ラウンド岡山 レポート [Round 4 Report]

第4戦 天候:雨  コース:ウェット  参加16台 出走16台

●不安定な天候制し、レイン選択の安田裕信が今季初優勝

 土曜の第4戦公式予選は、序盤は雨量が小康状態だったものの、中盤以降は雨脚が強まりとてもタイムアップは難しいという状況。コースイン直後に岩崎祐貴が2コーナーでコースアウトを喫するなど、開始序盤に黄旗が相次いだことから、この予選セッションは統一規則第3章第24条5.が適用され、5分間延長されたものの、大勢は中盤に決することに。この結果、国本雄資が自身初となるポールポジションを獲得し、関口雄飛がNクラスながらフロントロウに。予選最高位を更新した嵯峨宏紀が3番手、これに千代勝正、井口卓人、アレキサンドレ・インペラトーリが続く結果に。第3戦予選でクラッシュを喫したマーカス・エリクソンと佐藤公哉は出走が適わず、同じくクラッシュした安田裕信はセッション終盤までに修復し、なんとかコースに出たものの、激しい雨の中わずか計測2周で予選通過基準タイムをクリアするのが精一杯という状況で、予選12番手に沈んだ。

 天候の回復が予想された日曜だったが、第4戦決勝スタート1時間前の午後2時ごろ、突然の雨がコースを濡らすこととなり、雨がほぼ上がった午後3時の段階でもコース上はウエット状態。コンディションとしては気温13℃、路面温度18℃と冷え込んだものの、上空には青空が垣間見えたこともあって、25周の長丁場の決勝での路面回復を見込んで、Nクラスの久保田克昭、小泉洋史、黒田吉隆を除く大半のマシンがスリックタイヤでグリッドへ。この3台のうち黒田はグリッドでスリックへ換装も、いったんスリックでグリッドについたCクラスの岩崎祐貴、安田裕信が相次いでレインタイヤに。こうして、合計4台のマシンがレインタイヤを履いてスタートすることとなった。

 ところが、大方の予想を裏切ってフォーメイションラップが終わるころには、再び雨が降り始める。そんな状況の中、午後3時18分にシグナルが消え、全車がいっせいにスタートを切った。

 まずまずの動き出しで1コーナーでトップを守ったのはポールシッターの国本。2番手には嵯峨が浮上し、関口は3番手。しかし、すぐさまレインタイヤを履く岩崎、安田が進撃を開始。早くも1周目に岩崎4位、安田5位としたレインタイヤ勢は、2周目にはトップ3台を次々にオーバーテイクし、あれよあれよという間にトップに躍り出てしまう。

 F3デビュー4戦目にしてリードラップを記録した岩崎だったが、その背後に同じレインタイヤを履き、昨年も雨で2勝を挙げている安田が迫る。3周目のバックストレッチで先行した岩崎を逆転した安田は、なんと予選12位からスタートも3周目にはトップに立つ。

 2周終了時にはNクラスの佐藤や山本尚貴、翌周には小林崇志、そしてCクラスのケイ・コッツォリーノらスリックでスタートしたマシンたちがピットイン、相次いでレインタイヤへと履き替えてコースに戻ると1分40秒前後で周回。これに対し、スリックで粘ることを選んだ国本、嵯峨、関口、井口、エリクソンらのラップは1分45秒前後と上がらず、結局安田、岩崎は独走することに。コッツォリーノが最終ラップ、国本を攻略して3位に浮上していた嵯峨をかわすと、結果的に表彰台を得た上位3台はすべてレインタイヤ勢という結果となった。

「予選ポジションが悪かったこともあって、エンジニアと相談してレインで行こうと決めた。昨日自分のミスでポールスタートのレースを失っていたので、今日勝てたことは大きい」と振り返った安田は3位以下をすべて周回遅れにする圧倒的な速さで今季初勝利。「こんなに早く表彰台に立てるとは」と語った岩崎が初表彰台となる2位。3位にはただひとり連日の表彰台獲得となったコッツォリーノが続いた。

