●2015富士大会金曜専有走行

福住仁嶺/HFDP RACING

◎ 富士大会金曜専有走行は福住仁嶺が総合首位！
　 F3-Nでは三浦愛がクラストップタイムをマーク

三浦 愛/EXEDY RACING TEAM

　全日本F3選手権の第4大会が富士スピードウェイを舞台に、6月5日に金曜専有走行を行った。天気予報は午後からの降雨を告げ、グランドスタンドの向こうにそびえる富士山ははっきり見えるものの、上空の灰色の雲からはいつ雨が落ちてきてもおかしくない状況。今回はル・マン24時間の出場を控えたB-Max Racing team with NDDPのルーカス・オルドネスに代わって、佐々木大樹が久々に参戦。また、FSC MOTORSPORTのギョオム・クニントンがエントリーしていないため、15台がピットに並ぶこととなった。
　午前8時35分に午前のセッションがスタート。全車一斉にコースインし、そのまま周回を重ねる者、イン〜アウトを繰り返す者、それぞれではあったものの、開始早々にタイミングモニターの頂点に名を記したのは、PETRONAS TEAM TOM'Sの山下健太。1分39秒台からのスタートで、3周目には36秒台へ。10分経過時点の午前8時45分に1分36秒222を記した後、山下はピットに戻る。この時点での2番手はHFDP RACINGの高橋翼で、1分36秒735をマークしていた。
　再びコースに戻った山下が、コンスタントに36秒台で周回を重ねる中、間もなく午前9時になろうというタイミングでトップに躍り出たのがB-Max Racing team with NDDPの高星明誠。1分35秒994を出し、いったんピットに戻った後も1分35秒773をマーク。そして、40分を経過した午前9時15分には山下も、ようやく36秒の壁を破る1分35秒904を記録する。勢いに乗る高星は、それから5分後、さらに1分35秒595まで短縮を果たすが、その直後に逆転したのがチームメイトの佐々木だった。それまでは36秒台でコンスタントに走行していたが、モードを一気に切り替えて1分35秒359をマークする。

●午前のトップタイムは高星明誠が獲得

高星明誠/B-Max Racing team with NDDP

　しかし、1時間経過目前の午前9時32分に、高星は1分35秒302を叩き出して再逆転に成功。その後も35秒台を記し続けて、好調さを強くアピールする。その頃、3番手に浮上していたのが、HFDP RACINGの福住仁嶺で1分35秒379をマーク。そして、残り15分を切った頃には、ほぼ全車がピットに戻り、ニュータイヤを装着して予選モードにスイッチする。それから5分を経過すると、続々とマシンはピットを離れていった。
　ラスト5分で最初に34秒台に入れたのは、1分34秒961の福住。しかし、それから間もなく高星が1分34秒951、山下が1分34秒892で順にトップの座を入れ替えていく。最後にもうワンアタック可能だった高星だけがタイムを上げて、1分34秒820を午前のセッションのトップタイムとした。最終的な順位は高星、山下、福住、高橋、佐々木、そしてPETRONAS TEAM TOM'Sのニック・キャシディというオーダーに。
　一方、F3-Nクラスでは、TOM'Sの小河諒に電気系トラブルが発生。1周でピットに戻ってきた後、離れることができず、結局計測できずじまいに終わっている。代わって繰り広げられたのは、B-Max Racing teamのDRAGONとEXEDY RACING TEAMの三浦愛によるシーソーゲームだった。最初に39秒台に入れたDRAGONを追いかけていた三浦愛ながら、ほぼ1時間を経過したところで1分38秒926をマークして逆転。その直後にDRAGONが1分38秒997で肉薄した後、残り8分で1分38秒567を叩き出して再逆転を果たす。
　だが、その直後に三浦愛は1分38秒567を記してトップに立ったばかりか、なおもタイムを縮め続けて最終ラップには1分37秒785を記す。その間にDRAGONも1分38秒181を出していたものの、コンマ4秒の差をつけられてしまう。3番手はCMSの三浦勝で、1分39秒398をマークした。

●午後に躍進の福住仁嶺が総合でもトップタイム

山下健太/PETRONAS TEAM TOM'S

　午後のセッションも、何とかドライコンディションは保たれ、午後1時から1時間に渡って計測された。最初に37秒台に載せた福住は、その後も順調にタイムを伸ばし、トップのまま1分36秒704を記してピットイン。その直後に相次いで35秒台に乗せたのが高星と佐々木で、それぞれ1分35秒787、1分35秒907をマークする。それからしばらくは、ドライバーそれぞれ連続周回を行い、なかなかトップタイムが更新されぬ中、再び緊張状態をまず取り戻してくれたのが山下だった。1時23分に1分35秒701を記録すると、それから3分後に高星と佐々木が、またも相次いで1分35秒257、1分35秒288をマークして上位を独占。さらに次の周に高星は1分35秒204と、タイムを刻んでくる。
　午後1時43分、午後のセッションで最初に34秒台に入れたのは、いち早くニュータイヤを投じていた佐々木だった。タイヤに熱をじっくり入れて、まず1分35秒002を記した後、1分34秒814へと飛び込んでいく。それから間もなく佐々木も含め、ほとんどのドライバーがピットに戻り、アタックモードに入るまで待機することに。残り10分になると、続々とコースインしていき、もちろん装着しているのはニュータイヤ。再びニュータイヤを履いた佐々木がタイム更新できぬ中、まず上回ってきたのは1分34秒704の山下で、次の周には1分34秒634にまで短縮を果たす。だが、ほぼ同時に福住が1分34秒603を記録して逆転、午後のセッションだけでなく金曜専有走行のトップタイムとすることとなった。
　福住、山下に続いたのは、やはりほぼ同時タイミングで自己ベストの1分34秒678を出していた高星。最終アタックのベストは1分34秒882だった佐々木が4番手で、これにキャシディと高橋が続くこととなった。

