オートポリス大会開幕。
専有走行総合トップタイムはシャルル・ミレッシ
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シャルル・ミレッシ(OIRC team YTB) |
鈴鹿サーキットで行われた第1ラウンドから4週間。全日本F3の第2ラウンドは、大分県オートポリスに舞台を移し、5月18日(土)〜19(日)にかけて予選・決勝が行われる。その公式日程に先立ち、16日(木)からは専有走行が行われた。
爽やかな五月晴れに恵まれた16日(木)。オートポリスでは、昨年F3のレースが開催されていないこともあり、今回の大会では、木曜と金曜日の2日間に渡り全4セッションが行われた。
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サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) |
1回目の走行が始まったのは、木曜午前9時30分。セッションが始まると、各車次々にコースへと入っていく。5月初頭にプライベートテストでオートポリスを訪れたものの、雨でほとんど走行できなかったサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)やアメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark F3)、エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)、またこの日がオートポリス初体験となるシャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)らは、セッション序盤からコースの習熟を中心に走行。一方、宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)や小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)はブレーキの焼き入れなど、予選・決勝に向けての準備を行っていく。
その中で、順調にタイムを伸ばしたのは、フェネストラズとミレッシ。両名ともに、このセッションでは一切ニュータイヤを使用しなかったが、開始から約1時間となったところでは1分39秒台までタイムアップし、計時モニターの上位に名を連ねた。
その後、セッションの残り時間が15分となったところで赤旗が提示される。これは山口大陸(タイロクレーシング28号)が第1ヘアピンの立ち上がりでスピンし、クラッシュしたため。そのマシン回収が終わると、セッションは残り時間10分ということで、午前11時23分に再開された。この再開後に大きくタイムアップしたのは、宮田と小高。この2人は、ここでニュータイヤを投入しており、宮田が1分38秒500を叩き出してトップに立った。この時点では、小高も1分39秒587までタイムアップして2番手につけていたが、チェッカー目前にミレッシが小高のタイムを上回る1分39秒415をマークした。結果、最初のセッションは、宮田、ミレッシ、小高、フェネストラズ、片山義章(YTB by Carlin)、河野駿佑(RS FINE K&N F318)という結果になっている。
3時間のインターバルを経て、この日2回目の走行が始まったのは、午後2時30分。天候は引き続き爽やかな晴れ。午前中よりも気温は上がり、汗ばむようなコンディションとなった。このセッションでは、多くのドライバーがロングランテストを敢行。かなりの周回数をこなしている。最後まで赤旗が提示されることもなく、順調にセッションは進んでいった。ちょうど折り返しとなる時間帯には、宮田がユーズドタイヤで1分39秒900と、39秒台に突入。残り時間が40分を切ると、フェネストラズやミレッシも39秒台のタイムを刻む。さらに宮田も1分39秒515までタイムを伸ばしてきた。
そして、セッションの残り時間が15分を切ると、多くのドライバーがニュータイヤを投入。まず大津弘樹(ThreeBond F318)が1分39秒333でトップに立つと、同時間帯にアタックをしていた小高が、1分39秒116、1分39秒107と2周続けてトップタイムを更新してくる。これを上回ってきたのが、ミレッシ。ミレッシは、この日初めて履いたニュータイヤながら、1分38秒165を叩き出し、トップに立った。「クルマもすごく良かったし、鈴鹿の時と比べたらタイヤのウォームアップも上手くいったね。今週は上位で戦える手応えがあるよ」とミレッシは笑顔を見せた。このミレッシに続いてアタックしていたチームメイトの片山も、1分38秒254と2番手に滑り込み、YTB by Carlinが調子の良さをうかがわせた。
一方、1回目のセッションでトップタイムをマークしていた宮田は、残り時間が6分を切ったあたりでニュータイヤを装着してコースに出たが、ここでクルマにメカニカルトラブルが発生。アタックしないままピットに戻り、セッションを終えている。この後、チェッカー目前に自己ベストを更新したのは、フェネストラズ。だが、タイムは1分38秒339と、ミレッシにはコンマ2秒ほど及ばず。片山に続く3番手でセッションを終えることになった。「今回、このコースで初めてニュータイヤを履いたけど、自分が思っていたよりもスピードが速くて。ユーズドの時より2秒ぐらいタイムが上がっているからね。そういう意味では、まだドライビングで合わせ込んでいく余地があると思っている。大事なのは予選で前に行くことだから、今日3番手だったことはあまり気にしていないよ」とフェネストラズは初日のセッションを振り返っていた。
■片山も2番手につけ、YTB by Carlinが他を圧倒。
ポイントリーダーの宮田は、ペースアップに苦しむ
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宮田 莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S) |
