arcive
calender result report driver team ranking

09

09

11月14日レポート 11月15日レポート 11月16日レポート 11月17日レポート 11月18日レポート

第65回マカオグランプリF3ワールドカップ
赤旗中断の波乱の決勝で宮田が13位

宮田莉朋(TOM'S)

 11月17日(土)に行われた予選レースを経て、いよいよ迎えた第65回マカオグランプリのFIA F3ワールドカップの決勝。毎年恒例のライオンダンスが行われるなど、賑やかなスタート前セレモニーを経て、いよいよ午後3時30分にフォーメーションラップが始まった。

FIA F3ワールドカップの決勝スタートシーン

 スタートでは、ポールポジションのダニエル・ティクトゥム(Motopark Academy)がトップで1コーナーに向かうも、ジョエル・エリクソン(Motopark Academy)、サッシャ・フェネストラズ(Carlin)が並走。激しいトップ争いが展開された。

 しかし、1周目のリスボア・ベンドで、アレックス・パロウ(B-MAX Racing Team)がアウト側のバリアにヒット。これに5台が接触し、避けきれなかった笹原右京(ThreeBond Racing)もわずかにマシンを破損。トラブルを抱えスピンを喫し、ピットに戻りリタイアとなった。さらにその先でフェルディナンド・ハプスブルク(Motopark Academy)と競り合った佐藤万璃音(Motopark Academy)がクラッシュを喫してしまう。

 これでセーフティカー導入となるが、4周目のリスタート後、リスボア・ベンドでユアン・ダルバラ(Carlin)のマシンに、ソフィア・フローシュ(Van Amersfoort Racing)が乗り上げるようにしてイン側に弾き飛ばされ、14番手を走っていた坪井翔(TOM'S)のロールバー付近にヒットし、そのままアウト側のフェンスを突き破り、カメラマンスタンドに激突する激しいクラッシュが起き、赤旗中断となってしまった。

大湯都史樹(TODA Racing)

 フローシュは脊椎骨折の負傷で、坪井も病院に搬送されたが、幸い坪井は痛みがあったものの、無事に病院から退院。巻き込まれたフォトグラファー、マーシャルも怪我があったが、生命に別状はなかった。その後、フェンスの修復などが行われ、レースは現地時間午後4時53分に再開された。

 残り10周からセーフティカースタートを経て、残り9周でのリスタートは、リスボア・ベンドでエリクソンがふたたび2番手に浮上する。ただ9周目、エナーム・アーメド(Hitech GP)のマシンがクラッシュしたため、フルコースイエロー(FCY)導入となった。

 12周目にFCYは解除されるが、この段階でレースは開催の残り時間が少なくなることに。最終的にレースは15周を消化した時点で終了。ティクトゥムが優勝、エリクソンが2位、フェネストラズが3位という結果となった。

 日本勢では、大湯都史樹(TODA Racing)との争いを制した宮田莉朋(TOM'S)が13位で最高位。途中オーバーシュートを喫した関口雄飛(B-MAX Racing Team)は14位となった。大湯は16位、片山義章(Carlin)は17位。阪口晴南(TODA Racing)は18位、目標の完走を果たしたDRAGON(B-MAX Racing Team)は20位でチェッカーを受けた。

関口雄飛(B-MAX Racing Team) 片山義章(Carlin)
ピットにマシンを戻した笹原右京(ThreeBond Racing) 赤旗中断中の阪口晴南とDRAGON
赤旗中断中の宮田莉朋、阪口晴南、大湯都史樹 坪井翔(TOM'S)

■関口雄飛
(B-MAX Racing Team)
「昨日の予選レースは、スタートが良かったにもかかわらず位置取りが悪かったのですが、今回は位置取りもうまくいきました。順位は上げられたのですが、赤旗中断の前の順位に戻されてしまって。リスタート後は2台くらい抜くことができたんですが、次に抜こうとしたプレマの一台と競り合っていたときに。リスボアで真っ直ぐ行ってしまいました。14位という結果で今年も納得はいかなかったですが、ひとまずもう挑戦は終わりですかね」

