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2017年3月7〜8日 鈴鹿合同テスト

鈴鹿合同テスト2日目はパロウが最速
各陣営開幕に向け手ごたえを得る

鈴鹿合同テスト走行2回目、3回目ともトップタイムをマークしたアレックス・パロウ(THREEBOND)

宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)

 1日目の走行から一夜明け、全日本F3選手権の第1回合同テストは三重県の鈴鹿サーキットで3月8日、走行2日目を迎えた。この日は午前9時から走行2回目が、午後2時45分から走行3回目がそれぞれ2時間ずつ行われた。

 今シーズンからフロントセクションやディフューザー等の空力仕様などさまざまな部分が変更になったこともあり、初日はその確認等を行うチームが多かったが、2日目となりテストも本格化。コースオープンから積極的に各車が周回を重ねていき、序盤から多くのマシンが1分51秒台のラップタイムをマークしていった。

 さまざまなテストプログラムがこなされていくなか、ユニークな取り組みをみせたのはカローラ中京 Kuo TEAM TOM'S F317。今季はゼッケン1番のカローラ中京 Kuo TOM'S F317をドライブする坪井翔が途中、宮田莉朋の36号車カローラ中京 Kuo TOM'S F314をドライブするシーンもみられた。坪井によれば「エアロが変わって、去年までのクルマとどう違うのか分からなかったので、チェックも兼ねて比較のために乗ってみました」のだという。

 また、前日の走行1回目ではマシントラブルもあり、思うように周回できなかった片山義章(OIRC F315)もこの日は順調に周回。前日までスーパーフォーミュラのテストに参加していた二度のマカオGPウイナー、フェリックス・ローゼンクビストがコーチ役を務めるなど、充実の2日目となった。

大津弘樹(TODA FIGHTEX)

 そんな走行2回目だが、セッション終盤にアレックス・パロウ(THREEBOND)が1分50秒535をマークし、タイミングモニターの最上位に浮上する。ただ、ペースが上がったこの日は走行1回目で一度も出なかった赤旗が出はじめる。10時25分ごろには、イェ・ホンリー(KRC with B-Max F315)がデグナーふたつめでコースアウトしストップ。また、終盤のアタックシミュレーション開始直前の10時50分ごろには、ブルーノ・カルネイロ(Alb新潟第1ホテルSuger)が逆バンクとダンロップコーナーの間あたりでコースオフ。ふたたび赤旗が出た。

 このためセッションは5分間延長され、午前11時05分までとなったが、各車がセクターベストを更新しているなか、吉田基良(B-Max Racing F312)がデグナーでストップ。そのため再度赤旗が提示され、そのまま走行終了となった。

 最終的にパロウのタイムがそのままベストとなり、大津弘樹(TODA FIGHTEX)が1分50秒544で2番手。坪井が3番手、高星明誠(B-MAX NDDP F3)が4番手でセッションを終えた。F3-Nでは霜野誠友(CMS AVANTECH F306)が1分55秒947で最速。DRAGON(B-Max Racing F306)が続いた。

■午後は小雨も。ふたたびパロウが速さをみせる

霜野誠友(CMS AVANTECH F306)

 3時間45分のインターバルを経て迎えた午後の走行3回目は、午後2時45分からスタートとなった。東コース側はまだ晴れ間も見えていたものの、西コース側では流れてきた雲から雨粒が舞い、序盤こそ各車とも周回を重ねていたものの、途中路面を濡らすほどではないが雨脚が強くなり、全車が走行を見合わせるシーンもあった。

 そんななか、各チームは天候が回復するとともに思い思いのテストプログラムを進めながら、終盤に向けニュータイヤを投入しタイムを上げていく。チェッカーまで残り18分ほどとなった午後4時27分には、宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)が1分50秒327にタイムアップ。ポジションを上げる。

 しかしその1分後、わずかに宮田のタイムを上回る1分51秒319をマークしたのはパロウだ。その後さらに自身のタイムを縮め、1分50秒307をマークしチェッカー。初めての鈴鹿ながら2日間できっちりとコースをマスターし、ベストタイムを記録して初めての全日本F3テストを終えた。

 2番手は宮田で、午後は1号車で走り続けた坪井が3番手に。「今日はメカニカルを中心に進めました。アタックはトラフィックに引っかかってしまって」という高星が4番手に続いた。F3-Nでは午前に続き霜野が1分55秒639でベストタイムをマーク。植田正幸(Rn-sports F308)が2番手となっている。

 今季からF3では、J項車両の車両規定が変更となり、各チームともそれに対する対応を試すテストとなったが、それぞれに手ごたえを得た様子。この後富士でのテストを経て、全日本F3の2017年シーズンは開幕を迎えることになる。

■アレックス・パロウ
(THREEBOND/Car No.12/ThreeBond Racing with DRAGO CORSE/ThreeBond TOMEI TB14F3)

「いいテストだったね。トラックを学ばなければならなかったけど、鈴鹿は僕のお気に入りのコースになりそうだ。セクター1が素晴らしいよ。GP3からF3に乗り換えるにあたって適応するために、すべてが新しい体験になったね。GP3の方がパワーはあるけど、F3の方がダウンフォースがあるんだ。でも、いいインプルーブができたと思う。全日本F3は今回見た限り、素晴らしい選手権だ。それにこのシリーズで勝ち抜くことができれば、スーパーフォーミュラやSUPER GTに繋がるからね」

■宮田莉朋
(カローラ中京 Kuo TOM'S F314/Car No.36/カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S/TOYOTA TOM'S TAZ31)

「今日も慣れることを中心に、ロングランで進めていきました。途中雨も降ってきて、その後もロングをやったのですが、すごく良いタイムが出ました。その後ニュータイヤを入れることは決めていたので、1分50秒5というタイムを想定していましたが、1分50秒327という目標を上回るタイムも出せました。もう少しでトップタイムを狙えましたが、一方で課題も見つかりましたね。今回はいいテストになったと思います」

■坪井翔
(カローラ中京 Kuo TOM'S F317/Car No.1/カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S/TOYOTA TOM'S TAZ31)

「昨日の段階でシェイクダウンは終わったので、今日はセットアップを中心に進めていきました。今日は比較のために36号車にも乗りましたが、個体差もありキャラクターが違うようなので、1号車についてはまだまだ煮詰めなければいけないと思います。開幕までにやることは多そうですね」


リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ

吉田基良(B-Max Racing F312) DRAGON(B-Max Racing F306) アレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)
高星明誠(B-MAX NDDP F3) 山口大陸(タイロクレーシング28号) アレックス・パロウ(THREEBOND)
久保田克昭(Planex スマカメ・F308) 高星明誠(B-MAX NDDP F3) 長谷川良哉(Alb新潟第1ホテルSuger)
植田正幸(Rn-sports F308) 霜野誠友(CMS AVANTECH F306) 阪口晴南(HFDP RACING F316)


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