●野尻智紀がポール・トゥ・ウインで初優勝!
F3-Nでは佐々木大樹が3連勝をマーク
土曜の第9戦で平川亮が優勝、結果次第ではシリーズタイトルが決まるという状況で迎えた日曜の第10戦。
しかし、土曜朝に行われた第10戦予選で平川を抑えて自身初となるポールポジションを奪ったのは野尻智紀。2列目には山内英輝、中山雄一、3列目にはリチャード・ブラッドレーとF3-Nのポールシッターとなる佐々木大樹が並び、ラファエル・スズキ、平峰一貴が4列目。さらにギャリー・トンプソン、マシュー・ホーソン、勝田貴元、小泉洋史、そして吉田基良、島田龍吾という予選結果となった。
25周と前日よりも長い周回ながら、路面温度が60℃に届かんばかりの高温となった第9戦に比べ、気温31℃、路面温度41℃とかなり良好なコンディションとなる中、日曜午前10時35分、第10戦決勝のフォーメイションラップがスタート。1周の後、午前10時38分にレッドシグナルが消え、全車がいっせいにスタートを切った。
フロントロウの野尻、平川はともにまずまずの動きだしを見せたが、3番手山内はやや出遅れ気味。山内を間に挟む形で、イン側から中山が、さらにアウト側からブラッドレーが3番手を伺うこととなった。
しかし、サイドbyサイドとなった3台は、1コーナーに差し掛かったところで接触。真ん中の山内と一番アウト側にいたブラッドレーは1コーナーでコースアウトを喫し、山内は最後尾付近でレースに復帰も、ブラッドレーはそのままリタイアとなってしまう。
ホールショットを奪った野尻は、序盤2番手の平川を引き離すべく猛プッシュ。平川は後半に向けたタイヤマネージメントをしつつ野尻を追うが、1分27秒台のラップを刻み続ける野尻に7周で4秒近いギャップを築かれてしまう。
3番手中山、4番手スズキの背後ではF3-Nのトップ佐々木にクラス2番手の平峰が続くが、こちらも徐々に佐々木が平峰を突き放す展開。後方では、後れをとった山内がじりじりとポジションを挽回し始めたほか、ホーソン、小泉、トンプソンらが接近戦を続ける。
1分27秒329のファステストラップをも刻み、初優勝に向けてトップを行く野尻だったが、9周目のマイクナイトコーナー立ち上がりで僅かにはみ出したほか、ブレーキング時に各所でタイヤをロックさせて白煙を上げ始める。序盤のプッシュが響いたか、タイヤの消耗した野尻は徐々に平川にマージンを削り取られて行く。
最大3.8秒あったギャップが14周目に3秒を切り、19周目には2秒を切る。1秒半ばの距離で攻防を続ける2台の間には時折周回後れが割って入るも、最後まで緊迫した攻防が続く。逃げる野尻だけではなく、追う平川も時折ブレーキングでタイヤをロックさせ始めるなど、首位争いは緊迫した死闘の様相を呈したが、最後にはコンマ9秒差まで詰め寄られながらも、野尻が25周を逃げ切って涙のトップチェッカー。昨年はF3-Nクラスで幾度も味わった美酒だが、野尻にとっては苦しみながらもようやく掴んだ総合でのF3初優勝となった。
2位に甘んじた平川はポイントをついに103と三桁に伸ばすが、惜しくもこの第10戦でのタイトル決定はならず、念願の戴冠は次戦菅生に持ち越しに。首位攻防戦の背後では、最終ラップまで中山が3位を死守も、2コーナーで周回遅れに詰まったところをスズキに突かれ、4位に後退。代わってスズキが富士以来となる今季3度目の3位表彰台を手にした。
F3-Nでは佐々木がファステストラップをも手にする独走で総合5位でチェッカー。11周目に6番手まで浮上、レース後半は背後に迫った山内の攻勢を最後まで凌いだ佐々木は、第9戦に続いてF3-Nでのポール・トゥ・ウインを飾った。F3-Nの2位には平峰。同じく3位には勝田が入り、ホーソン、トンプソン、小泉がF3-Nの4〜6位となった。
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