●2015もてぎ大会金曜専有走行

高星 明誠/B-Max Racing team with NDDP

◎ もてぎ大会金曜走行は、高星が福住を抑えて総合首位
　 F3-Nでは小河がトップタイム奪い、三浦愛が続く

第14/15戦を前にした8月21日、ツインリンクもてぎで金曜専有走行が行われた。マカオGP参戦を見据え、B-Max Racing teamの関口雄飛がスポットで今大会に出場することとなったが、その一方で吉田基良が、体調不良によって直前にエントリーを取り消し、合計16台での出走となった。　

●午前のセッション、序盤は46秒台の争い

福住 仁嶺 /HFDP RACING

　今回も金曜専有走行は2セッション、1時間30分ずつ行われた。午前9時35分からの1回目のセッションはサーキット上空に灰色の雲が浮かび、いつ雨が降り出してもおかしくない状態からのスタートに。そのこともあって、全車が計測開始から間もなく走行を開始した。ドライバーの多くが習熟を兼ねて、まず周回を重ねていく中、最初に1分50秒の壁を破ったのは、TAIROKU Hanashima Racingの山口大陸だった。しかし、それから間もなく、久々の参戦となる関口が1分47秒490を、そしてB-Max Racing team with NDDPの高星明誠が1分46秒782をマーク。高星は次の周に1分46秒708にまで短縮を果たす。
　20分を経過して間もなく、トップを高星から奪い取ったのはPETRONAS TEAM TOM'Sの山下健太で、1分46秒343を記録する。高星も直後に自己ベストは記録するも、1分46秒491で山下には及ばず。3番手はB-Max Racing team with NDDPのルーカス・オルドネスで1分46秒719、そして関口が1分46秒855で続くこととなる。そして、40分を経過して間もなく、それまでは中団に留まっていたHFDP RACINGの福住仁嶺が1分46秒367を記録し、2番手に浮上。その後も福住はコンスタントに46秒台を記していく。また、関口もまた46秒418にまで短縮を果たし、3番手に躍り出る。

●クラストップの小河諒を三浦愛が逆転

三浦 愛/EXEDY RACING TEAM

　一方、セッション折り返しの頃、F3-Nクラスでのトップは、すでにチャンピオンを決めているTOM'Sの小河諒。いち早く1分49秒台を切る、1分48秒951をマークしていたが、EXEDY RACING TEAMの三浦愛も1分48秒962で肉薄していた。1時間経過を間もなくというところで、三浦愛は1分48秒888を叩き出してトップに浮上。その間、小河はピットでセットをさらに詰めている最中だった。
　その直前に1分46秒241をマークし、トップに躍り出ていたのは関口。これに続いたのは高星で1分46秒313にまで短縮した後、1周のクールダウンを挟んで1分46秒134を記録し、すかさず関口をトップから引きずり落とす。しかし、このセッションのトップは目まぐるしく入れ替わり、それからほぼ10分後にKCMGのストゥルアン・ムーアが1分46秒129をマークしたのも束の間、今度は福住が1分45秒869を記録する。
　この後、ほとんどの車両がピットに戻って待機し、ラスト10分の予選モードに構える中、激走を見せたのがF3-Nクラスの小河だった。まず1分48秒949を出して自己ベストを更新、その直後には1分48秒804、1分48秒646と好タイムを連発して、三浦愛を上回ることに成功。その三浦愛も同じ頃、周回を重ねていたものの、再び1分49秒を切ることはできなかった。

●45秒台のトップタイム争いを福住が制す

　そして、ラスト10分のアタックシミュレーションでは、山下が1分45秒679をマークして再びトップに浮上。しかし、それから間もなく福住が1分45秒397を叩き出してトップに立つ。山下はその後も1分45秒台を記したものの、タイムアップは果たせず。3番手には1分45秒851で高星が、そして4番手には1分45秒888で、PETRONAS TEAM TOM'Sのニック・キャシディが。このセッションでポイントリーダーはよほどセットに納得がいかなかったのか、誰より長くピットに留まっていたものの、最後にしっかりと帳尻を合わせることとなった。5番手にはオルドネスが、6番手にはTODA RACINGの石川京侍がつけ、アタックシミュレーションには入らなかったこともあり、関口は最初のセッションを7番手で終えることとなった。そして、F3-Nクラスでは前述のとおり、小河がトップで2番手は三浦愛。3番手にB-Max Racing teamのDRAGONがつけて、4番手はCMSの三浦勝だった。

