台風8号が過ぎ去った直後の7月11日。富士スピードウェイを舞台に恒例の金曜専有走行が行われた。午前8時半からスタートした午前のセッションは、開始直前に少し霧が出たものの、無事予定どおり行われることとなった。
じっとりと黒く濡れたコース上、路面に水は少ないながら、各車レインタイヤでコースインしたもののすぐに明るい陽が差し、早々にドライタイヤにチェンジ、徐々に路面が乾いて行く中、まずは1分40秒程度での周回が続けられ、序盤にB-MAX Racing Team with NDDPの高星明誠、TODA RACINGの清原章太らが上位につける。
開始20分となったあたりから各ドライバーの走行にも熱が入り始めたか、タイムアップが続く。午前8時50分には佐々木が1分39秒693で2番手に浮上すると、高星も1分39秒059にタイムアップ。さらに佐々木が1分38秒978としてトップに立つも、今度はPETRONAS TEAM TOM'Sの山下健太が1分38秒499で逆転、さらに1分38秒038、1分37秒918へとタイムを伸ばすことに。清原、そして勝田貴元が38秒台で2番手を争う。一方、F3-NクラスではHANASHIMA RACINGの小泉洋史が1分40秒669でクラス首位に立ち、KCMGの湯澤翔平、TAIROKU EXCEEDの山口大陸らが続く。
コンディションがどんどん良くなって行くと、セッション中盤以降、再びタイムは上がり始める。
小泉 洋史/HANASHIMA RACING
まずは午前9時19分に小泉が1分40秒586でF3-Nのトップタイムを更新。午前9時23分にはHFDP RACINGの松下信治が1分38秒941で4番手につけるが、午前9時27分に高星が1分38秒452で2番手に浮上すると、翌周には1分38秒163、さらには1分38秒134とタイムを上げ、トップ山下との間合いを詰める。
残り30分を切ったところで、総合での上位のオーダーは山下、高星、清原、勝田、松下、佐々木となり、F3-Nでは小泉、湯澤、山口という顔ぶれに。しかし、ここから午前9時33分には松下が1分38秒842で3番手に浮上するが、午前9時35分にはトップ山下が1分37秒786にタイムアップ。2番手には1分38秒074をマークしたHFDP RACINGの高橋翼が迫るが、すぐさま山下が1分37秒619を刻んでギャップを広げる。
しかし、午前9時39分には高橋が2台目の37秒台となる1分37秒881をマーク。F3-Nでは小泉が1分39秒906と40秒を切ってくるが、湯澤翔平、B-MAX Racing TeamのDRAGONらもタイムを上げクラス2〜3番手に。その後総合では佐々木が1分38秒627で4番手に浮上、さらに1分38秒226、1分38秒071へとタイムを上げるが、直後に松下が1分38秒102で3番手とすると、翌周1分37秒734で2番手になるなど、終盤再び霧が出始めたコース上では激しい攻防が続いた。
チェッカー提示3分前となったところで、高橋が1分37秒376でついにトップが入れ替わるが、その1分後には山下が1分36秒971で再逆転。高橋が1分36秒972と山下に1000分の1秒差に迫ったところで、松下が1分36秒865でトップに。しかし、すかさず山下が1分36秒655でこれを上回ったところでチェッカーが提示され、攻防に終止符が打たれることに。
この結果、午前のセッションでは山下、松下、高橋、高星、勝田、佐々木がトップ6。F3-Nでは小泉、湯澤、山口が上位となった。
清原 章太/TODA RACING
より天候が回復した午後のセッションは、午後1時05分にスタート。気温が上昇する中、完全なドライコンディションとなったコースで15台のマシンが引き続き精力的に周回を重ねることとなった。
開始5分を過ぎると早々に38秒台の争いとなるが、まずは松下、清原、高橋らが上位につけ、F3-NではDRAGON、三浦愛、山口らが上位に。しかし午後1時20分には小泉が1分40秒809でクラス首位に立つことに。
コンディションが好転して行った午前とは異なり、その後しばらくモニターの上位は大きな変動のないまま推移したが、残り1時間となる午後1時34分、ようやく高星が1分38秒759で3番手に浮上を果たす。この結果、30分が経過した午後1時35分の段階で、松下、高星、清原がトップ3となり、F3-Nでは小泉、三浦、DRAGONがクラストップ3となった。
チェッカーまで残り30分となった午後2時、F3-NでTOCHIGI Le Beausset Motorsportsの久保凛太郎が1分40秒809でクラス2番手に浮上すると、その直後には総合で清原が1分38秒204でトップに。山口、湯澤らもタイムを上げ始めるなど、徐々にポジションに変動が見られ始めるが、総合、F3-Nともにまだ午前のタイムを上回れない状態が続く。
午後2時07分、高星が1分38秒280で2番手に浮上、午後2時14分には3番手に後退した松下が1分38秒467にタイムアップするが、この後徐々にタイム更新が始まって行く。まず山下が1分38秒616で4番手に浮上、さらに佐々木が1分38秒285で3番手となるが、さらに佐々木は翌周1分38秒141で首位に立つ。
ラスト10分を切り、各車がアタックに入ると状況が一変。F3-Nで小泉が1分39秒975と午前に続いて40秒を切ると、湯澤も1分40秒292にタイムを上げクラス2番手に。しかし、小泉は1分39秒775とさらにタイムアップ。
総合でも残り3分を切って山下が1分37秒756でトップに浮上、清原、松下、勝田らもタイムを上げるが、残り2分で高橋が1分37秒681で首位に立つと、そのままチェッカー。結局午後は高橋が初のセッショントップを獲得、以下山下、松下、清原が続き、F3-Nでは小泉、湯澤、久保が上位3台となったが、総合でのトップタイムは午前の山下の手に。F3-Nでは同じく午前のタイムで小泉が奪うこととなった。