■ 2012年 アチーブメント全日本F3選手権シリーズ第5戦/第6戦 決勝レポート
土曜の第5戦予選では全車レインタイヤでのアタック。続く第6戦予選でも多くのマシンがレインでコースインする中、ギャリー・トンプソンだけがスリックを装着。序盤はコントロールに苦しんだトンプソンだが、このチームの好判断が的中しセッション終盤にはそこまで首位に立っていた平川亮を抑え、見事F3-Nながら総合でのポールポジションを獲得する。 連続でのPP獲得が4で途絶えた平川は2番手。以下、山内英輝、中山雄一、平峰一貴、佐々木大樹、ラファエル・スズキ、野尻智紀、リチャード・ブラッドレー、勝田貴元、小泉洋史、マシュー・ホーソン、野呂立、吉田基良というオーダーとなった。 日曜もすっきりしない天候となった富士。気温25℃、路面温度28℃となった午前10時10分、第6戦決勝のフォーメイションが始まったが、霧雨状の雨が時折ぱらつくなど、予断を許さない状況でのスタートとなった。 初PPのトンプソンはスタートで加速に勝るF312勢に飲み込まれ、1コーナーにトップで入ったのは平川。これに中山が続き、ややスタートで遅れた山内はトンプソンと競り合いながら3番手に。これにスズキ、平峰、野尻、ブラッドレーと続くが、1周目の最終コーナーでブラッドレーが野尻と交錯しながら7番手に浮上を果たす。 2周目以降、熾烈を極めたのはF3-N勢による5番手争い。2周目のストレートでF3-Nのトップを行くトンプソンに平峰が襲い掛かり、コカコーラコーナーでいったん平峰が先んじるも、そこからトンプソンも粘りを見せ、F3-Nの首位争いは時折ポジションを入れ替えながら、激しいものとなる。この攻防の背後では野尻と佐々木が2周目のヘアピンへのアプローチで交錯、佐々木の右フロントと野尻の左リヤが接触し野尻のマシンは横転こそ免れたものの、早々にリタイアとなってしまう。 平峰、トンプソンによるF3-Nの首位争いは、追い上げて来た勝田を含む三つ巴となるが、4周目に2番手に浮上した勝田と、トップを死守したいトンプソンが同じ周のダンロップコーナー立ち上がりで接触。トンプソンはコースオフ後にスピンを喫し、ここで平峰が再びトップに立つが、勝田、佐々木との首位争いはさらに続いて行く。 後方の戦いを後目に、トップの平川は2番手で追走する中山を引き離して行く。中山の後ろ、3番手には山内をかわしたスズキが浮上も、上位陣では大きな順位変動はないままレースは終盤に。結局連日の優勝でポイントリーダーの座を平川がさらに強固なものにすることとなり、2位中山、3位スズキと第5戦と同じ顔ぶれが表彰台に登った。山内、ブラッドレーは4〜5位。 一方、激戦となったF3-Nだが、佐々木、勝田に相次いで10秒のペナルティーストップという裁定が下されたことで労せずしてトップに返り咲いた平峰が、こちらも第5戦に続き連勝。レースウィークを迎える段階でF3-Nのポイントリーダーであった佐々木を逆転、平峰がランキング首位に躍り出た。また、2位にはもてぎから参戦を開始したばかりのホーソンが初表彰台を獲得。同じく3位には、最終ラップまで続いたトンプソンの攻勢を凌ぎ切った小泉洋史が入り、自身初のシャンパンファイトを演じることとなった。。