●引き続き曇天下の午後、序盤はキャシディが首位

　2回目のセッションは、午後2時5分からのスタート。開始直前にコースの一部に小雨が降るも、すぐにやんで路面を濡らすまでには至らず、もちろん全車がドライタイヤを装着しての走行となった。多くのドライバーが、まずはアウト〜インの後、スタート練習を行ってから本格的に走行を開始することに。最初に1分46秒台に入れたキャシディは、46秒975、46秒673を記録した後にピットへ。しばらくの間は、自己ベストを更新するドライバーは登場するが、キャシディのタイムは上回れず。
　25分経過後に1分46秒358をマークして、ようやく均衡を破ったのが、それまでも2番手につけていた高星だった。しかし、それから5分後に1分46秒010でトップに躍り出たのは、チームメイトのオルドネス。これとほぼ同じタイミングで、関口が1分46秒080を記して、2番手に。一方、高星は自己ベストこそ更新できてはいなかったが、1分46秒台の前半をコンスタントに記し続けていた。

●小河諒のスピンでこの日唯一の赤旗中断に

小河 諒/TOM'S

そんな中、赤旗が出されて計測が中断。F3-Nクラスでトップにつけていた小河がS字コーナーでスピンを喫し、ストップしていたためだ。8分後に再開したが、終了は5分間延長されることとなった。幸い、小河のマシンにはダメージはなかったが、しばらく清掃のため、ピットに留まらざるを得ず。その間に三浦愛が1分49秒330をマークして、それまで小河がキープしていたトップタイム、1分49秒191に肉薄。
　1時間を過ぎようというところで、1分45秒680を記録して再びトップに立ったのは高星だった。その次の周にも高星は1分45秒689を記録し、決勝レースへの期待をより高めることとなった。それから間もなく2番手に浮上したのはムーアで、1分46秒002の後も、46秒台前半を連発する。そして、1時間10分目、今度は山下が1分45秒624でトップに立つが、これをまたもや高星が1分45秒562でトップを即座に奪い取ることとなった。

●終盤の攻防を制した高星が総合トップを獲得

　残り時間が少なくなると、いよいよニュータイヤが装着されて、それぞれ最後のアタックシミュレーションに突入する。まずトップに立ったのは山下で、1分45秒488をマーク。ただし、この後も4周走った山下ながら、その後のタイムアップは許されず。続いてトップに立ったのは、やはり高星で1分45秒314を記録したばかりか、最終ラップでは1分45秒210までだめ押しの一打まで放つこととなった。2番手には1分45秒384で福住が、3番手には1分45秒405でオルドネスが、4番手には45秒449でムーアが。そして5番手、6番手にキャシディと山下が続き、ここまでがトップの高星からコンマ3秒差で並ぶこととなった。
　一方、ほぼ1時間経過したところでF3-Nクラスの小河がコースに復帰。間もなく1分48秒990を記したばかりか、クールダウンを行うごと1分48秒249、48秒243とタイムを詰めていき、チャンピオンを決めてなお、勝利を重ね続けようという気持ちをうかがわせた。逆に三浦愛は1分49秒112を記すのがやっとで、小河に1秒近く離されることに。3番手は引き続きDRAGONで、4番手にはKRC Hanashima Racingのアレックス・ヤンがつけた。

山下 健太/PETRONAS TEAM TOM'S	石川 京侍/TODA RACING
関口 雄飛 /B-Max Racing team	ルーカス・オルドネス/B-Max Racing team with NDDP