●午前に続き、午後も三浦愛がF3-Nの首位を譲らず
　F3-Nクラスでは再びDRAGONと三浦愛のシーソーゲームとなるも、午後のセッションでは前半のみ。10分経過してDRAGONが1分39秒531を記すが、間もなく三浦愛が1分39秒255で逆転。15分経過時にDRAGONが1分39秒241を出して再逆転を遂げた後、しばらく競争としては沈黙の時間に入る。だが、26分経過時に三浦が1分38秒036を出してトップに立つと、そこから先はDRAGONが近づくのがやっとという展開に。35分経過段階でDRAGONはようやくタイムを詰めるも、1分38秒599とそれでもコンマ5秒差。
　残り15分からは三浦愛がだめ押しの連発とし、1分37秒854を出した後、さらに1分37秒662を叩き出してチェッカーが振られる前に走行を終了。最後の最後にDRAGONも1分38秒150を出して意地を見せたが、それでもコンマ7秒の差をつけられてしまう。3番手には引き続き三浦勝がつけ、トラブルの解消ならなかった小河は、午後のセッションを走ることができなかった。

ニック・キャシディ/PETRONAS TEAM TOM'S 三浦 愛/EXEDY RACING TEAM	DRAGON/B-Max Racing team 山口大陸/TAIROKU Hanashima Racing
佐々木 大樹/B-Max Racing team with NDDP	三浦 勝/CMS

佐々木 大樹 B-Max Racing team with NDDP	石川京侍/TODA RACING	高橋 翼 /HFDP RACING
ストゥルアン・ムーア/KCMG	アレックス・ヤン KRC Hanashima Racing	三浦 愛/EXEDY RACING TEAM

全日本F3選手権 6/5専有走行総合結果
Pos.	No.	Driver		Team/Car	Type	Engine	Best Time	Lap	Gap		Ave. km/h
1	7	福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'34.603	68			173.639
2	36	山下 健太 Kenta Yamashita		PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	TAZ31	1'34.634	58	0.031	0.031	173.582
3	23	高星 明誠 Mitsunori Takaboshi		B-MAX NDDP F3	Dallara F315	TAZ31	1'34.678	60	0.075	0.044	173.502
4	22	佐々木 大樹 Daiki Sasaki		B-MAX NDDP F3	Dallara F312	TAZ31	1'34.814	63	0.211	0.136	173.253
5	37	ﾆｯｸ･ｷｬｼﾃﾞｨ Nick Cassidy		PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	TAZ31	1'34.820	57	0.217	0.006	173.242
6	8	高橋 翼 Tsubasa Takahashi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'34.988	68	0.385	0.168	172.936
7	19	ｽﾄｩﾙｱﾝ･ﾑｰｱ Struan Moore		KCMG F312	Dallara F312	TAZ31	1'35.681	63	1.078	0.693	171.683
8	28	山口 大陸 Tairoku Yamaguchi		ﾀｲﾛｸ･ﾊﾅｼﾏ28号	Dallara F312	TAZ31	1'35.860	72	1.257	0.179	171.362
9	2	石川 京侍 Keishi Ishikawa		TODA FIGHTEX	Dallara F312	TR-F301	1'36.053	56	1.450	0.193	171.018
10	3	三浦 愛 Ai Miura	N	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	3S-GE	1'37.662	59	3.059	1.609	168.201
11	13	吉田 基良 Motoyoshi Yoshida		RSSwithB-Max312	Dallara F312	TAZ31	1'37.779	52	3.176	0.117	167.999
12	30	DRAGON	N	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	3S-GE	1'37.967	57	3.364	0.188	167.677
13	77	三浦 勝 Masaru Miura	N	ｱﾙﾎﾞﾙｱﾙﾃﾞｱCMS306	Dallara F306 N	3S-GE	1'38.976	60	4.373	1.009	165.968
14	5	ｱﾚｯｸｽ･ﾔﾝ Alex Yang	N	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	3S-GE	1'40.135	67	5.532	1.159	164.047
15	38	小河 諒 Ryo Ogawa	N	KeePer TOM'S F306	Dallara F306 N	3S-GE		1

