開幕ラウンド占有走行
ウエットとなった前日の木曜から一転、まずまずの好天に恵まれた5月13日。明日からスタートする2011アチーブメント全日本F3選手権の開幕ラウンドを前に、午前1時間半、午後1時間半の計3時間に渡り、鈴鹿サーキットを舞台に金曜占有走行が行われた。
午前9時45分から行われた1回目のセッションでは、序盤から2年ぶりのF3復帰となるスリーボンドの安田裕信が主導権を握る展開。数周で1分56秒104をマークしてハナシマレーシングの山内英輝、さらには蒲生尚弥、リチャード・ブラッドレーのトムス勢を抑えてトップに立った安田は、セッション半ばの午前10時30分過ぎには1分55秒389にタイムアップ。さらに翌周には1分54秒895へとタイムを上げ、トップの座を確固たるものに。
一方、山内はセッション残り20分を切ったあたりで1分55秒685、1分55秒669と立て続けにタイムを更新も、安田には及ばない。
結局午前のCクラスは安田、山内、蒲生、ブラッドレー、そしてSGC by KCMGの西本直樹というオーダーとなった。
NクラスではHFDP RACINGの野尻智紀が好調な滑り出し。開始15分の段階で、ただひとり58秒台を切り1分57秒747をマークするなど、SGC by KCMGのギャリー・トンプソンを抑えてクラストップに立つ。
セッション終盤に入ると、トムススピリットの中山雄一、NDDP RACINGの千代勝正と佐々木大樹らがクラス上位に躍り出るが、野尻は残り5分のところで1分56秒993へとタイムアップ。1分57秒399をマークした千代を抑え、午前のクラストップを奪った。
こうして大きなアクシデントもなく推移した1回目とは異なり、午後2時15分からの2回目は赤旗が連続する波乱のセッションとなってしまう。
まず、開始7分でNクラスの中山がデグナーでコースアウト。ヘアピン立ち上がりでも同じくNクラスの三浦和樹のマシンがストップしたことで最初の赤旗中断となったのを始め、2回目は開始40分、1〜2コーナーで千代がスピンアウトし2回目の赤旗が提示されると、さらに残り20分となったところで、デグナー立ち上がりで中山がスピンしクラッシュ。これで三たび赤旗中断となってしまった。
小刻みに寸断された2回目のセッションだが、ここでもトップタイムを奪ったのは安田。「少しマシンにトラブルが出たが、持込みの状態も良かったし、問題はない。2年前には雨の鈴鹿でポールポジションを獲っているが、なんとかこの流れのまま、明日はドライの鈴鹿でポールを奪いたい」と振り返った安田は、セッション終盤に1分55秒491をマークしてトップタイム。結局午前、午後共に首位を明け渡さなかった。
2回目のセッションで安田に続いたのは蒲生。午後3時25分に1分55秒561を叩き出しトップに立ったが、最後に安田に屈した。3番手には1分56秒055で山内。これにブラッドレー、西本が続いた。
コースアウトやスピンの多かった2回目のNクラスにあって、安定度が高かったのは1分57秒468をマークした千代、そして1分57秒963を刻んだトンプソンらだったが、やはり最終的なクラストップは1分57秒135を叩き出した野尻の手に。
「セットアップを変更するなど色々な勉強が出来、充実したセッションだった。しかし、自分自身の乗り方で納得の行かない部分もあり、それが出来ていれば本来ならば午後も56秒台に入れたはず」と語った野尻は、明日は初のF3レースで初ポールポジションを目指すこととなった。
今季のオープニングレースでは、果たしてどのような戦いが展開されるだろうか。
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