高橋 翼 /HFDP RACING	DRAGON/B-Max Racing team	アレックス・ヤン/ KRC Hanashima Racing
ギョオム・クニントン/ FSC MOTORSPORT	三浦 勝/CMS	ストゥルアン・ムーア/KCMG
山口 大陸/TAIROKU Hanashima Racing	ニック・キャシディ/ PETRONAS TEAM TOM'S

ストゥルアン・ムーア/KCMG	福住 仁嶺 /HFDP RACING

 

全日本F3選手権 8/21専有走行総合結果
Pos.	No.	Driver		Car	Type	Time	Delay	Gap	Lap
1	23		高星 明誠/Mitsunori Takaboshi	B-MAX NDDP F3	Dallara F315	1'45.210	164.29km/h		61/63
2	7		福住 仁嶺/Nirei Fukuzumi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'45.384	0.174	0.174	65/65
3	22		ﾙｰｶｽ ｵﾙﾄﾞﾈｽ/L.Ordonez	B-MAX NDDP F3	Dallara F312	1'45.405	0.195	0.021	72/73
4	19		ｽﾄｩﾙｱﾝ ﾑｰｱ/Struan Moore	KCMG F312	Dallara F312	1'45.449	0.239	0.044	61/68
5	37		ﾆｯｸ ｷｬｼﾃﾞｨ/Nick Cassidy	PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	1'45.457	0.247	0.008	58/58
6	36		山下 健太/Kenta Yamashita	PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	1'45.488	0.278	0.031	53/60
7	2		石川 京侍/Keishi Ishikawa	TODA FIGHTEX	Dallara F312	1'45.744	0.534	0.256	64/65
8	50		関口 雄飛/Yuhi Sekiguchi	B-Max Racing F312	Dallara F312	1'46.048	0.838	0.304	58/63
9	8		高橋 翼/Tsubasa Takahashi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'46.140	0.930	0.092	64/71
10	28		山口 大陸/Tairoku Yamaguchi	タイロク・ハナシマ28号	Dallara F312	1'46.778	1.568	0.638	55/74
11	38	N	小河 諒/Ryo Ogawa	KeePer TOM'S F306	Dallara F306 N	1'48.243	3.033	1.465	57/64
12	3	N	三浦 愛/Ai Miura	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	1'48.888	3.678	0.645	57/71
13	30	N	DRAGON	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	1'49.483	4.273	0.595	57/59
14	5	N	ｱﾚｯｸｽ ﾔﾝ/Alex Yang	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	1'49.926	4.716	0.443	66/82
15	77	N	三浦 勝/Masaru Miura	アルボルアルデアCMS306	Dallara F306 N	1'50.516	5.306	0.590	58/70
16	18	N	ｷﾞｮｵﾑ ｸﾆﾝﾄﾝ/Guillaume Cunnington	FSC MOTORSPORT	Dallara F307 N	1'51.211	6.001	0.695	49/63