■アレックス・パロウ
(B-MAX Racing Team)
「残念な結果になってしまった。スタートしてから、周囲のドライバーの多くがスリップを使いながらリスボアに向かっていた中で、自分はイン側のラインを選んだことでスリップに入れず、おそらくリスボアのブレーキングのあたりでは2番手くらい、ポジションを落としていたんだと思う。イン側にスペースがなく、アウト側でブレーキングをしたんだけれど、そこで2〜3台はパスしたものの、少し突っ込み過ぎて立ち上がりでタイヤバリアにヒットしてしまった。決勝に向けて良いマシンを準備してくれたチームには本当に申し訳なく思うよ。今回のマカオ挑戦に向けて、僕にチャンスをくれたチームや支えてくれたスタッフには感謝してもし切れない。もちろん、初めて乗るマシン、初めて一緒に仕事をするチームという中で、難しい部分がなかったわけではないけれど、それでも彼らに何らかの結果を持ち帰りたかった。それができなかったことが残念だ」

■片山義章
(Carlin)
「予選レースで追突される形になりましたし、予選でも当てられたりクラッシュしたりとあまり走れていなかったんですよね。なので、今回はなんとしても完走したいという思いがありました。そこでスペースを空けていこうとスタートしましたが、案の定大きなクラッシュもあり、作戦としては良かったのではないかと思います。セーフティカーが入った後もあまり攻めず、そつなく戦った印象ですが、順位も大きく上がっていたので、1年目としてはこんな感じかな……というレースでした。初めてのマカオは一歩間違うと大きなクラッシュになることも痛感しましたし、昔だったら死んでしまう。緊迫感があり、最初は走るたびに緊張していました。でも、走るたびにもっと走りたい気分になれたと思います」

■阪口晴南
(TODA Racing)
「前日クラッシュしてしまった状態で、今日グリッドにつけたことについて、まずはチームに感謝したいです。スタートしてからは、リスボア・ベンドで接触が多いと思っていたので、少しギャップをとって入りました。セーフティカー中でも前とのギャップをしっかりとっていきましたが、しっかりとタイムを出そうと走っているなかで自分の発見も多くありました。ポジションを上げられるなら上げたかったですが、レースも全体的にそういう雰囲気ではなかったので、タイムを出すことに集中しました。今回は資金の面でも、体の面でもいろいろと苦戦することが多かったです。でもここまで考えながらレースをすることは今までなかったですし、昨日まではすごく悩むことも多かったですが、終わってみれば良い経験になったと思います。事前には挑戦するかも悩みましたが、自分に足りないところを痛感させられました。レースだけでなく、人生においても成長できたレースだったと思います」

■大湯都史樹
(TODA Racing)
「序盤、クラッシュもありその展開にも助けられ、15番手に上がることができました。それから大きなアクシデントもあり、みんなが慎重なレースになっていたと思います。レース後半は波乱はなかったですね。ただ自分としては、またひたすら抜かれるレースになってしまって。宮田選手にも抜かれてしまい、自分としては差を感じてしまいましたね。宮田選手は日本でもやっている相手なので、抜かれたくないと工夫をしたのですが、マンダリンから先で抜かれてしまいました。そんななかでタイヤのピークが使えなかったですし、もっといいフィーリングが序盤から出せたと思うんですよね。バトルはできましたけど、結局17位という結果で終わったのには、何か原因があると思います。初マカオは比較的バトルもできましたが、やはり予選やレースウイーク全体を通じて、ミスもありましたし、組み立て方もタイムの詰め方も、甘かったかもしれません。ヨーロッパ勢と一緒に走りましたが、海外ドライバーのレベルも高いと思いましたし、負けている部分もありました。そういうレベルを経験できたことはこの先のレースにも活きてくると思いますし、このレベルに追いつくために日本でやるときも、いつも気持ちをもってやっていかないとと感じましたね」