 また、Nクラスではスリックのまま粘った関口が終盤までクラストップを死守したものの、ファステストラップをマークしながらの追い上げを見せた佐藤が残り5周のところでNクラストップに浮上、「開幕戦からチームがマシンを進化させてくれたことが勝因」とうれしい初優勝を飾ることに。2位には連勝が3でストップも、2位を守った関口。3位には最終ラップに僚友小林を僅差でかわした山本が入った。



全日本F3選手権 第3/4戦 予選上位ドライバーコメント

◎ Cクラス ◎

■:安田 裕信  第3戦予選:PP 第4戦予選:12位
(ThreeBond Racing/Car.No12/ThreeBond/ニッサンスリーボンド)
「第3戦予選では、最後の2周プッシュしていこうと思っていたのに、その直前にダブルヘアピンふたつ目でブレーキングでロック気味になって真っ直ぐ行ってバリアにクラッシュしてしまって。チームに迷惑を掛けてしまったのですが、完全にドライバーのミスなので、それでポールポジションが獲れたのは奇跡でしょう。ただ、そのせいでマシン修復に時間が掛かり第4戦予選に終盤まで出走できなかったので……。自分で良い流れを断ち切ってしまったので悔しいですが、第3戦ではポールポジションなので、今日は確実に勝って、明日は荒れるレースを期待します」

■:国本 雄資  第3戦予選:2位 第4戦予選:PP
(PETRONAS TEAM TOM’S/Car.No37/PETRONAS TOM’S F308/トヨタトムス)
「第3戦予選の序盤、前にNクラスのマシンがいて、詰まっている間に後ろから井口君が来てしまって。なんとか引き離して走りたかったのですが、難しい状況の中、頭の中でうまく整理できないままセッションが終わってしまった感じでした。トラクションが無かったので、インターバルに少しセットアップを変えてもらったのですが、第4戦予選でも充分ではなかったですね。ただ、前に誰もいなかったのと、慎重に走った第3戦予選よりも思い切って走って自分の力を出し切れたので、初ポールポジションを獲ることができましたね。今日の第3戦決勝は雨でしょうけれど、予選2回目のような走りをしてとにかく上位を目指し、明日はどんなコンディションでも自分のスタートに集中してスタートを決めて勝ちたいですね」

■:井口 卓人  第3戦予選:3位 第4戦予選:3位
(PETRONAS TEAM TOM’S/Car.No36/PETRONAS TOM’S F308/トヨタトムス)
「ハンコックのレインタイヤは初めて走ったのですが、タイヤの性格などが良く分からないままセットアップをし、タイムを出しに行くということで難しい予選でしたね。結構ハイドロも凄くて何度か飛び出したりもして、思い通りに走れないまま終わってしまった感じです。このままレースになるとクラッシュするマシンも出たり、結構荒れた展開になるような気がするので、今日はとにかく自分の腕でちゃんとクルマをチェッカーまで走らせ、その上での結果かなと。焦らずに落ち着いて走るつもりです」

■:嵯峨 宏紀  第3戦予選:5位 第4戦予選:2位
(DENSO Team Le Beausset/Car.No62/DENSO・ルボーセF308/トヨタハナシマ)
「思いのほか、ハンコックのレインタイヤとCクラスのマシンとのマッチングが良くなかったかなと。第3戦予選ではフロントタイヤはグリップするものの、リヤのトラクションが足りずにオーバーステアに悩まされているような状態でした。第4戦予選に向けてアジャストをして、多少良くなったとは思いますが、基本的な症状は変わらなかったと思います。今回はチャンスだと思うので、これまで何度か経験した繰り上がりでの表彰台ではなく、実力での表彰台を獲りたいですね」


