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 こんにちは! 長屋宏和です。私が感じた全日本F3選手権をストレートに伝えていくこのコーナー、2017年第3回目のコラムは第14戦&第15戦&第16戦が行われた、ツインリンクもてぎからお届けします。

■1イベント3レースを2セットで。タイヤ選択で流れが変わる

 今大会のもてぎラウンドは、1イベント3レースの最後のレースで、上位陣は新品タイヤでスタートしていました。天気予報では3日間とも雨の予報でしたが、結局雨は降らず、各チーム戦略が分かれていました。

 決められたタイヤ本数のなかで、どのようにレースウイークを組み立てるかは、チームとドライバーですが、そう考えるとグリッド前走行の2周を走る意味が本当にあるのでしょうか?

 ほとんどのドライバーはピットをスルーしていきます。無線で状況説明ができているとは思いますが、走りはじめの大きなセッティング変更はなく、グリッドでも修正できる範囲で、路面に設置しているタイヤのグリップ力は、セッティング以上に必要ではないかと思います。

 ライバルより良い条件を求めるなら、賭けに出ること、試すことで、新たな何かヒントが生まれ経験となる気がします。昨年まで参戦していたヤン・マーデンボロー選手がグリッド前走行を走らない選択をしていたのも、全日本F3に新たな風を吹かせてくれていました。

■高星選手の安定感。キーパーソンは宮田選手

 ランキング首位の高星明誠選手(B-MAX NDDP F3)が、シリーズチャンピオンに向け2位でのゴール。残り4戦、ノーポイントがなければ、坪井選手が連勝を続けても、すべて4位以内でゴールできればチャンピオンです。

 そのキーマンは、もてぎラウンドで不安定だった宮田莉朋選手(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)の結果だと思います。FIA-F4でも少し空回りぎみで、落ち着いて走れば表彰台はかたいと思っています。1年目の参戦で、開幕から良いパフォーマンスを見せてくれているので、来年に向け、この後半の流れが重要になってくるはずです。

■片山選手のタイムアップ

 もてぎ大会3ラウンドすべてで5位入賞の片山義章選手(OIRC F315)。第16戦の決勝スタート後の数周はトップ集団から離されず、何かつかめたのではないかと感じました。

 2016年のF3-Nチャンピオン。1台体制だと比較が難しく、2台体制でレースができたら、もっと短時間でいろいろなものを煮詰められるのかなと感じています。今が壁を乗り越えるタイミングですね。あとコンマ3秒速くなれれば、走る位置が変わるので、そのコンマ3秒を早く見つけ出して頂きたいです。


■DRAGON選手F3-Nチャンピオン決定

 DRAGON選手(B-Max Racing F306)、F3-Nチャンピオン決定おめでとうございます。

 どのようなレースでも、クラッシュやトラブルなど、予期せぬことがあり、優勝はできても、チャンピオンになるのは本当に凄く難しいことです。

 このチャンピオンの経験は、この先に活きてくるだろうなと思います!



1979年12月31日生まれ。13歳のときに見たF1日本グランプリに影響され、レーシングドライバーを志す。2002年、TODA RACINGから全日本F3に参戦。同年F1のサポートレースでクラッシュし、頚椎損傷C6の重傷を負うが、必死のリハビリで2004年、ハンドドライブでのレーシングカート走行を果たし、大きな感動を呼んだ。チェアウォーカーとなった後、自身のファッションへのこだわりを活かし、チェアウォーカー向けファッションブランド『Piro Racing』を立ち上げ話題に。2013年人間力大賞グランプリ、内閣総理大臣奨励賞受賞。いまも愛するF3の現場を訪れるほか、ハンドドライブで自らサーキットを楽しんでいる。


コラムを読んで頂けている皆さまにも、全日本F3選手権を楽しんで頂きたいと思っています。皆様が知りたい情報がございましたら、Twitterやfacebookにお気軽にお問い合わせください。

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