■エンジン競争も勃発!
今年度からエンジンレギュレーションが変わり、全日本F3選手権ではトヨタエンジンのトムス、ホンダエンジンのM-TEC、独自開発の戸田レーシングの3メーカーのエンジンが競い合っています。僕の注目は野尻選手・千代選手・吉田選手が使用する戸田レーシングエンジンです。
昨年のイベントで戸田社長とお会いし、新型エンジンについてご説明頂いていました。開幕ラウンド前のテストに参加出来ず、走行距離が少ない中、トヨタエンジンとホンダエンジンと互角に戦っていた鈴鹿の開幕戦を見て、昨年開発してきた結果が出ているのだと本当に嬉しく思いました。今後の成長に注目していきたいと思います。
昨年マシンの違いとして、今年新型エンジン搭載車はシフトチェンジがパドルシフトとなりました。クラッチはほぼスタートしか使いませんし、速く走るドライバーの負担を軽減出来る方法として、いつかオートマチックになってしまうかもしれません。オートマチックでもエンジンブレーキが効き、小さくて今のクラッチよりも軽いシステムになればF1でも導入するのでしょう。速く走る為にはドライバーの体力アップとドライバーにかかる負担を少しでも軽減させ、集中力と体力の持続をさせる精神的余裕が必要になります。パワステとオートマチックが付いているマシン。いつかそのような日が来るのだと思います。
■Cクラスに経験豊富な外国人ドライバーが欲しい
今年のトムスには経験豊富な外国人ドライバーが居ません。F3は多くの経験を盗むクラスでもあると思います。ジュニアフォーミュラの選手がそのままステップアップし、毎年似たメンバーでレースをしていても、新たな発見は少ないと思います。基準になる経験豊富なドライバーが居ることで、自分に足りない部分を見付けるきっかけになるはずです。もし同じチームに居たとしたら、ロガーデータで自分との違いをグラフで確認することが出来ますし、自分の方が速ければ自信にもつながります。
今年参戦している全ドライバーがマカオグランプリを視野に入れているはずです。世界で活躍するドライバーになる為には、世界のドライバーから盗む技術も備えていって欲しいと思います。
レースを見ているとレースの事に集中してしまいますが、一歩引いて見た客観的な見方が出来たとき、新たに必要なことが見えてきます。これはレースだけでなく、どのようなことでも同じです。自分の視野を広げる意味で、自分を客観的に見ることをお勧めします。
■F3-Nクラス3位表彰台争いが面白い!
F3-Nクラスの上位は、トラブルやリタイアが無ければスタート前からある程度結果が見えていました。しかし、3位争いはスピン、ドライブスルーペナルティー、コースアウトなどによって目まぐるしく変動し、見ていてどのドライバーが3位に入るか分かりませんでした。
開幕戦は諦めずに完走したDRAGON選手(B-MAX・F306)が3位獲得。今年は台数が少なく、リタイアをすると0ポイントですが、完走すればポイントを獲得出来てしまいます。開幕ラウンドを終え、ポイントランキング3位はDORAGON選手。F3-Nクラスの3位争いはひとつの見所でもあると思います。
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