全日本F3鈴鹿合同テストは宮田が連日の首位
セッション3はフェネストラスがトップタイム

宮田莉朋（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）

　セッション1／2で22名が走行したテスト初日から一夜明け、全日本F3選手権の鈴鹿合同テストは12月21日（金）、セッション3／4が行われる2日目を迎えた。この日の鈴鹿サーキットは晴天に恵まれ、朝には前日の雨がコース上にわずかに残ってはいたものの、走行開始直後にはレコードラインは完全にドライとなった。

　ドライを待ちわびたかのように、午前9時からスタートしたセッション3では17台全車がコースイン。宮田莉朋（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）、サッシャ・フェネストラス（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）、ルーカス・アウアー（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）、さらに小高一斗（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）らが早々に1分52秒台へ入れる。さらに宮田は、5周目と7周目に1分51秒台へ入れてみせた。

サッシャ・フェネストラス （B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）

　これに続いたのはフェネストラスで、6周目に1分51秒918を記録。さらに開始から27分というところでは、大草りき（Planex スマカメ・F3）が1分51秒863で2番手につける。上位陣は7名が1分51秒台に突入していったが、早々に1分50秒台に入ったのはフェネストラス。開始38分に1分50秒697をマークすると、さらに開始1時間05分には1分50秒666を記録した。

　終盤にはカローラ中京 Kuo TEAM TOM'S勢もタイムを上げていくが、開始1時間40分には小高が1分51秒275を記録、さらにチェッカー間際には、宮田がセクターベストを繋げ、1分50秒860をマークする。しかしフェネストラスがマークしていた1分50秒666には届かず、フェネストラスがセッション3の首位となった。

　2番手は宮田、3番手は小高という結果となり、4番手にはハリソン・ニューウェイ（B-MAX RACING AND MOTOPARK F3）、5番手には河野駿佑（HubAuto F318）が続く結果となった。片山義章（YTB F318）は6番手につけたものの、エンジントラブルに見舞われている。

小高一斗（カローラ中京 Kuo TOM'S F317）

■午後は赤旗中断も多数発生

　午後2時からスタートしたセッション4は、引き続き晴天。片山はトラブルを解消しコースインしたほか16台が出走している。ただ開始から6分というところで、93号車をドライブしていた名取鉄平（TODA FIGHTEX）がデグナーでコースアウト。バリアにクラッシュしてしまったため、赤旗中断となっている。

　セッション再開後、1分51秒台に突入したのは午前に引き続き30号車のステアリングを握った藤波清斗（B-MAX RACING F3）、そして小高。これに宮田、そしてセッション2に続くドライブとなったカラム・アイロット（YTB F312）が続く。開始40分には、アイロットが1分51秒856をマークし、トップに躍り出た。

　少しずつ夕焼けが出はじめるなか行われたセッション後半、1分50秒651をマークしアイロットのタイムを逆転したのは宮田。終盤に向けて気温も下がりタイムも上がっていくが、一方でコースアウトも。開始1時間31分には、片山義章（YTB F318）が、開始1時間46分には河野がデグナーでコースアウトを喫し、終盤二度赤旗が提示されたことから、セッションは10分間延長された。

　再開後各車はアタックを展開していくが、ここでまずはアイロットが1分50秒740をマーク。しかし、直後に宮田が1分50秒307をマークし、ふたたびベストタイムを更新する。また小高も1分50秒885までタイムを伸ばした。

　ベストタイム更新はそこで終了し、そのまま午後4時10分にチェッカーを迎えた。ただそのタイミングのバックストレートで大湯都史樹（TODA FIGHTEX）がストップ。赤旗が提示されたまま走行終了となっている。セッション4の首位は宮田、2番手にアイロット、3番手に小高となった。

河野駿佑（HubAuto F318）

■外国人ドライバーもテストに収穫

「チームがやりたいこと、自分が試したいことを試せたので、いい2日間になったとは思いますが、今年参戦していたドライバーがいたらトップは獲れなかったと思いますし、課題は残っているので、まだ満足はしていません。最終的にトップだったので、そこは良かったですが、今回のテストをしっかり振り返っていきたいと思います」と宮田。

　一方セッション3首位のフェネストラスは「日本もコースも、チームも初めてのテストだったけれど、いいテストになったと思う。日本のコースを学べたことも興味深いし、ヨーロッパで乗っていたクルマとのフィーリングの違いも感じられた」とコメントした。

「セッション3では、他のドライバーよりも多くニュータイヤを投入したことも良かった。午後はレッドフラッグも多かったからね。このテストで来年がすごく楽しみになったよ。できれば日本でレースを戦いたいと思っている」

カラム・アイロット（YTB F312）

　今回のテストは、フェネストラスをはじめ多くの外国人ドライバーが参加したが、アイロットも「マカオでヨシ（片山義章）に声をかけられてテストに参加したんだ。日本自体も初めてだったけれど、素晴らしい人たち、コース、すべて楽しめた。今度はスーパーフォーミュラのテストにも参加したい」と全日本F3選手権のテストで有意義な経験を持ち帰った様子だ。

　2019年の全日本F3選手権に向けどんな顔ぶれが揃うのか興味深い2日間を終え、2018年の全日本F3選手権は全日程を終えた。

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