リザルト・エントリーリストPDFはこちらからもダウンロード出来ます

全日本F3選手権 8/21専有走行1回目 結果
Pos.	No.	Driver		Car	Type	Best Time	Delay	Gap	Lap
1	7		福住 仁嶺/Nirei Fukuzumi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'45.397	164.00km/h		34/34
2	36		山下 健太/Kenta Yamashita	PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	1'45.679	0.282	0.282	27/30
3	23		高星 明誠/Mitsunori Takaboshi	B-MAX NDDP F3	Dallara F315	1'45.851	0.454	0.172	27/29
4	37		ﾆｯｸ ｷｬｼﾃﾞｨ/Nick Cassidy	PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	1'45.888	0.491	0.037	29/29
5	22		ﾙｰｶｽ ｵﾙﾄﾞﾈｽ/L.Ordonez	B-MAX NDDP F3	Dallara F312	1'45.900	0.503	0.012	35/35
6	2		石川 京侍/Keishi Ishikawa	TODA FIGHTEX	Dallara F312	1'46.032	0.635	0.132	37/38
7	50		関口 雄飛/Yuhi Sekiguchi	B-Max Racing F312	Dallara F312	1'46.102	0.705	0.070	27/32
8	19		ｽﾄｩﾙｱﾝ ﾑｰｱ/Struan Moore	KCMG F312	Dallara F312	1'46.129	0.732	0.027	28/35
9	8		高橋 翼/Tsubasa Takahashi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'46.349	0.952	0.220	36/36
10	28		山口 大陸/Tairoku Yamaguchi	タイロク・ハナシマ28号	Dallara F312	1'46.926	1.529	0.577	23/37
11	38	N	小河 諒/Ryo Ogawa	KeePer TOM'S F306	Dallara F306 N	1'48.646	3.249	1.720	27/32
12	3	N	三浦 愛/Ai Miura	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	1'48.888	3.491	0.242	23/34
13	30	N	DRAGON	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	1'49.888	4.491	1.000	27/29
14	77	N	三浦 勝/Masaru Miura	アルボルアルデアCMS306	Dallara F306 N	1'50.649	5.252	0.761	26/35
15	5	N	ｱﾚｯｸｽ ﾔﾝ/Alex Yang	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	1'50.964	5.567	0.315	30/40
16	18	N	ｷﾞｮｵﾑ ｸﾆﾝﾄﾝ/Guillaume Cunnington	FSC MOTORSPORT	Dallara F307 N	1'52.351	6.954	1.387	22/29

リザルト・エントリーリストPDFはこちらからもダウンロード出来ます

全日本F3選手権 8/21専有走行2回目 結果
Pos.	No.	Driver		Car	Type	Best Time	Delay	Gap	Lap
1	23		高星 明誠/Mitsunori Takaboshi	B-MAX NDDP F3	Dallara F315	1'45.210	164.29km/h		34/34
2	7		福住 仁嶺/Nirei Fukuzumi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'45.384	0.174	0.174	31/31
3	22		ﾙｰｶｽ ｵﾙﾄﾞﾈｽ/L.Ordonez	B-MAX NDDP F3	Dallara F312	1'45.405	0.195	0.021	37/38
4	19		ｽﾄｩﾙｱﾝ ﾑｰｱ/Struan Moore	KCMG F312	Dallara F312	1'45.449	0.239	0.044	33/33
5	37		ﾆｯｸ ｷｬｼﾃﾞｨ/Nick Cassidy	PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	1'45.457	0.247	0.008	29/29
6	36		山下 健太/Kenta Yamashita	PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	1'45.488	0.278	0.031	26/30
7	2		石川 京侍/Keishi Ishikawa	TODA FIGHTEX	Dallara F312	1'45.744	0.534	0.256	27/27
8	50		関口 雄飛/Yuhi Sekiguchi	B-Max Racing F312	Dallara F312	1'46.048	0.838	0.304	31/31
9	8		高橋 翼/Tsubasa Takahashi	HFDP RACING F312	Dallara F312	1'46.140	0.930	0.092	28/35
10	28		山口 大陸/Tairoku Yamaguchi	タイロク・ハナシマ28号	Dallara F312	1'46.778	1.568	0.638	32/37
11	38	N	小河 諒/Ryo Ogawa	KeePer TOM'S F306	Dallara F306 N	1'48.243	3.033	1.465	30/32
12	3	N	三浦 愛/Ai Miura	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	1'49.112	3.902	0.869	34/37
13	30	N	DRAGON	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	1'49.483	4.273	0.371	30/30
14	5	N	ｱﾚｯｸｽ ﾔﾝ/Alex Yang	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	1'49.926	4.716	0.443	36/42
15	77	N	三浦 勝/Masaru Miura	アルボルアルデアCMS306	Dallara F306 N	1'50.516	5.306	0.590	32/35
16	18	N	ｷﾞｮｵﾑ ｸﾆﾝﾄﾝ/Guillaume Cunnington	FSC MOTORSPORT	Dallara F307 N	1'51.211	6.001	0.695	27/34

リザルト・エントリーリストPDFはこちらからもダウンロード出来ます