スリッピーなコンディションで好機を活かした高星が連勝!
F3-Nは廣田が安定したレース運びで2勝目
|
高星明誠/B-MAX NDDP F3 |
|
全日本F3選手権第8戦のスタートシーン |
第8戦の決勝日となった6月12日(日)、鈴鹿サーキットは朝から曇天となった。天気予報では夕刻から雨だったが、少々早く午前中から細かい雨が降り、西コースを中心に路面はほんのりと濡れている“ダンプコンディション”と呼ばれる状況。午後1時15分からのグリッドへの試走時には、三浦愛(EXEDY B-Max F312)がウエットタイヤを装着してコースイン。しかし、すぐにスリックへ交換しグリッドに着いた。
そんなグリッドへの試走時、波乱が起きる。2番グリッドだった坪井翔(ZENT TOM'S F314)のエンジンが、燃料ポンプの不調のようで思うようにかからない。ピットでTEAM TOM'Sのスタッフが懸命の作業を試みるものの、修復はならず。坪井はマシンを降り無念のリタイア。これで全車がスリックタイヤを装着したグリッドは、最前列に空きができてしまった。
迎えたスタートでは、ポールポジションの山下健太(ZENT TOM'S F312)がうまく飛び出し、空いた2番手グリッド側へ好スタートを決めた高星明誠(B-MAX NDDP F3)、そして3番手スタートの千代勝正(B-MAX NDDP F3)と続いていく。4番手スタートのヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)は、わずかにスタートに遅れてしまった。
■ライバルのミスを見逃さず高星が首位に浮上
|
高星明誠/B-MAX NDDP F3 |
1周目、2番手を争うB-MAX Racing team with NDDP勢は、130Rで「濡れたスプーンを慎重にいきすぎてしまった」という高星を千代がオーバーテイク。千代、高星、マーデンボローというオーダーに変化する。前日の第7戦同様、スタートから逃げを打ちたい山下だったが、千代を先頭とした3台がコンマ5秒程度の間隔でピタリとマーク。この日も東コース側ではわずかに山下が速いものの、B-MAX Racing team with NDDP勢が西コースでジリジリと差をつめていく、ひりつくような展開となっていった。
上位陣に動きが出はじめたのは9周目。2番手を走っていた千代がヘアピンでやや遅れ、首位山下とのギャップがわずかに開くが、そのタイミングで千代の後方で「ずっとチャンスをうかがっていた」高星が一気に千代との間隔を縮めると、130Rで一気に千代をオーバーテイク! 千代はさらに11周目のストレートで、マーデンボローにも先行を許した。
千代をかわし勢いに乗る高星は、さらに11周目、「デグナーふたつめでミスをしてしまった」首位の山下に一気に近づいていくと、12周目の1コーナーで山下をオーバーテイク! これでオーダーは高星、山下、マーデンボロー、千代という展開となっていく。
これ以上のポジションダウンは避けたい山下の背後には、第7戦で接触したマーデンボローが近づいてくる。12周目の日立オートモティブシステムズシケインでは、第7戦とは逆にアウトからマーデンボローが山下に並びかけるが、両者冷静に接触なくバトルを展開した。
|
石川京侍(TODA FIGHTEX) |
ファイナルラップ、ふたたび首位高星、山下とマーデンボローの間隔が縮まり、マーデンボローがまたもアウトから山下に接近するものの、順位は変わらず。高星がトップでチェッカーを受け優勝。山下が2位、マーデンボローが3位という結果となった。
4位はややトップ3から離されることとなった千代。5番手争いはTODA RACINGの2台とHFDP RACINGの2台による争いとなったが、集団から抜けだした石川京侍(TODA FIGHTEX)が5位。阪口晴南(HFDP RACING F312)を抑えきった牧野任祐(TODA FIGHTEX)が6位となった。
■オープニングラップを制した廣田が逃げ切り連勝
|
廣田築/アルビレックスF306TLM |
F3-Nは、オープニングラップから第7戦ウイナーの廣田築(アルビレックスF306TLM)がリードを奪い、片山義章(Petit LM Racing)、DRAGON(B-Max Racing team F306)と続く展開となる。しかし、片山は4周目にポジションを上げてきた岡崎善衛(Glocal アルビTLM)の先行を許すと、5周目にはDRAGONにもかわされてしまう。
これで廣田、岡崎、DRAGONというオーダーとなるが、岡崎は終盤ポジションダウン。これでDRAGONが2番手に浮上し、16周目にはふたたび片山が岡崎をパス。一方、2番手争いのバトルを後目に盤石の走りをみせた廣田は、17周をきっちりと走りきり、高々とガッツポーズをみせ鈴鹿ラウンド2連勝を飾った。2位はDRAGON、3位は片山という結果となっている。
リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ
|
|
全日本F3選手権第8戦 表彰台 |
全日本F3選手権第8戦 F3-N表彰台 |
|
|
|
千代勝正とマーデンボローの攻防 |
山下とマーデンボローの攻防 |
阪口晴南/HFDP RACING F312 |
|
|
|
牧野任祐/TODA FIGHTEX |
表彰台での山下とマーデンボロー |
岡崎善衛/Glocal アルビTLM |
|
|
|
F3-Nの中盤の攻防 |
山口大陸/タイロクレーシング28号 |
高星明誠/B-MAX NDDP F3 |
リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