翌17日(金)は、曇り空の朝を迎えたオートポリス。路面は完全なドライのままだが、時々突風が吹く風が強いコンディションとなった。風向きも、1コーナーから最終コーナーに向けて吹いていたかと思えば、突然横風になるなど、フォーミュラカーの走行には影響が出そうな状況だった。
そんな中、2日目最初の専有走行は、午前9時45分にスタート。初日よりも気温が低かったことや、前日の走行で路面ができ上がってきたこともあり、セッション開始早々から、宮田がユーズドタイヤで1分40秒を切ってくる。また、ミレッシも序盤から1分38秒台に突入。ミレッシは、その後ニュータイヤを投入すると、セッション開始から20分余り経ったところで、一気に1分36秒986と36秒台のタイムを叩き出す。これはミレッシ本人がマークした初日の総合トップタイムよりも約1秒2速いタイムだった。チームメイトの片山も、1分37秒852とミレッシに続くタイムをマークした。またフェネストラズも1分37秒881までタイムアップする。
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DRAGON(B-Max Racing with motopark) |
その頃、各ドライバーはセットアップの煮詰めなどを行っていたが、セッション開始から39分というところで赤旗が提示される。これは、変更したセットアップをユーズドタイヤで確認していたDRAGONが100Rの立ち上がりでスピン、クラッシュしたため。「かなり使い込んだタイヤでセット確認のため全開で走っていたら、100Rの出口で突然リヤが流れました」ということで、DRAGONのマシンはスポンジバリアに激突する形でストップした。
このマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは午前10時35分。その数分後、宮田が1分37秒881と自己ベストを更新し、4番手につける。だが、直後に2回目の赤旗が提示された。これは河野が3コーナーでコースアウトしたためだ。マシン回収が終わると、セッションは午前10時49分に再開。残り時間が10分を切ると、多くのドライバーがニュータイヤでのアタックに向かう。ここでタイムを伸ばしたのがフェネストラズ。フェネストラズは、1分37秒695をマークし、一時2番手に浮上した。しかし、チェッカー目前になって、これを僅差で上回ってきたのが片山。片山は1分37秒667をマークし、最終的に2番手でセッションを終えた。トップはミレッシ、3番手はフェネストラズ。以下、宮田、アーメド、小高、大湯都史樹(TODA FIGHTEX)と続いている。
スーパーフォーミュラの専有走行が終わり、F3最後の専有走行が始まったのは、午後3時05分。お昼前後には晴れ間ものぞいていたオートポリスだが、午後になると天候は下り坂。F3の専有走行開始時刻には、すでに雨がパラパラと降り始めていた。それでも、セッション序盤は多くのドライバーがコースイン。宮田が1分37秒809をマークした後、アーメドが1分37秒781までタイムを伸ばしてくる。だが、その後、路面がウェットになることはなかったものの、雨量が少し増えたため、セッション開始から30分というところでは一時全車がピットに戻ってくることとなった。そこから少し天候が回復してくると、再び何台かがコースへと出る。ちょうどセッション折り返しとなった午後3時50分には、宮田が1分37秒776と、自己ベストを更新した。この頃、空からは再び日が射し始め、再び多くのドライバーたちがコースイン。明日からの予選、決勝に向けて最後の仕上げに入って行った。
そして、残り時間が10分を切ったあたりから、ニュータイヤを投入して最後のタイムアタックへ。ここで、まずトップに立ったのは、1分37秒404をマークしたフェネストラズ。だが、まもなくこれを書き換えたのは、ミレッシ。ミレッシは、午前中に引き続き1分36秒874と、唯一36秒台に突入した。また、片山が1分37秒614をマークして、一時3番手に浮上。だが、続いて宮田が1分37秒413をマークし、片山のタイムを上回った。チェッカー目前には、フェネストラズが自己ベストをわずかに更新し、1分37秒332。だが、ミレッシには届かなかった。その結果、初日に続いて総合トップはミレッシ、2番手にはフェネストラズ。以下、宮田、片山、河野、アーメドと続いている。
明日の予選は雨という予報も出されているが、一体誰が第3戦、第4戦に向けてのPPを獲得するのか。ドライで行われた専有走行とは、また違った展開になるかも知れない。
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- 大湯 都史樹(TODA RACING)
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- 久保田 克昭(Hanashima Racing)
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- 片山 義章(OIRC team YTB)
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- 大津 弘樹(THREEBOND RACING)
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- 三浦 愛(THREEBOND RACING)
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- 山口 大陸(TAIROKU RACING)
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- 河野 駿佑(RS FINE)
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- アメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)
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- エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark)