17台が集った全日本F3鈴鹿テストが開幕
初日は宮田莉朋がトップタイムを記録

宮田莉朋（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）

　10月の最終ラウンドの富士から、第65回マカオグランプリを経て全日本F3選手権はオフシーズンを迎えた。例年同様12月の開催となった合同テストには、17台／22名のドライバーがエントリーした。なお、当日になって30号車のCドライバーとして藤波清斗が追加登録され、23名がすっかり冷え込んだ鈴鹿サーキットに集った。

　迎えたテスト初日となる12月20日は、うっすらと日射しが差すものの曇り空。海外チームとコラボレーションしはじめたチームも多く、外国人ドライバーやスタッフがピットで作業する様子は、今までの全日本F3選手権とはやや異なる様相を呈していた。

笹原右京（B-MAX RACING F3）

■午前は比較テストを行った宮田が首位

　そんななか、12月20日（木）の午前9時からスタートしたセッション1。序盤は32号車をドライブした宮田莉朋、31号車をドライブした小高一斗というカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sのふたり、そして全日本スーパーフォーミュラ選手権に向けた習熟のためにテストに参加したルーカス・アウアー（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）、さらにマカオGPで3位に入ったサッシャ・フェネストラス（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）が上位につけていく。

　ただフェネストラスは、序盤にS字区間でコースアウトを喫した際にフロントウイングを壊してピットイン。このダメージを修復するために時間を要してしまう。上位陣は少しずつ1分52秒台にタイムを入れていき、小高、ハリソン・ニューウェイ（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）、さらに河野駿佑（HubAuto F318）が上位につけていった。

　小高と宮田は、途中比較のためにマシンをスイッチし、小高が31号車、宮田が32号車に乗り換えるが、交換の前に宮田がまずは1分51秒856をマーク。3周連続で51秒台を記録し交代。宮田は32号車に乗り換えてからも5周目に1分52秒278を記録するなど、順調にテストを進めていった。

小高一斗（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）

　一方、セッション後半に大きくタイムを上げてきたのは、今回B-MAX RACING TEAMからテストに参加した笹原右京（B-MAX RACING F3）。序盤ドライブしたDRAGONからマシンを受けつぐと、7周目に1分51秒940をマークし2番手に浮上する。

　最終的にこのセッションでは赤旗が提示されることはなく、宮田が記録した1分51秒856が午前のセッション1のベストタイムに。笹原が2番手、小高が3番手という結果となった。また、32号車で宮田が記録した1分52秒278が4番手のタイムとなった。5番手には大湯都史樹（TODA FIGHTEX）がつけている。

■コンディションが変化した午後はニューウェイが首位

　午後2時からスタートしたセッション2は、その前から降りはじめた雨によってウエットコンディションへと転じた。ただ雨脚は弱く、路面も水が溜まるような場所はなく、しっとりと湿っているなかでの走行となった。コンディションが難しい状況だったことから、しばらくは各陣営ともにそれぞれチェック等をこなしながらの走行となった。

　そんななか、開始から32分というところで、大草りき（Planex スマカメ・F3）がデグナーでスピンアウトしてしまったため、この日唯一となら赤旗提示となった。車両回収後、しばらくは走行が続けられていくが、終盤30分近くになると雨は止み、路面が乾きはじめた。

大湯都史樹（TODA FIGHTEX）

　そこで各車はピットに戻り、スリックタイヤを装着。上位陣も2分台を切るマシンが現れはじめた。トップタイムを塗り替え続けたのはフェネストラス、そして午後からOIRC Team YTBの7号車のステアリングを握ったカラム・アイロット（YTB F312）。また、セッション2の終盤からB-MAX RACING TEAMの30号車をドライブした藤波清斗が続いていく。

　チェッカーへ向けアイロット、フェネストラスらがタイムを縮めていったが、チェッカー間際に1分56秒101を記録したのはニューウェイとなった。2番手にはアイロット、3番手にはこちらも終了間際にタイムを上げたアウアーとなった。藤波は4番手、5番手には河野駿佑（HubAuto F318）がつけている。

「午前は31号車と32号車の比較を行い、午後は自分の32号車でセットアップや課題のウエットの克服などに取り組みました。午前の比較で、今まで分からなかった部分を理解することもできたので、有意義な一日になったと思います」と最終的に1日目のトップタイムとなる1分52秒278を記録した宮田は語っている。

ハリソン・ニューウェイ （B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）

　また2番手となった笹原は、「スタッフの皆さんが素早く作業していただいたおかげですぐにコースインすることができましたし、まだフィーリングをつかみ切れていない状況であのタイムが出たのは良かったです。トップにいければもっと良かったですがまだ伸びしろも感じます」と振り返っている。

　午前、午後ともに上位につけた河野も「個人的に鈴鹿は好きですし、鈴鹿で行われた今年の開幕大会からドライバーもマシンも進化することができたと思っています」と手ごたえを感じた一日になった様子だ。

　全日本F3選手権の鈴鹿合同テストは、12月21日（金）も午前9時から、そして午後2時からそれぞれ2時間の走行が予定されている。

リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