■笹原右京
(Threebond Racing)
「スタートは普通でしたが、リスボアまで前の集団の中で争っていて、かなりスリップが効いていたので、イン側が渋滞していたのでアウトからオーバーテイクをと考えたのですが、自分の前のクルマがタイヤバリアにクラッシュしたクルマに突っ込んでしまって。自分はなんとか避けられたつもりでしたが、その時に僅かに当たった右フロントがダメージを負っていたようで、それが原因で山側のS字の付近でスピンを喫してマシン右側をヒットしてしまいました。そのため、スロー走行でピットに戻りましたが、残念ながらそこでリタイアとなりました。今週末はなかなか噛み合わず苦しい状況でしたが、その中でも速いヨーロッパのドライバーたちと走ってみて、ここ1〜2年国内で戦ってきましたが、まだそれほど負けていないなと。レースにおいては、グリッドポジションも土俵も自分たちの立っている位置が違うのでなんとも言えませんが……。それでもマシンを頑張って修復してくれたチーム、そしてマカオ参戦に向けてご支援をいただいた方々には本当に感謝しています」

■坪井翔
(TOM'S)
「昨日の予選レース同様、スタート直後の位置どりは良かったんですが、結果的には2台がリスボアでクラッシュしたので、自力というよりも混乱を避けられた分だけポジションが上がった感じでした。それで14番手に上がったものの、すぐにセーフティーカーが入ってしまったのですが、またきっとリスタートで混乱があるなと思っていましたし、リスタート直後のリスボアで、前でスリーワイドになっていたので危ないなと、少し様子を見ながら進入しました。すると突然後ろから凄い衝撃があって……。何が起こったのかよく覚えていませんが、結構離れたところを走っていた2台後ろのマシンが突っ込んできたのがクルマを降りてから分かったので、なぜこのクルマが? と思いました。今は痛み止めを打っているので、少し腰が痛い程度ですが、少しヘルメットにも傷があったので、逆に運が良かったのかなと思っています」

■宮田莉朋
(TOM'S)
「昨日の予選レースでクラッシュして、今日は25番手スタートだったのですが、スタートしてからリスボアまではイン側キープで行けたので、結果的に多重クラッシュを避けてポジションを上げることができました。セーフティーカー後のリスタートでまた大きな事故があって、運良くその位置にいなかったのでまたポジションを上げることができました。そのあとは大湯選手をリスボアでパスできたのですが、抜くまでに時間がかかり過ぎてしまったし、昨日クラッシュしたことで気持ち的に行ききれていなかった部分もあったのかなと反省しています。その後はなんとか前に追いつきたいとプッシュしたのですが、セットを変えていたもののやはりストレートが苦しくて。来年チャンスがあるならば、そのあたりを改善して臨みたいですね。全体を振り返れば去年よりは成長できたなと思っていますが、反面クラッシュを1回してしまったので、チームの皆さんにご迷惑をお掛けしたのが反省点ですね」

■DRAGON
(B-Max Racing Team)
「終わってみて、完走できたということは自分の目標を達成できたと思っています。もちろんもう少しチャレンジできたとも思いますし、そうしたかった気持ちもありますけど、危険なレースですから、クラッシュして順位を失ってしまうより、こうして結果が残ったことで自分は満足しています。当分この最年長記録は抜かれないと思いますから(笑)。世界一決定戦のレースの邪魔をしない展開で走り切れたことも良かったですね。僕自身は、もうマカオは昨年が最初で、今年が最後という思いで走ったので、これでおしまいにしようかと思っています。もちろんチーム代表としては、まだまだ若い日本人ドライバーで勝てる選手を見つけて、支援していきたいと思います。ここで日の丸を揚げるまで止めません!」

