大湯が参戦2年目で悲願の初優勝! 宮田が2位も
36号車に抗議が提出され正式結果は保留に
■SC導入2回も激しいトップ争いに
前日に引き続き、曇天の朝を迎えた6月23日(日)のスポーツランドSUGO。午前10時20分から全日本F3選手権第10戦の決勝レースが行なわれた。第9戦よりも7周多い25周で争われたこのレースを制したのは大湯都史樹(TODA FIGHTEX)。大湯にとってはうれしいF3初優勝となった。
途中、赤旗によって中断された土曜日の予選。ほとんどのドライバーは赤旗提示前に1回目のタイムアタックを行なっていた。その時のタイムが第10戦のグリッドを決するセカンドベストとなった選手も多く、ポールポジションは第9戦に続いて宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が獲得。2番手に大湯、3番手に小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が続き、赤旗再開後にアタックを敢行したサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)とエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)が4〜5番手。以下、片山義章(YTB by Carlin)、シャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)、大津弘樹(ThreeBond F318)と続いている。
厚い雲が空を覆い肌寒いコンディションとなったものの、菅生には朝から多くの観客が足を運んだ。その観客が見守る中、フォーメーションラップがスタート。しかしトラブルのためミレッシは直前に欠場となり、残る13台が25周先のゴールを目指して、一斉にスタートを切った。
■トップの座を死守した大湯が辛勝
抜群の動き出しを見せて一気にトップに立ったのは2番手スタートの大湯。宮田は加速が鈍り、2番手に後退した。また、チームメイトの小高もスタートの加速に失敗、フェネストラズの先行を許すことに。小高はさらに、1コーナーアウト側から並びかけてきたアーメドにもポジションを奪われている。オープニングラップを終えてのオーダーは大湯、宮田、フェネストラズ、アーメド、小高、片山、大津となった。
2周目に入ると白熱したのは8番手争い。一旦は1コーナーでアメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark F3)が河野駿佑(RS FINE K&N F318)の前に出たが、河野が2コーナーでポジションを取り返す。その後方ではマスタークラスの山口大陸(タイロクレーシング28号)が1コーナーで三浦 愛(ThreeBond F314)と交錯しコースアウト。これによりセーフティカーが導入された。
山口のマシン回収が終わり、レースがリスタートしたのは5周終了時。セーフティカーのライトが消灯すると、大きくスペースを取った大湯は馬の背コーナーから一気に加速。宮田を引き離してリスタートを切る。フェネストラズも宮田に迫るが攻略はならず。トップ3にポジションの入れ替わりはなかった。その後方では5番手の小高が1コーナーで前を行くアーメドにアウトから並びかけるが、抜ききるまでには至らずアーメドがポジションを死守。小高は1コーナー立ち上がりのスピードが伸びず、逆に後方から来た片山に迫られることに。その周のSPあたりまでは防戦一方となったが、小高はポジションを守り切った。
その後宮田はファステストを続けてマークし、大湯に迫る。大湯のペースがなかなか上がらず、宮田が攻略の機会をうかがうというかたちになった。フェネストラズもそれについて行く。しばらくすると4番手以降のアーメド、小高、片山らもこの集団に追いついてきた。そんな中、17周目には大湯と宮田の差が一気に縮まり、宮田が1コーナーでアウトから大湯の前に出ようと試みる。しかし、ここでは大湯がポジションを守った。そこから大湯は防戦一方となったが、18周目の3コーナーでDRAGON(TEAM DRAGON F3)がコースオフし、再びセーフティカーが導入され、一旦このバトルはお預けとなった。
22周目にセーフティカーのライトが消灯すると、やはり大きくスペースを作った大湯。今度は馬の背ではなく、SPアウトコーナーから加速を開始し、23周目のリスタートでも宮田の追撃を振り切った。
ここから残る3周を逃げ切り、昨年のデビュー以来初めての優勝を飾った大湯はパルクフェルメにクルマを停め、コクピットから降りると喜びを爆発させた。悔しい2位となったのは宮田。フェネストラズが3位、以下、アーメド、小高、片山までがポイントを獲得している。マスタークラスは久保田克昭(Planex・スマカメ F3)が2連勝を果たした。
なお、第10戦の決勝レース終了後の暫定結果に対して、フェネストラズの所属チームであるB-Max Racing with motoparkからカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sの36号車に対して、車両規定違反についての抗議が提出された。
この抗議に対して、大会組織委員会は7月11日に裁定を発表。36号車は失格のペナルティーを科されることが決定した。その結果、第10戦ではフェネストラズが2位に昇格。以下のドライバーも一つずつ順位が繰り上がり、アーメド、小高、片山に加え、大津弘樹(ThreeBond F318)までがポイントを獲得することとなった。
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- 久保田 克昭(Hanashima Racing)
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- 片山 義章(OIRC team YTB)
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- 山口 大陸(TAIROKU RACING)
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- DRAGON(B-Max Racing with motopark)
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- 小高 一斗(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)
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- アメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)
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