●開幕戦ウイナーという栄冠は、山内英輝&野尻智紀の手に!
5月14日、いよいよ迎えた今季開幕戦。そのポールシッターは、2年ぶりのシリーズ復帰となったスリーボンドの安田裕信。しかし、ハナシマレーシングの山内英輝も予選で肉薄し、この2台がフロントロウに。2列目には蒲生尚弥、リチャード・ブラッドレーのトムス勢が並び、3列目にはNクラスのトップとなるNDDP RACINGの千代勝正とHFDP RACINGの野尻智紀、さらにはSGC by KCMGのギャリー・トンプソン、トムススピリットの中山雄一らがこれに続き、開幕戦のグリッドには12台のマシンが並ぶこととなった。
気温27℃、路面温度33℃で迎えた午後3時08分、いよいよレッドシグナルが消えようとするが、なんとここでハンドブレーキ周辺のトラブルのため、安田の意に反してマシンが動き出してしまう。ここでいったんブレーキを踏み直したことで、安田はスタートに失敗、1コーナーでトップを奪ったのは山内。これに安田、蒲生、ブラッドレーが続き、その背後では同様にNクラスポールの千代がスタートに失敗し、野尻がトップに躍り出る。
この野尻と2コーナーまで競り合った千代は、立ち上がりでアウトにはらみコースオフ。この間にトンプソン、佐々木大樹がNの2〜3番手に浮上するが、千代もすぐさま佐々木をパス、トンプソンに詰め寄って行く。千代のプレッシャーに破れたか、3周目の130Rでトンプソンがコースオフし、再び千代はクラス2番手に浮上。その後方では、Cクラスの西本直樹とNクラスの中山が攻防を展開するなど、序盤から随所にバトルが見られる一戦となった。
しかしCクラスに目を転じると、2番手で逃げる山内を追走していた安田に対し、4周目にスタート違反に対するドライビングスルーペナルティーが下り、5周終了時に安田がピットインして以降は上位陣に攻防はなく、山内にとっては思いのほか楽な展開に。
結局CクラスではこれがF3での2勝目となる山内、蒲生、ブラッドレーが表彰台に上がり、西本が4位。追い上げるも安田は5位に終わった。
一方Nクラスでは、トップ野尻に迫っていた2番手千代が、5周目のデグナーでコースアウト。しかし、代わって2番手に浮上したトンプソンが後半ペースに苦しんだ野尻に猛チャージ。8周目の1コーナーを皮切りに、最終ラップまで幾度となく野尻の牙城に迫る。
しかし野尻はなんとか猛攻に耐え、トップでチェッカー。うれしいデビュー戦での優勝となった。トンプソンが幸先の良い2位、3位には佐々木が続くこととなった。