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山下健太、惜しくも表彰台は届かず4位に

山下健太(ThreeBond with T-Sport)

 11月17日(木)の走行開始から4日間のスケジュールを経て、第63回マカオグランプリはいよいよFIA F3ワールドカップの決勝レースのときを迎えた。11月20日(日)のマカオ・ギアサーキットの天候は曇り。事前に行われたTCRインターナショナルシリーズや、FIA GTワールドカップの決勝レースでアクシデントが相次いだことから、スケジュールの遅れが危惧されたが、オンタイムとなる午後3時35分にフォーメーションラップのスタートが切られた。

第63回マカオグランプリの決勝レーススタートシーン

 スタートから1周目のリスボア・ベンドまでの攻防で、ポールポジションスタートのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(Carlin)、そしてセルジオ・セッテ・カマラ(Carlin)、カラム・アイロット(Van Amersfoort Racing)がスリーワイドでリスボアに突入する。

 その3台の後方につけたのが、4番手スタートの山下健太(ThreeBond with T-Sport)。山下は3台の攻防でアウト側にはらんだカラムのインを突き、リスボアで3番手に浮上。表彰台圏内に食い込んでみせた。しかし、「いちばん重要な最終コーナーのスピードがオーバーステアで上げられなかったのが痛かったです。そのために海側で最高速を上げられなかった」という山下は、3周目のリスボアでフェリックス・ローゼンクビスト(SJM Theodore Racing by Prema)、カラムに抜かれ5番手にドロップしてしまった。

 4周目、ニキタ・マゼピン(Hitech GP)がクラッシュしたため、レースはセーフティカー導入となってしまう。ここまで首位はセッテ・カマラがキープしていたが、7周目のリスタートでダ・コスタがセッテ・カマラをパス。レースはダ・コスタのリードで進んでいく。

牧野任祐(TODA RACING)

 10周目、ニック・キャシディ(SJM Theodore Racing by Prema)が今度はパイオールでクラッシュしてしまったため、ふたたびセーフティカーが導入された。2番手を走っていたセッテ・カマラはローゼンクビストに先行を許すが、その後方では、山下がカラムを再逆転。これで4番手に浮上した。

 ただ、その後は抜きどころのひとつであるリスボア・ベンドにイエローフラッグが出たりしたこともあり、上位陣はそのままの順位でチェッカー。ダ・コスタが優勝、ローゼンクビストが2位となり、3位はセッテ・カマラという結果に。山下は最後までセッテ・カマラを追ったものの、惜しくも表彰台にわずかに届かず4位という結果でレースを終えた。

 全日本F3勢は、リスタートでうまく順位を上げた牧野任祐(TODA RACING)が14位フィニッシュ。週末で尻上がりに調子を上げた坪井翔(TEAM TOM'S)が16位でレースを終えた。一方、苦戦が続いたB-MAX Racing Team勢は、ヤン・マーデンボローが20位。佐々木大樹は終盤リスボアで前のクラッシュを避けオーバーシュートしてしまったこともあり、ピットに戻り、22位でレースを終えた。予選レースでクラッシュを喫してしまったイェ・ホンリーは、車両のダメージが大きく、決勝前にリタイアとなった。

坪井翔(TEAM TOM'S) ヤン・マーデンボロー(B-MAX Racing Team)
佐々木大樹(B-MAX Racing Team) 山下健太(ThreeBond with T-Sport)

■山下健太
(ThreeBond with T-Sport/Car No.11/TOMEI ENGINE)
「スタートは良くて、3番手に浮上することはできたのですが、その後はバランスがあまり良くなくて。うしろを抑えることができればと思っていましたが、5番手に落ちてしまいました。1回目のセーフティカーの後、ポジションアップを狙いましたがうまくいかず、どちらかというと防戦のレースになってしまいましたね。ただ、2回目のセーフティカーのあとはまわりのペースが下がったようで、リスタートで1台抜くことができたのは良かったですが、表彰台にいくことができず悔しいです」

■牧野任祐
(TODA RACING/Car No.19/TODA TR-F301)
「スタートではリスボアやマンダリンでもっと何かあるかと思いましたが、何事もなくて『あれ?』と感じましたね。スタートでは少し順位を落としてしまい、マーデンボロー選手が前にいてペースが苦しそうだったので、抜こうと思っていたらセーフティカーが入りました。リスタート後はうまく順位を上げることができたのですが、実質オーバーテイクしたクルマはあまりないですね。とは言え、生き残ることができたのは良かったです。プラクティスから順位は最下位でどうなることかと思いましたが、予選では12秒台も出せましたし、その後も11秒いけるくらいにはなった。決勝レースのセットについてはもっと詰めたかったですね。それほど悪い週末ではなかったかな、と思っています」

■坪井翔
(TEAM TOM'S/Car No.15/TOYOTA TOM'S TAZ31)
「繰り上がりで20番手スタートだったので、スタート直後はまた何か起きるだろう……とちょっと身構えて臨みましたが、何も起きませんでしたね(苦笑)。そこで2台くらいにいかれてしまったと思います。うしろから昨日クラッシュした速いドライバーたちが迫ってきたのですが、海側はぜんぜんスピードも違うので、抑えきれませんでした。その後はセーフティカーの後、前がやり合っている間にマーデンボロー選手を抜くことができました。終盤は山側では速かったのですが、海側では抜かれて……という繰り返しでしたね。このマカオでは、最初は自信がなくしそうなくらいでしたが、しっかりリセットして、予選レースからかなりいい印象で終わることができたと思います。今回見えてくることもありましたし、全日本で活かしたいですし、もしまた来年マカオに来られたら、“今日の最後の状態”からスタートしたいですね」

