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山下が5番グリッド獲得。予選レースの上位進出狙う

山下健太（ThreeBond with T-Sport）

　走行初日となる11月17日（木）から一夜明け、第63回マカオグランプリは走行2日目を迎えた。この日は午前9時35分から40分間のプラクティス2が、そして午後3時55分からは予選2回目が予定されていた。

山下健太（ThreeBond with T-Sport）

　前日は快晴だったマカオだが、この日は朝から曇天模様。ときおり薄曇りにはなるが、それほど暑さを感じない1日となった。走行2日目ということもあり路面コンディションも良化。フリー走行2回目は気温も低く、序盤からセルジオ・セッテ・カマラ（カーリン）が2分12秒台を切ると、上位陣は2分11秒台に突入していった。

　そのなかに食い込んでいったのは、初日から好調の山下健太（ThreeBond with T-Sport）。終盤まで赤旗が出ないセッションとなったが、終了5分前に2分11秒268というタイムをマーク。カラム・アイロット（Van Amersfoort Racing）、アージャン・マイーニ（Motopark）に続く3番手につけた。ただ、その直後坪井翔（TEAM TOM'S）ががリスボアでクラッシュを喫してしまう。

　さらにセッションも残り2分少々というところで、イェ・ホンリー（B-MAX Racing Team）がポリスで姿勢を乱し、アウト側のバリアにクラッシュ。コース中央に停止したところに、チョウ・グァンユー（Motopark）が激突。このアクシデントでプラクティス2は赤旗終了となってしまった。

　幸いホンリーに怪我はなかったものの、マシンの修復は予選2回目には間に合わなかった。現在、19日（土）の予選レース出場を目指してB-MAX Racing Teamによって修復作業が続けられている。

　プラクティス2での全日本F3勢は、山下が3番手につけたものの、佐々木大樹（B-MAX Racing Team）が25番手、ホンリーが26番手、ヤン・マーデンボロー（B-MAX Racing Team）が27番手、坪井（TEAM TOM'S）が28番手、牧野任祐（TODA RACING）が29番手という結果となった。

牧野任祐（TODA RACING）

　午後の予選2回目は、雲が厚くなったもののドライのまま迎えた。当初午後3時55分スタートの予定だったが、直前のFIA GTワールドカップでのクラッシュでコース補修が必要になり、大幅に遅れて午後4時28分にスタートした。全日本F3勢も、ポジションを上げるべくコースオープンとともに一斉に周回に入っていった。

　序盤、タイムを上げていったのは山下だ。2分11秒624というタイムをマークし2番手に浮上。さらに翌周にはいの一番に11秒を切り、2分10秒731を叩き出しモニターのトップに立つと、その後もジョージ・ラッセル（Hitech GP）やアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ（Carlin）らとトップを争っていく。

　20分ほどを費やし一度目のアタックを終えた各車は一度ピットに戻り、ふたたびアタックを開始していくが、ここで直前に自己ベストタイムを更新したばかりの佐々木が、マタニティのコースアウト側にはらんでしまい、クラッシュ。これで赤旗が提示されてしまう。

　残り9分で赤旗は解除となるが、今度は再開直後のアウトラップにマキシミリアン・ギュンター（SJM Theodore Racing by Prema）がRベンドでクラッシュ。これで再度赤旗が提示される。その解除後、雨も降り出すなかで三度各車がアタックを展開していくが、その中でラッセルがタイムを更新。2分10秒100でポールポジションを決めた。

　直後、マイーニがリスボアでクラッシュし、セッションは赤旗終了。最後のアタックで山下はタイム更新はならず、5番手で18日の予選レースに挑むことになった。全日本F3勢では、牧野が22番手、マーデンボローが25番手、佐々木は26番手という結果に。坪井は29番手で予選2回目を終えている。

ヤン・マーデンボロー（B-MAX Racing Team）	佐々木大樹（B-MAX Racing Team）
イェ・ホンリー（B-MAX Racing Team）	坪井翔（TEAM TOM'S）

■山下健太
（ThreeBond with T-Sport／Car No.11／TOMEI ENGINE）
「本当はもう少し上のポジションを狙っていたので、少し残念なところはありますね。予選2回目ではアタックのタイミングと、自分の走りがうまくかみ合わなかった印象はあります。3番手くらいは見えていたので、その部分では悔しいです。明日は雨の天気予報があるので、まずは安全にポジションを上げて、3番手くらいにつけることができれば、決勝レースで勝負することができると思います」

■牧野任祐
（TODA RACING／Car No.19／TODA TR-F301）
「プラクティス2では最下位になってしまいましたが、昨日のプラクティス1でクラッシュしてしまったこともあり、僕はユーズドしかなかったので、他のドライバーとはタイヤの使い方が違ったんです。ニュータイヤを履いたらいいところにいけると思っていました。最初のアタックでもいい印象で、ニュータイヤでもタイムを出すことができました。順位はもの足りませんが、結果以上に内容は良くなっているし、クルマも手ごたえがあるので、悪い予選ではなかったと思います。大抵マカオの予選レースは荒れるので、しっかり生き残っていきたいです。距離を走ってデータを持ち帰るのも大事ですからね。できる限りのことをやっていきたいと思います」

■ヤン・マーデンボロー
（B-Max Racing Team／Car No.5／VOLKSWAGEN A41）
「今日も1日目と同様に苦しんでしまったね。初日に比べればクルマは良くなっていて、バンプを超えるときなどもドライブしやすくはなっていたんだ。でも、上位からはまだ大きな差があるので、これからもっと詰めていかないといけない。この順位は精神的にも堪えるね。僕とダイキでエンジニアとも協力して、クルマをもっと良くしていかないといけないし、ドライビングでも良くしないとね。チームはすごくハードワークをしてくれているんだけど……。すごくタフな週末だ。もっと速く走りたい」

■佐々木大樹
（B-Max Racing Team／Car No.6／VOLKSWAGEN A41）
「予選2回目では、攻めていった結果リヤがロックしてしまい、ウォールにヒットしてしまいました。左フロントが当たった後にリヤがヒットした感じです。その前の周に自己ベストが出ていて、その周もアタックしていた途中だったんですが。明日の予選レースも10周しかないですし、ここでもっと走りをアジャストしようとしていました。自分としてはここまでの組み立ては、最後にクラッシュこそありましたが、攻めた結果で凡ミスではないので、悪くはないと思っています。ただセットアップに苦労していて、走りづらい状況はあります。そこをもっとアジャストしないと、明日以降も厳しくなってしまいます。他にも問題はあるので、改善していきたいです」

■イェ・ホンリー
（B-Max Racing Team／Car No.7／VOLKSWAGEN A41）
「フリープラクティス2回目の終盤、山側のポリスでクラッシュしてしまった。そこに後続が突っ込んできたんだ。自分の体は大丈夫だけれど、マシンが大きなダメージを負ってしまったのが残念だね。明日は少しでも上を目指して頑張るよ」

■坪井翔
（TEAM TOM'S／Car No.15／TOYOTA TOM'S TAZ31）
「今のところはマカオの洗礼を浴びているところですね。1日目、2日目といちばん悪いパターンにハマってしまったように思います。1日目はもちろん、今日のクラッシュも余計ですし、リズムが悪かったです。たぶんタイムを稼ぐポイントが間違っていたのか、考え方が違ったと思います。予選2回目は午前のクラッシュもあったので、かなりセーブして走ってしまいました。タイムはもっと簡単に上げられるとは思いますが、稼ぎ方はつかんだと思うので、明日以降はもっといい走りをしたいです」