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全日本F3選手権 6/5専有走行1回目 結果
Pos.	No.	Driver		Team/Car	Type	Engine	Best Time	Lap	Gap		Ave. km/h
1	23	高星 明誠 Mitsunori Takaboshi		B-MAX NDDP F3	Dallara F315	TAZ31	1'34.820	34 / 36			173.242
2	36	山下 健太 Kenta Yamashita		PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	TAZ31	1'34.892	30 / 33	0.072	0.072	173.110
3	7	福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'34.961	37 / 40	0.141	0.069	172.985
4	8	高橋 翼 Tsubasa Takahashi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'35.175	39 / 40	0.355	0.214	172.596
5	22	佐々木 大樹 Daiki Sasaki		B-MAX NDDP F3	Dallara F312	TAZ31	1'35.252	36 / 37	0.432	0.077	172.456
6	37	ﾆｯｸ･ｷｬｼﾃﾞｨ Nick Cassidy		PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	TAZ31	1'35.353	31 / 33	0.533	0.101	172.274
7	2	石川 京侍 Keishi Ishikawa		TODA FIGHTEX	Dallara F312	TR-F301	1'36.053	39 / 41	1.233	0.700	171.018
8	28	山口 大陸 Tairoku Yamaguchi		ﾀｲﾛｸ･ﾊﾅｼﾏ28号	Dallara F312	TAZ31	1'36.398	40 / 43	1.578	0.345	170.406
9	19	ｽﾄｩﾙｱﾝ･ﾑｰｱ Struan Moore		KCMG F312	Dallara F312	TAZ31	1'36.496	31 / 38	1.676	0.098	170.233
10	3	三浦 愛 Ai Miura	N	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	3S-GE	1'37.785	34 / 35	2.965	1.289	167.989
11	13	吉田 基良 Motoyoshi Yoshida		RSSwithB-Max312	Dallara F312	TAZ31	1'37.917	21 / 29	3.097	0.132	167.762
12	30	DRAGON	N	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	3S-GE	1'38.181	31 / 33	3.361	0.264	167.311
13	77	三浦 勝 Masaru Miura	N	ｱﾙﾎﾞﾙｱﾙﾃﾞｱCMS306	Dallara F306 N	3S-GE	1'39.398	30 / 32	4.578	1.217	165.263
14	5	ｱﾚｯｸｽ･ﾔﾝ Alex Yang	N	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	3S-GE	1'40.135	38 / 38	5.315	0.737	164.047
15	38	小河 諒 Ryo Ogawa	N	KeePer TOM'S F306	Dallara F306 N	3S-GE

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全日本F3選手権 6/5専有走行2回目 結果
Pos.	No.	Driver		Team/Car	Type	Engine	Best Time	Lap	Gap		Ave. km/h
1	7	福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'34.603	26 / 28			173.639
2	36	山下 健太 Kenta Yamashita		PETRONAS TOM'S F312	Dallara F312	TAZ31	1'34.634	23 / 25	0.031	0.031	173.582
3	23	高星 明誠 Mitsunori Takaboshi		B-MAX NDDP F3	Dallara F315	TAZ31	1'34.678	22 / 24	0.075	0.044	173.502
4	22	佐々木 大樹 Daiki Sasaki		B-MAX NDDP F3	Dallara F312	TAZ31	1'34.814	18 / 26	0.211	0.136	173.253
5	37	ﾆｯｸ･ｷｬｼﾃﾞｨ Nick Cassidy		PETRONAS TOM'S F314	Dallara F314	TAZ31	1'34.820	22 / 24	0.217	0.006	173.242
6	8	高橋 翼 Tsubasa Takahashi		HFDP RACING F312	Dallara F312	MF204D	1'34.988	27 / 28	0.385	0.168	172.936
7	19	ｽﾄｩﾙｱﾝ･ﾑｰｱ Struan Moore		KCMG F312	Dallara F312	TAZ31	1'35.681	24 / 25	1.078	0.693	171.683
8	28	山口 大陸 Tairoku Yamaguchi		ﾀｲﾛｸ･ﾊﾅｼﾏ28号	Dallara F312	TAZ31	1'35.860	19 / 29	1.257	0.179	171.362
9	2	石川 京侍 Keishi Ishikawa		TODA FIGHTEX	Dallara F312	TR-F301	1'36.613	11 / 15	2.010	0.753	170.027
10	3	三浦 愛 Ai Miura	N	EXEDY RACING F307	Dallara F307 N	3S-GE	1'37.662	21 / 24	3.059	1.049	168.201
11	13	吉田 基良 Motoyoshi Yoshida		RSSwithB-Max312	Dallara F312	TAZ31	1'37.779	22 / 23	3.176	0.117	167.999
12	30	DRAGON	N	B-MaxRacingF308	Dallara F308 N	3S-GE	1'37.967	23 / 24	3.364	0.188	167.677
13	77	三浦 勝 Masaru Miura	N	ｱﾙﾎﾞﾙｱﾙﾃﾞｱCMS306	Dallara F306 N	3S-GE	1'38.976	27 / 28	4.373	1.009	165.968
14	5	ｱﾚｯｸｽ･ﾔﾝ Alex Yang	N	KRC Hanashima Racing	Dallara F306 N	3S-GE	1'40.163	25 / 29	5.560	1.187	164.001

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