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全日本F3選手権最後の合同テストは
ウェットコンディションでスタート
Dallara320の阪口が走り始めから好調をキープ

阪口晴南(B-Max Racing with motopark

 今年も残りあと2週間という12月18日(水)〜19日(木)、三重県鈴鹿サーキットでは全日本F3選手権41年の最後の締めくくりとなる合同テストが開催された。

ラウル・ハイマン(B-Max Racing with motopark)

 今回のテストにエントリーしたのは、5チーム9台のマシン。この中には、来季から新たにスタートする「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」で使用されることになるダラーラ320も2台含まれている。また、ルーキーが参加したチームもあり、今回、TODA FIGHTEXでは名取鉄平、B-Max Racing with motoparkではフィンランドのシモ・ラクソネンとイギリスのラウル・ハイマンがステアリングを握っている。ダラーラ320に関しては、18日のセッションでは阪口晴南が320号車をドライブ、51号車をラクソネンがドライブした。

シモ・ラクソネン(B-Max Racing with motopark)

 前日に降った雨の影響で、路面がウェットコンディションとなった18日(水)の最初のセッション。この日は朝からどんよりとした曇り空の天候となり、時折ヘアピンや130Rで雨が落ちてくるような場面もあった。そのため、午前中はセッションを通じてレインタイヤでの走行となっている。その中で、40周近くに渡る精力的な走り込みをしたのは、これが全日本F3は初体験となる名取鉄平(TODA FIGHTEX)と今シーズン全日本F3で1年間戦ったアメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)。名取にとってはヨコハマタイヤを使用する日本のF3習熟のためにも、できるだけ多く周回を重ねたいところ。また、ベイディアナサンは今年サッシャ・フェネストラズがチャンピオンを獲得した11号車で、さらに経験を積むためのテストを行っている。他にも、河野駿佑(RS FINE)や阪口晴南(B-Max Racing with motopark)が30周余りの周回を重ねているが、特に阪口は、新車開発のテストを行っており、任務は重大だ。また、今回は、B-Max Racing with motoparkが2台目となる320を組み上げ、初テストのために持ち込んだが、こちらはラクソネンの手に委ねられた。

 マスタークラスのドライバーとしては、DRAGON(B-Max Racing with motopark)と植田正幸(RN sports)が午前中から走行を実施。久保田克昭(HANASHIMA RACING)は、エントリーこそしていたものの、午前中のセッションでは走行していない。
 さて、午前9時にセッションが開始されると、序盤から2分07秒318というタイムをマークしてトップに立ったのは、阪口。阪口はそこから次第にタイムアップし、開始から約30分という段階では、2分06秒774をマークしてきた。その他のドライバーとしてはベイディアナサンが計測10周目には2分07秒800、阪口と同じく320に乗るラクソネンが2分08秒214、ハイマンが計測7周目に2分07秒877、計測10周目には2分07秒356をマークしてくる。

 セッションが折り返すと、320のラクソネンも少しずつタイムアップ。計測13周目には2分07秒562、計測15周目には2分07秒515をマークしてきた。そして、セッション終了間際には、阪口がベストタイムを更新。2分06秒363までタイムアップし、最初のセッションをトップで終えている。これに続いたのは、ハイマン。以下、ラクソネン、ベイディアナサン、河野、名取と続いている。さらに、DRAGONが7番手、植田が8番手となった。


■ドライの午後のセッションも阪口が他を圧してトップタイム

 3時間のインターバルを経て、2回目の走行が始まったのは、午後2時。この頃になると雨は完全に止み、午前中には吹いていなかった風が吹き始めた。開始時点では、各ドライバーがレインタイヤでコースに入ったが、すぐにレコードライン上は乾き始め、開始から10分を過ぎたあたりからはスリックタイヤでの走行となった。

 レインタイヤでの確認が終わったあと、すぐにスリックでコースに入ったのは、名取と河野。ここで名取が最初に2分を切り、1分58秒273、1分57秒150とタイムを伸ばしてくる。また、河野も1分57秒640、1分55秒944とタイムアップ。一時、トップに立った。セッション開始から30分ほど経つと、この河野のタイムを上回ってきたのが、阪口。阪口は、路面コンディションが良くなるのを待ってからコースに入ると、一気に1分54秒897、1分53秒733とトップタイムを書き換えてくる。この頃になると、陽射しも差し込むような天候となっていた。

 その後、一旦ピットに入った阪口は、セット変更や無線の不具合を修正するため、しばらくコースに出なかったが、その間にトップタイムを書き換えたのは、ハイマン。ハイマンは計測16周目に、1分53秒586というタイムをマークした。さらに、それを上回ってきたのは、ベイディアナサン。ベイディアナサンは計測17周目に1分53秒429までタイムを縮めてくる。

名取鉄平(TODA RACING)

 セッションが後半に入ると、新車をドライブするラクソネンも大きくタイムアップ。1分52秒846、1分52秒549と続けてトップタイムを書き換える。だが、この頃、再びコースに入った阪口が、一気にそのタイムを上回ってきた。
阪口は、計測10周目に1分51秒710をマークすると、その2周後には1分51秒555をマーク。さらに、セッションの残り時間が15分ほどとなった時点では、計測17周に1分50秒806と、唯一1分50秒台に突入してくる。さらにチェッカー目前というところで、阪口は1分50秒500までタイムアップ。初日のセッションをトップで締めくくった。これに続いたのは、ハイマン。ハイマンもチェッカー目前で、1分51秒572と自己ベストを更新。以下、河野、ベイディアナサン、ラクソネン、名取と続いている。マスタークラスドライバーの中では、DRAGONが1分54秒151でトップ。これに午後から走行を開始した久保田、植田と続いた。

リザルトのPDFはこちらへ

久保田克昭(HANASHIMA RACING) 植田正幸(RN sports) アメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)
DRAGON(B-Max Racing with motopark) 河野駿佑(RS FINE) 阪口晴南(B-Max Racing with motopark)


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