■ヤン・マーデンボロー
(B-Max Racing Team/Car No.5/VOLKSWAGEN A41)
「スタートはいくつかポジションを上げることができたので良かったね。ただ、残念なことに昨日の予選レースのあとに変えたバランスが良くなくて、リヤのグリップがなくなりオーバーステアも発生してしまった。この週末はレーシングドライバーとしても本当に精神的に堪えたよ。トップを目指したけど、それはまったく叶わなかった。なぜなのかも最後までつかむことはできなかったし。マカオでの週末は楽しかったし、数年前まで一緒に戦っていたヨーロッパのドライバーたちと再会できたのも良かった。チーム、エンジニアとみんなで力を合わせて戦って、本当にいろんなことを学んだけど、すごくタフな週末だった。この週末のことは忘れないと思う」

■佐々木大樹
(B-Max Racing Team/Car No.6/VOLKSWAGEN A41)
「終盤ピットに戻りましたが、リスボアで前がクラッシュしていて、僕もブレーキがロックしてしまっていたので、そのまま真っ直ぐ行きました。コースには戻りましたが、最終ラップが近くてみんながチェッカーを受けているのかも分からず、無線も通じなかったので、ダブルチェッカー等は受けたくないとピットに戻りました。この週末をとおしてクルマは乗りづらく、攻める、攻めない以前の問題だったように思います。攻めるドライブは一度もできませんでした。今週末単純に遅かったというより、やはり準備がなさすぎる印象でしたね」

第63回マカオグランプリ 決勝レース結果
Pos No Driver Nat Car Best Time Laps Gap kph Best Lap
1 29 Antonio Felix Da Costa PRT Dallara Volkswagen 37'57.447 15 -- 15 laps -- 167.64 2'11.425
2 1 Felix Rosenqvist SWE Dallara Mercedes 37'59.050 15 1.603 168.08 2'11.080
3 27 Sergio Sette Camara BRA Dallara Volkswagen 38'00.641 15 3.194 167.06 2'11.882
4 11 Kenta Yamashita JPN Dallara Tomei 38'01.309 15 3.862 166.75 2'12.129
5 20 Callum Ilott GBR Dallara Mercedes 38'01.795 15 4.348 167.15 2'11.808
6 28 Jake Hughes GBR Dallara Volkswagen 38'03.638 15 6.191 166.40 2'12.402
7 8 George Russell GBR Dallara Mercedes 38'04.474 15 7.027 166.29 2'12.492
8 9 Daniel Juncadella ESP Dallara Mercedes 38'05.287 15 7.840 166.87 2'12.031
9 22 Pedro Piquet BRA Dallara Mercedes 38'06.808 15 9.361 166.61 2'12.237
10 30 Alexander Sims GBR Dallara Mercedes 38'08.741 15 11.294 166.06 2'12.678
11 26 Lando Norris GBR Dallara Volkswagen 38'10.487 15 13.04 165.82 2'12.868
12 12 CHANG Wing Chung MAC Dallara NBE 38'12.548 15 15.101 164.23 2'14.150
13 21 Anthoine Hubert FRA Dallara Mercedes 38'12.967 15 15.520 164.26 2'14.132
14 19 Tadasuke Makino JPN Dallara Toda 38'15.121 15 17.674 163.31 2'14.905
15 18 ZHOU Guan Yu CHN Dallara Volkswagen 38'15.360 15 17.913 163.54 2'14.723
16 15 Sho Tsuboi JPN Dallara Toyota 38'15.977 15 18.530 163.37 2'14.862
17 32 Sam Macleod GBR Dallara Mercedes 38'16.528 15 19.081 164.10 2'14.256
18 25 Keyvan Andres Soori DEU Dallara Mercedes 38'17.419 15 19.972 162.87 2'15.276
19 23 David Beckmann DEU Dallara Mercedes 38'17.772 15 20.325 166.51 2'12.318
20 5 Jann Mardenborough GBR Dallara Volkswagen 38'20.342 15 22.895 162.49 2'15.592
21 17 Arjun Maini IND Dallara Volkswagen 38'45.796 15 48.349 165.81 2'12.878
22 6 Daiki Sasaki JPN Dallara Volkswagen 33'49.698 13 -- 13 laps -- 162.98 2'15.184
23 16 Joel Eriksson SWE Dallara Volkswagen 39'38.876 11 -- 11 laps -- 165.07 2'13.472
24 3 Nick Cassidy NLZ Dallara Mercedes 22'30.100 9 -- 9 laps -- 167.35 2'11.654
25 31 Daniel Ticktum GBR Dallara Mercedes 19'13.310 7 -- 7 laps -- 165.59 2'13.048
26 33 Ferdinand Habsburg AUT Dallara Mercedes 15'46.898 6 -- 6 laps -- 164.51 2'13.924
27 2 Maximilian Gunther DEU Dallara Mercedes 10'06.969 4 -- 4 laps -- 163.09 2'15.094
28 10 Nikita Mazepin RUS Dallara Mercedes 6'57.748 3 -- 3 laps -- 165.59 2'13.051


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