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F3マカオGP決勝で牧野が9位
日本勢は4台が完走

牧野任祐(Motopark with VEB)

 第64回マカオグランプリは11月19日(日)、いよいよ決勝レースを迎えた。WTCC、FIA GTワールドカップの決勝に続き、スタートセレモニーが行われた後、午後3時30分、フォーメーションラップが開始された。

FIA F3ワールドカップのスタートシーン

 レースは2番手スタートのジョエル・エリクソン(Motopark with VEB)が好スタートを決め、ポールポジションスタートのカラム・アイロット(SJM Theodore Racing by PREMA)、3番手のセルジオ・セッテ・カマラ(Motopark with VEB)が続く。しかし1周目、メルコヘアピン立ち上がりで佐藤万璃音(Motopark with VEB)がクラッシュしてしまい、フルコースイエロー(FCY)が導入された。

 全日本F3選手権勢にとっては、慣れないFCYに戸惑いもあったが、3周目のマンダリン・ベンド立ち上がりで解除されると、関口雄飛(B-MAX Racing Team)、山下健太(B-MAX Racing Team)らは解除後の発進が遅れ、ポジションを落としてしまう。一方、トップ争いはエリクソンとアイロットが接触。エリクソンがコース上にマシンを止めたため、今度はセーフティカーランとなった。

 このなかで、12番手と好位置につけていた坪井翔(TEAM TOM'S)が「アクセルが戻らなくなってしまい」、メルコヘアピンでクラッシュしフロントウイングを破損してしまう。これで坪井はピットインを強いられる。また、リスタート後リスボア・ベンドでは関口がオーバーテイクを狙うもオーバーラン。アウト側のエスケープに逃れる。しかしそこに、宮田莉朋(TEAM TOM'S)と競り合いタイヤを傷めてしまった山下がスローパンクチャーに見舞われ、エスケープエリアに。なんと関口のマシンとクラッシュしてしまった。

ユアン・ダルバラと競り合うアレックス・パロウ

 レース後半、トップ争いはセッテ・カマラ、フェルディナンド・ハプスブルク(Carlin)の争いとなり、熾烈な3番手争いを勝ち抜いたダニエル・ティクトゥム(Motopark with VEB)が続く。ファイナルラップにはフィッシャーマン・ベンド立ち上がりで前に出たハプスブルクとセッテ・カマラが揃ってコースアウトしクラッシュ。優勝は3番手につけていたティクトゥムとなった。

 日本勢は、「昨日の予選レースよりも全然良くなっていました」という牧野任祐(Motopark with VEB)が9位でフィニッシュ。予選レースでのペースダウンが悔やまれるところ。追い上げたアレックス・パロウ(ThreeBond Racing with Drago Corse)が11位、山下との接触でフロントウイング翼端板を破損した宮田莉朋(TEAM TOM'S)が12位。坪井は1周遅れながら14位でチェッカーを受けた。

競り合う関口雄飛と山下健太 坪井翔(TEAM TOM'S)
優勝したティクトゥムを祝福する牧野任祐 宮田莉朋と山下健太

■牧野任祐
(Motopark with VEB/Car No.16/VOLKSWAGEN A41)
「昨日の予選レースでのバランス悪化の原因は今ひとつかめなかったのですが、とりあえずダンパーなどを交換して決勝に臨みました。その結果かどうか分かりませんが、バランス自体は昨日よりは改善していましたが、この状態で昨日の予選レースを戦えていれば、今日の決勝をもっと前からスタートできたわけで……。ちょっと悔いが残るというか、今日の方が昨日よりも路面も悪かったですし、タイヤ的には厳しい状況だったはずなのに、バランスは今日の方がずっと良かったですから、本当に昨日の予選レースがもったいなかったなと思います。一応決勝は9位になりましたが、本当は予選レースで9位を獲っていなければいけませんよね。9番手から今日決勝をスタートできていたら、結果は全然違ったでしょう。そういう流れ的な部分が、今回は全然うまくいきませんでしたね。ただ、今回速いチームメイトたちと互角に走れなければダメだと思っていたのですが、自分自身の力の足りないところも感じることができたので、自分にとっていい課題が見つかった週末になりました」

