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専有走行レポート 第9/10戦
予選上位コメント
第9戦決勝上位コメント 第9戦決勝レポート
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スリッピーな高速決戦はマーデンボロー完勝
F3-Nは松井が初優勝を飾る

ヤン・マーデンボロー/B-MAX NDDP F3

■マーデンボローが第9戦/第10戦ともPP獲得

 事前の天気予報では曇天だった7月16日(土)の予選日。しかし、富士スピードウェイは朝から雨模様で、全日本F3第5ラウンドの予選直前に行われたスーパーフォーミュラの走行では、レインタイヤのままでの走行となった。

 しかし、午前10時30分からの全日本F3第9戦の公式予選直前には雨はほぼ小康状態となり、どんどん路面状況は好転していく方向に。そのため、レインタイヤでのアタックながら各車ともラップを重ねるごとにタイムを上げていくことになった。

 スリッピーなコンディションで、1コーナーでオーバーランを喫するマシンが多いなか、圧倒的なペースをみせていったのは、ウエットを得意とするヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)。「雨の富士は好きだから、すごく楽しんで走ることができた」と秒単位でラップを削っていくと、5周目には1分51秒268というタイムをマーク。マーデンボローは続く第10戦の予選でもタイムを削り、1分49秒962をマーク。両戦ともに2番手以降を1秒以上離す圧倒的な速さでポールポジションを獲得してみせた。

 2番手は両戦とも千代勝正(B-MAX NDDP F3)がつけ、B-MAX Racing team with NDDP勢がフロントロウを独占。第9戦の3番手には山下健太(ZENT TOM'S F312)がつけた。第10戦では、チェッカー周にHFDP RACINGの2台がジャンプアップ。大津弘樹(HFDP RACING F312)が3番手、阪口晴南(HFDP RACING F312)が4番手につけた。

 F3-Nでは、前日の専有走行から速さをみせるスポット参戦の松井孝允(サムライサポーターズF306)が両戦ともにポールポジションを獲得。第9戦の2番手には片山義章(Petit LM Racing)が、第10戦ではDRAGON(B-Max Racing F306)が続いた。

■雨上がりの状況のなかでマーデンボローが快走

全日本F3第9戦のスタートシーン

 その後も富士スピードウェイは、雨が降ったり止んだりという変わりやすいコンディションとなったが、迎えた午後4時のスタート時は、細かい雨粒こそ舞っているものの、ほぼ雨は止んでいる状況。15時50分からのコースインではレインタイヤを履いているマシンが多かったが、スタートまでに全車がスリックタイヤに交換。リヤウイングの調整等、慌ただしいスタート進行となったが、最終的に山口大陸(タイロクレーシング28号)だけが最終的にレインタイヤに履き替えてのスタートとなった。

 レコードラインこそ乾きつつあるものの、依然として路面はスリッピーなまま午後4時15分のスタートが切られたが、ポールポジションのマーデンボローが好スタートを決め、トップで1コーナーへ。その後方からは、山下が抜群のスタートを決め2番手に。さらに4番手スタートの牧野任祐(TODA FIGHTEX)が3番手に浮上する。

序盤のトップ争い

 2番手スタートの千代は4番手に続いたが、2周目には石川京侍(TODA FIGHTEX)が千代をパス。この2台はその後中盤戦に向けバトルを展開していくが、この後方の大津弘樹(HFDP RACING F312)、スタートでアウト側に出てしまい、「一気にポジションを落としてしまった。でもペースは良かったので追い上げた」坪井翔(ZENT TOM'S F314)らも交え、熾烈な4番手争いが展開されていった。

 一方、首位のマーデンボローはジワジワと2番手山下、3番手牧野との差を広げていくが、8周目のTGRコーナーで、F3-Nの4番手を争っていた廣田築(アルビレックスF306TLM)がDRAGONにクラッシュしてしまい、2台はTGRコーナーのランオフエリアにストップしてしまう。この処理のためにセーフティカーが導入されることになり、マーデンボローのリードはなくなってしまった。

坪井翔と牧野任祐のファイナルラップのバトル

 ただ、12周目のセーフティカー解除と同時に、マーデンボローは首位の利を活かし抜群のリスタートを決める。一方、2番手以降は大混戦。牧野が「みんなに並ばれて、位置取りのなかで接触してしまい、フロントウイングの半分を失ってしまいました」とペースが大きく鈍った山下をかわし2番手に躍り出ると、山下の後方に一気に近づいた坪井も13周目のストレートで山下をパス。さらに千代も山下に迫っていく。

 勢いに乗る坪井は、さらに2番手の牧野に迫ると、ファイナルラップの1コーナーでギリギリのバトルを展開。昨年FIA-F4の覇権を争ったふたりのバトルは、坪井が制し2番手へ。白熱のレースはマーデンボローが優勝、2位に坪井、3位に牧野という結果となった。千代が4位、後方のバトルを勝ち抜いた阪口晴南(HFDP RACING F312)も苦しんだ山下をかわし5位に入った。

■F3-Nは波乱の展開を松井が制す

松井孝允/サムライサポーターズF306

 F3-Nは、ポールポジションの松井がトップで1コーナーに入っていくも、「位置取りが悪かった」なかで、毎戦のようにスタートでポジションを上げる岡崎善衛(Glocal アルビTLM)がトップに浮上。片山が続き、松井は3番手にドロップしてしまう。

 しかし、松井は今季選手権をリードする片山とバトルに持ち込むと、4周目のコカコーラ・コーナーで一度はコースアウトを喫するも、翌周には片山をパス。首位を走る岡崎との差を詰めていった。

 そんななか、F3-Nの4番手争いを展開していた廣田がブレーキングでDRAGONにクラッシュしてしまいセーフティカーが入るが、12周目のリスタート時、「前のクルマから煙が出ていて、真後ろで走りたくなくて回避の意味でイン側を通っていたら、まったく止まりきれず、戻ったときに慌ててスピンしてしまった」という岡崎が1コーナーでコースオフを喫してしまう。

 これで松井がふたたび首位に返り咲き。「前のクラスを追いかけることだけに集中した」という松井はそのままトップで15周を走り抜き、スポット参戦緒戦でF3-N優勝を飾った。2位は片山が入り、F3-Nのランキングのリードを広げた。なお、最終的にこのレースでF3-Nは2台のみの完走となった。

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全日本F3第9戦 表彰台 全日本F3第9戦 F3-N表彰台
岡崎善衛/GlocalアルビTLM クラッシュした廣田築とDRAGON イェ・ホンリー/KRC with B-Max F315
松井孝允/サムライサポーターズF306 阪口晴南/HFDP RACING F312 三浦愛/EXEDY B-Max F312
山下健太/ZENT TOM'S F312 ヤン・マーデンボロー/B-MAX NDDP F3 千代勝正/B-MAX NDDP F3

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