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F3マカオグランプリの予選1日目で山下健太が4番手

山下健太（ThreeBond with T-Sport）

　難攻不落のギア・サーキットを舞台にF3世界一をかけて戦う第63回マカオグランプリの走行1日目が、いよいよ11月17日（木）にスタートした。1日目は午前9時35分からプラクティス1回目が、午後2時20分から予選1回目が行われた。

ピットアウトする山下健太と坪井翔

　週末には雨の予報も出ているものの、この日は快晴の下で迎えた走行1日目。プラクティス1では、2連覇を飾っているフェリックス・ロゼンクビスト（SJM Theodore Racing by Prema）を先頭に、各車がコースインしていった。

　全日本F3勢では、山下健太（ThreeBond with T-Sport）をのぞき5名がマカオ初挑戦。そのため、序盤からアタックをすることはなく、コースの習熟に努めていった。ただ、そのなかで牧野任祐（TODA RACING）がコースインから8周目、「うしろから来ているクルマを避けようと」した際にリスボア・ベントでクラッシュしてしまう。そのため、牧野は貴重な走行時間を失ってしまった。

　プラクティス1では、フェルディナンド・ハプスブルグ（Fortec Motorsport）がフィッシャーマン・ベントでクラッシュしたため一度赤旗提示。それ以外赤旗は出なかった。

　トップタイムをマークしたのはロゼンクビストだったが、全日本勢のなかで最速となる3番手につけたのは山下。11周を走行し、2分13秒547というタイムをマークしてみせる。ただ、他の日本勢はコース習熟をメインにしたこともあって、ヤン・マーデンボロー（B-MAX Racing Team）が2分16秒485で19番手、坪井翔（TEAM TOM'S）が24番手。イェ・ホンリー（B-MAX Racing Team）が26番手、クラッシュした牧野は27番手、佐々木大樹（B-MAX Racing Team）は28番手という結果となった。

　午後2時20分からスタートした予選1回目は、マカオでは毎年のように展開される状況ではあるものの、赤旗が多発するセッションとなってしまう。最初に赤旗の原因となってしまったのは山下。コースイン直後、リスボアでタイヤが外れそうになっているのに気付いた山下はペースを落としたが、メルコヘアピン進入で外れてしまい、なんとかピットに帰り着く。ただ、このタイヤを処理するために赤旗提示となってしまった。

イェ・ホンリー（B-MAX Racing Team）

　さらにこのセッションでは合計4回の赤旗が提示され、予選5番手につけたダニエル・ジュンカデラ（Hitech GP）がクラッシュしそのままセッション終了。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ（Carlin）が最速となった。

　日本勢では、山下が午前の好調ぶりを活かしてアタックを仕掛けるものの、赤旗に阻まれなかなかタイムをまとめられず。最後の10周目に2分11秒797というタイムをマークし、ロゼンクビストと同タイムとなる4番手につけた。

　ただその他の日本勢では、イェ・ホンリーが21番手、マーデンボローが23番手、坪井は予選中にモーリッシュでクラッシュしてしまい26番手、佐々木が27番手、牧野が29番手という結果となってしまった。いずれも2日目でタイム向上を狙っており、期待したいところだ。

ヤン・マーデンボロー（B-MAX Racing Team）	坪井翔（TEAM TOM'S）
佐々木大樹（B-MAX Racing Team）	牧野任祐（TODA RACING）

■山下健太
（ThreeBond with T-Sport／Car No.11／TOMEI ENGINE）
「いい1日でしたね。もう少し上のポジションにいければ良かったのですが。クルマのフィーリングも悪くはなかったのですが、オーバーステアがあったのでそれを修正しているところです。ここが良くなればコンマ2秒くらいはさらに上げられるのではないでしょうか。連覇しているフェリックス・ロゼンクビスト選手と同タイムだったのはちょっと嬉しいですね（笑）。予選1回目では、リスボアでタイヤの異変に気付いたですが、ミラーでだんだん外れていくのが見えて。早めに気付いて、ピットに戻ることができたのが良かったです。その後は赤旗も多くて、最後にタイムを出すことができましたが、それがもう少し手前だったら良かったかもしれませんね」

■イェ・ホンリー
（B-Max Racing Team／Car No.7／VOLKSWAGEN A41）
「朝のプラクティス1では、とにかく安全に、安全にいこうとしていたんだ。そこからプッシュしていこうと思った。午後はプッシュしながらもなかなか難しくて、予選1回目を最後まで走りきることに集中した。だから、あの順位はきちんと理由があるものだと思う。今はまだマージンを作っている状態だし、明日はいい1日にしたいと思っているよ」

■ヤン・マーデンボロー
（B-Max Racing Team／Car No.5／VOLKSWAGEN A41）
「プラクティスではまずコースとタイヤを覚えながら、セットアップを進めていったんだ。でもクルマは少しドライブしづらくて、プッシュするのはかなり難しかった。予選でもタフなセッションになってしまったね。トップのマシンとも一緒に走ったけど、なかなか追いつけなかった。明日3秒上げるのはかなり大変そうだね。でも、いいインフォメーションを得ることができたし、僕もダイキも同じ問題を抱えていそうだったから、明日はチームとしてもっと強力になれるようにしたいね」

■坪井翔
（TEAM TOM'S／Car No.15／TOYOTA TOM'S TAZ31）
「予選1回目では、セッティングを変えながら理想に近づけていき、最後いい印象でいったところでクラッシュしてしまいました。もう少し上のポジションにつけられると思っていましたが……。ちょっと悔しいですね。コースについては、ブラインドコーナーも多いのですが、かなり慣れることができたと思います。狭さとかシミュレーターとは違う部分もありますが、そこのすり合わせはすぐできるので、役に立っています。アップダウンも激しいですが、走っている分にはあまり気にならないですね。バンピーな部分が少し気になっています」

■佐々木大樹
（B-Max Racing Team／Car No.6／VOLKSWAGEN A41）
「自分としては順調な1日だったと思います。今日は絶対にクルマを壊さず、距離を稼ぐことを目標にしていましたし、予選1回目でもニュータイヤを履いて、距離を伸ばすことに集中していきました。明日の天候は分かりませんが、セッションの最後にはかなり慣れることができたと思います。予選でもちゃんとポジショニングしてのアタックをしていませんし、全然足りているわけではないですが、朝からちゃんと課題を直せてきていますし、トップとのタイム差も縮められている。明日もプラクティス2、予選2回目ときちんと流れを作っていきたいです。天候だけが心配ですが、急に3秒上げようとしてもクラッシュしてしまうので、ちゃんと自分の流れを守って、自分なりのレースができたらと思います」

■牧野任祐
（TODA RACING／Car No.19／TODA TR-F301）
「朝のプラクティスでは、うしろからクルマが来ていたところでリスボアでクラッシュしてしまいました。ただ周回数としてはある程度走れているのですが、まだ今日はクルマが信頼できない状況なんです。今のところちょっと良くない流れですね。これからセットアップも変えて、それがいい方向にいってくれたらと思っています」