■アレックス・パロウ
(ThreeBond Racing with Drago corse/Car No.20/TOMEI ENGINE)
「今日の決勝も厳しい戦いだった。ただ、問題のいくつかは改善できず、ハードな状況に変わりはなかったけれど、それでもできる限りのことはできたように思う。不思議なことに、スタートしてからの2周ほどはクルマの状況が良くて、オーバーテイクを仕掛けることもできたけれど、それ以降はFP1に近い症状が出た。ウォールにヒットしたわけでもないし、何もしていないのに、急にバランスがおかしくなってしまったんだ。それでもセーフティーカーが明けた後も必死でプッシュした。とはいえ、絶対に生き残らなければならない、というのが最低限の目標だったから、今日はそれが果たせて良かった。多くのドライバーがクラッシュしたり、リタイアしたことで、11位という結果は残せたからね。しかし、このような週末は予想していなかった。たぶん、僕のキャリアでここまでタフな週末はなかったと思うけれど、今週末を通じて、少しずつではあったけれどチームと前進することができたのはハッピーだよ」

■宮田莉朋
(TEAM TOM'S/Car No.12/TOYOTA TOM'S TAZ31)
「これほどの波乱のレースになるとは思いませんでした。そんな状況の中で、自分も接触はありましたが、完走することができたのは良かったと思います。山下健太選手にリスボアで抜かれたのですが、その際に山下選手に前に出られたところで、僕のイン側にもう1台来ていたので、行き場がなくなり、山下選手の右リヤタイヤと僕のフロントウイングが接触してしまい、左の翼端板とフラップを失いました。それからは残念ながら戦える状態のマシンではなくなってしまったので、なんとか完走しようと気持ちを切り替えました。今回のマカオGPでは、結果は良くありませんでしたが、マカオでのレースの仕方やヨーロッパのチームやドライバーの戦い方も知ることができましたし、最後にはマカオのコースにもやっと慣れてきた感覚がありました。来年に向けてはいいレースができたのかな、と思います」

■坪井翔
(TEAM TOM'S/Car No.11/TOYOTA TOM'S TAZ31)
「昨日スタートでポジションを上げられなかったので、今日はリスボアで前に出るというところを強く意識して臨みました。結果的にスタートで1〜2台抜くことができて、その後前のリタイアやアクシデントをうまくかわしながら、ポジションを上げていけたのですが、前のマシンを抜こうとしているところでFCYが出てしまって。FCYではタイヤが冷えてしまうし、ちゃんと速度を落としていない車両がいたりして、運用としてどうなのかなと思いました。ただ、セーフティーカー中にスロットルが戻らないトラブルが出てしまって、メルコヘアピンでアクセルを戻しているのに回転が落ちず、止まりきれずにガードレールにヒットしてしまいました。それでフロントウイングを傷めてピットに戻り、ノーズを交換してスロットル周りを確認してもらい、大丈夫だということでコースに復帰して。そこからは単独になってしまったのですが、とにかくタイムを出そうと思ってプッシュしました。その結果、2分14秒1というタイムをマークしたのですが、上位陣とのタイム差は今週末で一番少なかったので良かったかなと。かなりウイングを削っていたので山側が苦しかったですが、もう少しウイングがついていれば13秒台にいけたのかなと思いますし、決勝はいい走りができていたように思います」

■山下健太
(B-Max Racing Team/Car No.21/VOLKSWAGEN A41)
「スタートでは狙ってリスボアをアウトからいったのですが、行きすぎてしまって1台にかわされてしまいました。ただその後のペースは良く、前を抜かそうとしたときにちょうどフルコースイエローが出ました。ただ、FCY解除のときに対応ができず、リスボアまでにずっとリミッターが当たった状態になってしまって。その後はなんとか直りましたが、セーフティカー明けに宮田選手を抜こうとした際、僕のリヤタイヤと当たってしまって、そこでパンクしてしまったんです。曲がらなくなり、『真っ直ぐ行けば止まるかな』と思ったら、そこには関口選手のマシンがいて当たってしまいました。なんとか避けようと思ったんですが、避けきれませんでした。チームに申し訳ないです。今回のマカオは全体的には力不足でしたね。関口選手は僕よりもペースが良く、決勝ではそれ以上を狙って新品タイヤも入れていたんですが、それが少し空回りしてしまいましたね。またマカオには来たいと思っています」

