■ トムスのワン・ツーフィニッシュ
今年は抜群の速さを取り戻したトムスが、開幕戦から全勝を収めています。この勢いを止められるのは、次戦のもてぎがチャンスだと感じています。
トムスの2台、中山雄一選手と勝田貴元選手のチームメイトバトルも両者引かないでしょうし、全車タイム差は少なく、チャンスがあると思うのです。トムスの2台は、1周目にトップのドライバーが、2位を引き離していくパターンが多く、2位がくらい付くパターンのレースも見てみたいところです。
空力の優れたF3マシンの後ろに付くと、コーナリング中のダウンフォースが少なくなり、マシンコンディションや乗り味が変わり乗り辛くなりますが、そう言っていたらいつまでも抜くことが出来ないので、これもセッティンング能力のひとつなのかもしれませんね。富士スピードウェイのように長いストレートでは、スリップストリームを有効に使えて後ろの方が有利に働きますが、スウトップ&ゴーのもてぎでは、そうはいかないでしょう。難しいところです。
■ 両クラスとも3位争い
総合、F3-Nクラス共に、3位獲得ドライバーは毎戦入れ替わりがあります。また、途中からF3-Nクラスに小河諒選手が加わり、白熱していますね。
3位以降のタイム差が少なく、予選の順位よりも、決勝のペースが大きく影響しています。接触があったのも両クラス共、3位争いでした。
見ていて面白いのですが、接触はなるべく避けてもらいたいです。僕自身を振り返れば、あまり人のことは言えませんが(笑)。
■ 次戦もてぎは2&4で併催レース
2輪と4輪が交互に走ると、ライン上に残ったゴム跡やコンパウンドの違いで、普段とは違う感覚があります。グニュグニュと言うか、ムニャムニャと言うか。
ゴムが路面に乗り出すとセッティングにも影響してきます。順調にタイムを上げていても、次のセッションはこの影響でタイムが上がらないケースは良くあります。
この罠が存在する次戦もてぎは、持ち込みのセッティングから、路面状況に合わせてセッティングが出来るかを確認できる意味で、ドライバーとチームのセッティング能力を見分けられます。富士からもてぎという極端なサーキット形状の違いは、レースを面白くしてくれるでしょう。
■ 関口選手、マスターズF3とマカオGPに参戦
ミュッケモータースポーツからマスターズとマカオ参戦を発表した関口雄飛選手。練習なしで挑んだマスターズF3は良い結果ではありませんでしたが、マカオグランプリはやってくれると信じています。
彼はスーパーGTで暴れ気味ですが、日本のレース界に少ない、アグレッシブなドライバーです。関口選手がフォーミュラトヨタの頃から、良い意味で何かしてくれて面白いと思っていました。
彼がF3に乗ることはステップダウンではありません。F1や海外フォーミュラの道に進む為には、マスターズF3とマカオグランプリが最短ルートだと私も思っています。出られるチャンスがあるのならば、そこでチャンスを掴めるかもしれません。
関口選手は過去にもマカオグランプリに参戦しており、F3の感覚さえ取り戻せば、面白い存在になると思います。応援しています。 |