◎ Nクラス ◎

■:佐藤 公哉  第3戦予選:PP 第4戦予選:DNQ
(TEAM NOVA/Car.No23/NDDP EBBRO)
「クルマの感触が凄く良くて、チームスタッフの皆さんが頑張ってくれて予想したセットアップが結構当たった感じでした。初めて履いたハンコックタイヤのレインと僕たちとのマッチングも、全く問題はありませんでした。全体のポールとまでは考えられませんでしたが、それでもこのクルマなら自分が頑張ればいけるんじゃないかと思って走りました。雨の中、自分のパフォーマンスを見せることが出来たというのはうれしいですが、第3戦予選の終盤に自分のミスでクラッシュして第4戦予選を走れないという事態を招いてしまったので、そのあたりは凄く残念ですね」

■:関口 雄飛  第3戦予選:3位 第4戦予選:PP
(AIM SPORTS/Car.No18/EBBRO AIM F307)
「タイヤの皮むきもしていませんでしたし、タイヤが温まるのに時間が掛かりそうだったので、第3戦予選では最初からピットに戻らずに走り続けるつもりでした。ただ、ちょっとセットアップ的にはあっていない感じでしたので、インターバルにセットアップを変更して。それで第4戦予選ではかなりフィーリングが良くなってポールポジションが獲れました。第3戦予選は残念でしたが、今日の決勝で雨が増えた場合を考えて、第4戦予選の終盤に雨の多いときにいろいろ車高など試したりして、それなりに準備が出来ていますから大丈夫だと思います」

■:千代 勝正  第3戦予選:2位 第4戦予選:2位
(TEAM NOVA/Car.No22/NDDP EBBRO)
「スタンダードなレインセットで臨んだところ、凄くバランスが良くクルマは文句なかったですね。第3戦予選は後半に前があいてタイムが上がってきたところで終了。それで第4戦予選では最初からペースを上げていったんですが、引っ掛かったりすることが多くて。結果的に後半雨が強まってタイム更新できる状況ではなかったので、前半が悔やまれます。ただ、第3戦予選でダブルチェッカーを犯して、決勝では3グリッド降格になります。クラス2位ではなくクラス4位という形でスタートする今日の第3戦は苦しいかもしれません。昨日ドライの状況が良かったので、明日は優勝を狙います」



全日本F3選手権 第4戦 決勝上位ドライバーコメント

◎ Cクラス ◎

■優勝:安田 裕信
(ThreeBond Racing/Car.No12/ThreeBond/ニッサンスリーボンド)
「天候がどうなるか分からないという状況の中、10分間の下見走行のときにスリックで皮むきをしたのですが、エンジニアと相談をして“レインで勝負しようか”ということは最初から話していました。そこでグリッド上でレインタイヤに替えたのですが、そうしたら雨が降ってくれて。そんなに危なくプッシュすることもなく抜いて、優勝することが出来て非常にラッキーでしたね。スリックのドライバーが苦しそうだったので、落ち着いて抜こうということだけでした。昨日はポールから普通にスタートしていれば、雨ということで大きなチャンスだったと思うのですが、自分のミスで潰してしまって。ここのところF3だけでなくGTでも大クラッシュをして、身体は無事でしたが精神的な部分で辛い日が続いていたので、これを機会に流れを変えていければと思います」

■2位:岩崎 祐貴
(NOW MOTORSPORT/Car.No33/イワサキインダストリーF308/トヨタトムス)
「スタート前には雨が降ったり止んだりでとても難しいコンディションだったのですが、僕の中ではレインで行こうと決めていたので、昨日使ったユーズドのレインタイヤでスタートしました。もし、路面が乾いてしまったら、ブロックを敢えて潰してセミスリックのような形にして走れとチームからは言われていたのですが、逆に雨が強くなっていく一方で。最初はスリックを履いている前のグループを接触のないよう慎重に抜いて行って、トップに立ったのですが、その直後に安田選手が良いペースで追い上げてきたので“これはやばい”と。残念ですが、案の定抜かれてしまいましたね(笑)。こんなにもあっさり表彰台に上がれることもあるんだなと思うと同時に、もっと自分の技術などが未熟でなければ、安田選手を抑えて勝てたかもしれないという気持ちもありますね」