■関口雄飛
(B-Max Racing Team/Car No.22/VOLKSWAGEN A41)
「今日は前日よりもいいスタートを切ることができ、マンダリンを全開でいって、リスボア・ベンドでもブレーキングで攻めていきました。ただ、入るスペースがなくてポジションを落としてしまったのが悔しいですね。その後はフルコースイエローが出ましたが対応が難しく、解除の時も『グリーンフラッグを確認してから』と言われていたんです。ちょうど僕がポストを過ぎたときにグリーンが点いてしまい、僕が確認したときは一気にうしろから行かれてしまいましたね。その後、セーフティカー明けで『ここしかチャンスがない』と思いいったのですが、止まりきれずコースアウトしてしまいました。リスタートしようとそこに止まっていたところ、山下選手のマシンが突っ込んできてしまった形です。今回のマカオは自分のテーマを達成することができました。B-Max Racing Teamの目標である優勝ができなかったのは残念ですが、今回はドライバーのミスで8番手になってしまったことが分かったことが収穫です。ドライバーが100%だったら、チームもクルマも優勝争いができることは確認できたと思うんです。これが分かれば、今後のマカオのレースもある程度いけるというのが理解できたはずです。足りないところもチームとして理解することができました」

■佐藤万璃音
(Motopark with VEB/Car No.17/VOLKSWAGEN A41)
「メルコヘアピンから下っていく部分が濡れていて、そこでクラッシュしてしまいました。スタートは出だしが良くなく、その後はマンダリン・ベンドも濡れていたこともあったので、少しゆるめてしまいました。リスボアでも同様でしたね。ただ、リスボアから抜けた先では切り替えることもできたんですが。濡れていた部分は少し計算違いというか、ミスがあって。次の左でこすってしまい、それで弾かれてしまったかたちですね。ここまではせっかく順調に自分もクルマもチームと一緒にもってくることができたのに、最後に結果を持ち帰ることができなかったのはもったいなかったです。走り出しからここまでずっとフィーリングも良かったですし、決勝スタート前まではしっかり準備できていたと思います。また来年でも再来年でも、何度でもチャレンジして勝ちに行きたいと思っています」

第64回マカオグランプリ 決勝レース結果
Pos No Driver Nat Car Time Laps Gap km/h Best Time
1 18 Daniel Ticktum GBR Dallara Volkswagen 16:14:13.116 15 -- 15 laps -- 165.43 2:13.184
2 1 Lando Norris GBR Dallara Volkswagen 16:14:13.684 15 0.568 165.38 2:13.218
3 25 Ralf Aron EST Dallara Mercedes 16:14:14.879 15 1.763 164.95 2:13.564
4 3 Ferdinand Habsburg AUT Dallara Volkswagen 16:14:15.069 15 1.953 165.35 2:13.243
5 9 Maximilian Gunther DEU Dallara Mercedes 16:14:17.579 15 4.463 165.34 2:13.250
6 26 Pedro Piquet BRA Dallara Mercedes 16:14:18.257 15 5.141 164.91 2:13.604
7 5 Sacha Fenestraz FRA Dallara Volkswagen 16:14:18.502 15 5.386 164.2 2:14.179
8 8 Guanyu Zhou CHN Dallara Mercedes 16:14:19.599 15 6.483 164.3 2:14.096
9 16 Tadasuke Makino JPN Dallara Volkswagen 16:14:20.742 15 7.626 163.33 2:14.891
10 2 Jehan Daruvala IND Dallara Volkswagen 16:14:23.571 15 10.455 164.01 2:14.332
11 20 Alex Palou JPN Dallara Tomei 16:14:40.276 15 27.16 162.46 2:15.617
12 12 Ritomo Miyata JPN Dallara Toyota 16:14:56.862 15 43.746 159.49 2:18.138
13 19 Sergio Sette Camara BRA Dallara Volkswagen 16:11:51.719 14 -- 14 laps -- 165.04 2:13.491
14 11 Sho Tsuboi JPN Dallara Toyota 16:16:01.959 14 4:10.240 164.28 2:14.110
15 7 Callum Ilott GBR Dallara Mercedes 16:10:05.409 13 -- 13 laps -- 163.8 2:14.507
16 10 Mick Schumacher DEU Dallara Mercedes 16:15:23.993 13 5:08.584 166.09 2:12.651
R 6 Devlin Defrancesco GBR Dallara Volkswagen 16:03:06.896 10 -- 10 laps -- 162.41 2:15.659
R 22 Yuhi Sekiguchi JPN Dallara Volkswagen 15:54:00.578 6 -- 6 laps -- 152.32 2:24.640
R 21 Kenta Yamashita JPN Dallara Volkswagen 15:54:03.237 6 2.659 150.35 2:26.540
R 15 Joel Eriksson SWE Dallara Volkswagen 15:40:16.331 2 -- 2 laps -- 158.31 2:19.174
R 17 Marino Sato SMR Dallara Volkswagen D.N.F 0      


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