高のシーズンスタートを切ることとなった。2 位には国本、3 位にはエリクソン。最後まで続いた4 位争いはコッツォリーノが粘り勝ちし、嵯峨は5 位。6 位に岩崎となった。
 一方、N クラスではポールポジションの関口が好スタートを決め、1 周目の波乱もあって1 周目に総合5 番手に躍進。これを追う山本も総合6 番手と好位置につけるが、後方から挽回してくるC クラスのマシンが関口との間に入るなどするうちに、徐々に関口と山本とのギャップが開いていってしまう。
 関口にとっては願ってもない展開となったが、クラス唯一となる1 分36 秒台のベストタイムを刻んだ関口は、終盤山本の追従を許したものの、そのままトップでチェッカー。前日の逆転劇とは打って変わったポール・トゥ・ウインで2 勝目をマークすることとなった。2 位には山本、3 位には佐藤公哉が続いた。



全日本F3選手権 第2戦 富士 決勝上位ドライバーコメント

Cクラス

優勝:井口 卓人 / Car.No36 / PETRONAS TOM’ S F308
「昨日に引き続き、今日も勝ててとてもうれしいですね。去年も同じようなパターンで開幕でふたつ勝ったのですが、その後流れが良く無くて結果的に悪いシーズンになったので、今年はそれが無いように努力してきたことを結果につなげることが出来たと思います。マーカス選手が飛んで行ったのが見えたあと、国本選手が後でかなりプッシュしてきていたのですが、序盤自分もかなりプッシュしてミス無く走れた結果だと思います。練習中は結構タイヤの磨耗があったんですが、今回のレースではそれがあまり感じられなくて中盤以降も安定して走れましたね。岡山でもしっかりとしたレースを戦いたいと思います」

2位:国本 雄資 / Car.No37 / PETRONAS TOM’ S F308
「今日のレースは3番からのスタートでしたが、スタート直後が一番チャンスがあると思ったので1コーナーでブレーキを遅らせて井口選手の横に並んだのですが、ちょっとタイヤをロックさせてしまって。ただ、2番に上がれて良かったです。その後はとにかくプッシュして走ったものの、毎周毎周ギャップが縮まらず“ これで大丈夫かな? ” とちょっと悩んだのですが、それでも諦めずに最後まで走ることはできました。後半、井口選手に少し離されてしまったのですが、それでも自分のベストを尽くせたレースだったと思います」

3 位:マーカス・エリクソン / Car.No1 / PETRONAS TOM’ S F308
「スタートでは動き出しが今ひとつだったかな。それで1コーナーでポジションを落としてしまった。その後、コカコーラコーナーでアウト側の縁石を少しはみだしてしまい、すぐにコースに戻ったものの、残念ながら100R でアウト側から並んできた安田と接触してしまった。彼には申し訳ないと思うけれど、イン側にもマシンがいて3 台並ぶような状況もあって……。さらにダンロップコーナーを立ち上がったときに、エンジンが失速して(ピットレーンスイッチの誤操作)さらにポジションを下げてしまったんだ。その後はなんとか追い上げるレースが出来たけれど、ちょっと1周目にポジションを落としすぎた。それでも表彰台に立てたのだから、満足しなきゃいけないね」

4 位: ケイ・コッツォリーノ / Car.No2 / TODA FIGHTEX
「スタートはとても良くて3 番手に上がったのですが、序盤はクルマの状況も良くてトムス勢のスリップを使えるような状況もあったものの、数周したところでシフトにトラブルが出てしまって、ブレーキングでシフトが落ちなくなってしまって……。それ以降はもう我慢のレースでしたね。トムス勢と戦える状況が見えていただけに残念ですが、5 番手からのスタートでひとつポジションを上げての4 位ですから、それには満足しようと。嵯峨選手が追い上げてきたときは、ブレーキングで勝負できないのでなんとかスリップを与えないように気をつけました。金曜にはトップとの差が大きかったのでどうなるかと思ったのですが、予選ですべてをまとめることができたので、次につながるレースウィークだったと思います」


N クラス

優勝:関口 雄飛 / Car.No18 / EBBRO AIM F307
「昨日はピットスタートになったこともあって、すごくバトルをしただけに優勝したのはもちろんうれしいのですが、今日はちょっとレースをした感じは少ないですね(笑)。スタートでうまくC クラスのマシンの前に出られたので、序盤に関してはうまくレースを運ぶことが出来たように思います。後半ちょっとリヤがグリップを失ってきたのですが、テストでは長い周回をこなしていなかったので、少しペースを落としました。それでもし後半、後から迫ってきたら、またプッシュできるように無理をしなかったんです」

2位:山本 尚貴/ Car.No7 / HFDP RACING
「この結果が実力の差だと思います。チームは最高の監督と最高のクルマを用意してくれているので、タイムが出ているのはまだ自分が乗せられているというか、まだちゃんと自分で操れていないのかもしれません。これを受け止めるかどうかで、今後のレースが変わってくると思いますし、今回のこの差を受け止めて、次戦の岡山では昨年勝っていますし、絶対にこの借りを返すつもりで頑張ります」

3 位:佐藤 公哉 / Car.No23 / NDDP EBBRO
「6 番手スタートだったのですが、ストールしていた小林選手とアレックス選手を抜くことができたものの、自分のスタート自体はあまり良くなかったので、千代選手に先行されてしまって。その後、千代選手との戦いになりましたが、ペース的には僕の方が良かったのですが、前に出るのに3 周くらい掛かってしまいました。そのあたりがちょっと無駄でしたね。クルマ的にもドライバー的にもちょっと限界かなとも思うので、これからどうレベルアップしていくかが今後の課題だと思います」

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