■佐藤万璃音
(Motopark Academy)
「昨年よりもレースを走ることができなかったので、とにかく残念ですね。横にフェルディナンド(ハプスブルク)がいて、そこは落ち着いていけば良かったのですが、どうしても並んだまま入ってしまって。当たったときは何が起きたか分かりませんでしたが、おそらくダスティなところに乗ってしまってと思います。リヤをヒットし、前も当たって戻って来られなかった。去年も同じことを言いましたが、もったいなかったですね。まったく進歩していないわけではないですが、同じことをしてしまったので、反省しかないです」

第65回マカオグランプリ 決勝レース結果
Pos No Driver Nat Car Best Time Laps Gap Best Time
1 1 Daniel Ticktum GBR Dallara-Volkswagen 01'46'22.108 15 - 2'10.246
2 2 Joel Eriksson SWE Dallara-Volkswagen 01'46'23.316 15 1.208 2'10.617
3 19 Sacha Fenestraz FRA Dallara-Volkswagen 01'46'24.613 15 2.505 2'10.593
4 30 Jake Hughes GBR Dallara-Mercedes 01'46'25.629 15 3.521 2'10.547
5 9 Mick Schumacher DEU Dallara-Mercedes 01'46'26.650 15 4.542 2'11.067
6 10 Ralf Aron EST Dallara-Mercedes 01'46'28.514 15 6.406 2'11.098
7 18 Callum Ilott GBR Dallara-Volkswagen 01'46'30.448 15 8.340 2'11.446
8 11 Marcus Armstrong ITA Dallara-Mercedes 01'46'31.705 15 9.597 2'11.531
9 12 Robert Shvartzman RUS Dallara-Mercedes 01'46'33.948 15 11.840 2'12.143
10 5 Ferdinand Habsburg AUT Dallara-Volkswagen 01'46'34.901 15 12.793 2'12.239
11 8 Guan Yu Zhou CHN Dallara-Mercedes 01'46'35.569 15 13.461 2'12.323
12 17 Jehan Daruvala IND Dallara-Volkswagen 01'46'36.093 15 13.985 2'12.027
13 32 Ritomo Miyata JPN Dallara-Toyota 01'46'39.042 15 16.934 2'12.775
14 15 Yuhi Sekiguchi JPN Dallara-Volkswagen 01'46'40.805 15 18.697 2'12.593
15 26 Frederik Vesti DNK Dallara-Mercedes 01'46'41.881 15 19.773 2'12.604
16 22 Toshiki Oyu JPN Dallara-TODA 01'46'45.456 15 23.348 2'13.642
17 20 Yoshiaki Katayama JPN Dallara-Volkswagen 01'46'54.981 15 32.873 2'15.487
18 21 Sena Sakaguchi JPN Dallara-TODA 01'46'57.353 15 35.245 2'14.962
19 3 Jüri Vips EST Dallara-Volkswagen 01'47'09.060 15 46.952 2'10.625
20 33 DRAGON (Ryuji Kumita) JPN Dallara-Volkswagen 01'48'11.071 15 0'01'49 2'26.077
NOT CLASSIFIED (Requirements ' 90% of number laps of leader = 13 Laps)
21 29 Enaam Ahmed GBR Dallara-Mercedes 01'29'33.341 8 7 Laps 2'13.648
22 31 Sho Tsuboi JPN Dallara-Toyota 00'09'30.112 3 12 Laps 3'10.201
23 25 Sophia Flörsch DEU Dallara-Mercedes 00'09'31.767 3 12 Laps 3'09.524
24 27 Ukyo Sasahara JPN Dallara-TOMEI 00'03'53.373 1 14 Laps -
WITHOUT 1 LAP
25 6 Marino Sato SMR Dallara-Volkswagen - 0 - -
26 16 Alex Palou ESP Dallara-Volkswagen - 0 - -
27 28 Hon Chio Leong MAC Dallara-Mercedes - 0 - -
28 23 Keyvan Soori Andres IRN Dallara-Mercedes - 0 - -


news

li




gotoback
li
å