■3位:ケイ・コッツォリーノ (TODA RACING/Car.No2/TODA FIGHTEX/無限戸田)
「非常に難しいコンディションの中、監督のチョイスでスリックタイヤで出たのですが、それはチャンピオンシップを考えて、2ポイント差で近い位置にいるエリクソン選手との勝負を想定したからです。彼と勝負するなら、(スリックを選んでいた)彼と同じ状況で走れば良いと。しかし、雨が強まりエリクソン選手も後方にいたままだったので、チームの判断でピットインしてユーズドのレインタイヤに替えました。その段階で1周遅れになってしまったのですが、その後は120%プッシュしましたね。岡山は戸田レーシングの地元ということで、たくさんの方に応援に来ていただいたので、うれしかったですし、とても心強く感じました」

■4位:国本 雄資
(PETRONAS TEAM TOM’S/Car.No37/PETRONAS TOM’S F308/トヨタトムス)
「スタート前にはこのまま乾いていくんじゃないかということで、スリックタイヤで行ったんですが、逆に雨が降ってきてしまって。それでも中盤以降乾くんじゃないかと思って自分なりに集中してプッシュしていったんですが、雨がどんどん強まって本当にコースにとどまるだけでも難しかったですね。スタートは悪くなかったんですが、今日の天候では仕方ないですね。残念ですが、初優勝は次戦にお預けということになりましたが、今週末は初ポールも獲れて少し自信に繋がりました」

■5位:井口 卓人
(PETRONAS TEAM TOM’S/Car.No36/PETRONAS TOM’S F308/トヨタトムス)
「ちょっと難しいコンディションでしたね。結果的に1-2-3はレインタイヤを履いたマシンになってしまって、僕たちの判断はスタートの段階では間違っていなかったと思いますし、結果的に雨が降ってきたためにこういう結果になってしまっただけで、勝負しての結果ですから全く悔いはないです。去年と同じく開幕3連勝をしたのですが、去年は4戦目を表彰台で終えたのに、今年は表彰台に立てなかったので、また頑張ろうと気合いが入りました。もっともっと速くなって、次の鈴鹿ではまた連勝したいですね」


◎ Nクラス ◎

■優勝:佐藤 公哉
(TEAM NOVA/Car.No23/NDDP EBBRO)
「今日は最後尾スタートで、チームも僕もここから乾いていくだろうという読みだったので最初はスリックだったのですが、走り始めたらバイザーに雨が当たって来て。これはダメだなと思ったので、無線がないのでチームに何も告げず、いきなり2周目にピットインして“レインタイヤに替えてください”と頼んで履き替えました。ほぼ1周遅れになって、自分のポジションが良く分からないままプッシュして走りましたが、開幕戦以降チームがデータを解析してマシンを進化させてくれていたことがこの結果につながったと思います」

■2位:関口 雄飛
(AIM SPORTS/Car.No18/EBBRO AIM F307)
「難しいコンディションだったのですが、周りがみんなスリックだったこともあって、僕もスリックでスタートしました。ただ、無線のラインが抜けてしまっていて、僕が話すこともチームに伝わらないし、チームが話すことも僕に伝わらないという状況でしたし、前にも国本選手がいて、後ろにも井口選手がいてスリックのまま走り続けていたので、トムスと一緒なら大丈夫かなと思ってピットには入りませんでした(笑)。結果的に最後までスリックで走ったのですが、なんとか2位に残れて良かったです」

■3位:山本 尚貴
(HFDP RACING/Car.No7/HFDP RACING)
「周りの状況も見ながらスリックで行ったのですが、序盤すぐに雨が降り始めてピットから無線でどうするかと聞かれたので、僕としてもかなり悩んだのですが、雨脚が強かったのでレインタイヤに替えました。ピットアウト後は、自分なりにプッシュして走ってはいたのですが、終わってみたら上位のマシンとタイム差があったので悔しいですね。最終ラップの最終コーナーで小林選手が他車を抜きにイン側に行ったところをうまくクロスラインで立ち上がって、僅差ながら前に出て3位でフィニッシュすることができました」


 

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