全日本F3選手権の最終大会は、10月17〜18日の予定で宮城県のスポーツランドSUGOでの開催。今回は木曜日にも専有走行が行われ、15台が2時間のセッションを勢力的に走り込んでいた。
そこでトップにつけたのはPETRONAS TEAM TOM'Sのニック・キャシディ。ただひとり1分14秒の壁を崩す、1分13秒875をマークして、レコードタイムにもあと一歩まで迫ることとなった。2番手はB-Max Racing team with NDDPの高星明誠で、1分14秒145をマーク。これに前回のもてぎで連勝を飾ったHFDP RACINGの福住仁嶺が、そして前回に続いてのスポット参戦となるB-Max Racing teamの関口雄飛が続き、PETRONAS TEAM TOM'Sの山下健太が5番手につけた。F3-NクラスではTOM'Sの小河諒が1分17秒374でトップ、これにEXEDY RACING TEAMの三浦愛が1分17秒723で続いていた。
●金曜午前、序盤はオルドネスが好調な走り
ルーカス・オルドネス/B-Max Racing team with NDDP
金曜日には通常どおり、専有走行が午前と午後に2セッション、それぞれ1時間半ずつ行われた。ここからは三浦勝も出走、16台すべてが揃うこととなった。1回目のセッションは午前9時10分からスタート。コンディションには恵まれた一方で、10月の東北は完全に秋の装いで、肌寒さも感じられるほど。開始から間もなくは、これまでのレース以上に入念にウォームアップを行っていた。
最初に1分14秒台に入れたのは、前日の専有走行でもトップだったキャシディで、まずは1分14秒884をマーク。しかし、それから間もなく山下が1分14秒342を出してトップに立つと、1分14秒287、1分14秒105と好タイムを連発。そして、高星が1分14秒281をマークしてキャシディのタイムを上回る。
しばらくはチャンピオン候補のドライバーで上位が占められたものの、そんな状況をいきなり打ち崩したのがB-Max Racing team with NDDPのルーカス・オルドネスだった。1分14秒021をマークしてトップに立ったばかりか、次の周には1分13秒945に叩き込む。同じ頃、キャシディも1分14秒108を記録し、自己ベストを更新して高星の前に出る。30分経過時の順位はオルドネス、山下、キャシディ、高星、関口、そして福住。ここまでが1分15秒台をクリアし、それから間もなくTODA RACINGの石川京侍も1分14秒台に突入。同じ頃、F3-Nクラスでは、小河が木曜専有走行の自己ベストタイムを更新する1分16秒929をマークして、三浦愛が1分17秒535で続いていた。
●キャシディ、小河がまさかのクラッシュ
関口 雄飛 /B-Max Racing team
セッションの折り返しを間もなくというところで、赤旗が出されて計測が中断。S字コーナーでストップしていたのは、なんとキャシディだった。3コーナーで姿勢を乱した後、ヘアピンの縁石に乗ってフロントウイングを破損、さらにサスペンションにもダメージを負って、自力での復帰がかなわなかったためだ。約12分後に再開されると、高星が1分14秒033で2番手に浮上したばかりか、次の周には1分13秒945をマーク。これは先にチームメイトのオルドネスが記録したタイムと、まったくの同タイムだった。
しかし、B-Max Racing team with NDDP勢の上位独占は、そのまま続かなかった。残り20分間となったところで、山下が1分13秒895をマークしてトップに浮上。そして、ほぼ全車が予選シミュレーションを最後に行うため、ピットに戻って間もなく……。F3-Nクラスでトップにつけていた小河が3コーナーでコースアウトし、クラッシュしていたのだ。約10分間の中断の後、セッションは5分間延長されることに。
しかし、上位陣でタイムアップできたのは1分13秒937を記した高星だけながら、山下とオルドネスの間に割って入る2番手に。アクシデント後の走行がかなわなかったキャシディは4番手のまま、そして福住、関口、石川、そしてHFDP RACINGの高橋翼の順で続くこととなった。一方、F3-Nクラスでは三浦愛が1分17秒041をマークして、小河にコンマ1秒差にまで肉薄。3番手にはB-Max Racing teamのDRAGONが、4番手にはKRC Hanashima Racingのアレックス・ヤンが続いていた。