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逆転タイトルを狙う山下が専有走行トップタイム
F3-NはDRAGONが最速。片山が続く
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山下健太/ZENT TOM'S F312 |
全日本F3選手権も、いよいよ2016年シーズンの最終ラウンドとなるスポーツランドSUGOでの週末を迎えた。このラウンドには久保田克昭(Planex Hanashima F3)がスポット参戦。SUPER GTでの負傷も癒えた千代勝正(B-MAX NDDP F3)が復帰。今季最多の17台が揃った。
この週末は第15戦/第16戦/第17戦と3レースが行われることもあり、週末に向けて専有走行は重要な意味をもつが、迎えた9月22日(木)午後2時からの専有走行1回目は、開始1時間ほど前に雨が降り出し、あいにくのウエットコンディションとなってしまった。
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坪井翔/ZENT TOM'S F314 |
序盤から濡れた路面でコースアウトが多く見られるが、その後も雨量が強くなり、開始から25分というところで、4コーナーでDRAGON(B-Max Racing F306)がコースアウト、また廣田築(アルビレックスF306TLM)もクラッシュしたため赤旗が提示される。
走行は午後2時35分に再開。その後も雨脚はずっと強いままで、午後3時40分ごろには、DRAGONが3コーナーでコースアウト。このセッション2回目の赤旗となった。
午後3時50分過ぎ、今度は最終コーナーで牧野任祐(TODA FIGHTEX)がクラッシュ。そのため、このセッション3回目の赤旗が提示されるが、雨量が多いこともあり、そのまま専有走行は1時間を残して終了となってしまった。
最終的に木曜の専有走行は、序盤コース上の水量が少なかった段階でマークされたものがベストタイムとなり、坪井翔(ZENT TOM'S F314)が1分30秒067でトップタイムとなった。2番手は大津弘樹(HFDP RACING F312)、3番手は阪口晴南(HFDP RACING F312)となった。
■金曜走行はドライコンディションに
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ヤン・マーデンボロー/B-MAX NDDP F3 |
明けた9月23日(金)のスポーツランドSUGOは、朝方こそ雨が残っていたものの、全日本F3の専有走行2回目がスタートする午前11時20分の段階では曇り空となっており、コース上はウエットパッチが残っていたものの、スリックタイヤでの走行が可能となった。
ラップタイムも1分20秒前後から一気に1分15秒程度まで上がり、各陣営前日にこなせなかったドライでのセットを進めていく。ただ、そんななか午前11時45分ごろ、3コーナーで石川京侍(TODA FIGHTEX)がスピンオフ。なんとかふたたびコースに復帰することができたが、サンスペンションにダメージを受けておりS字立ち上がりでストップ、このセッション唯一の赤旗となった。
その後は各車積極的に走り込みを行い、セッション終盤には、9月24日(土)の予選に向けたアタックシミュレーションを多くのドライバーが実施した。ここでタイムを上げたのは、木曜もトップタイムをマークし、「この週末はチャンピオンの可能性もありますが、まずは勝つこと」という坪井が最速タイムをマーク。1分13秒809までタイムを縮めてみせた。
2番手につけたのはランキング首位のヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)。3番手には山下、そして4番手には千代と、TEAM TOM'S勢とB-MAX Racing team with NDDO勢が上位にひしめく展開となった。F3-Nは、タイトルに王手をかけている片山が首位に。ランキング2位のDRAGON(B-Max Racing F306)が2番手、植田正幸(Rn-sports F308)が3番手という結果となった。
■午後は赤旗多数。山下がトップタイムをマーク
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千代勝正/B-MAX NDDP F3 |
午前の走行の後、スーパーフォーミュラの専有走行をはさみ午後3時17分からスタートした午後の専有走行。SFの走行中にかなり雲が厚くなり、雨が降りそうな気配も漂ったが、幸いドライのままセッションが進行していった。ただ、開始直後の午後3時23分、最終コーナー進入で久保田がクラッシュしたため、赤旗中断となってしまった。
再開後、早々に1分13秒台に入れていったのはTEAM TOM'S勢。坪井が1分13秒808、山下が1分13秒998というタイムをマークする。それに続いたのはマーデンボローだが、なかなか13秒台には入れられずにいた。
そんななか、午後3時10分過ぎにイェ・ホンリー(KRC with B-Max F315)が3コーナーアウト側にコースアウトし、バリアにクラッシュしてしまう。そのためこのセッション2回目の赤旗に。さらに、午後4時34分にはイェ・ホンリーと同じ場所で三浦愛(EXEDY B-Max F312)がクラッシュ。このセッション3回目の赤旗が提示される。三度の赤旗もあり、セッションは5分間延長されることになった。
再開後、かなり暗くなったなかでふたたびアタックシミュレーションが展開されていくが、そのなかで1分13秒461までタイムを縮め、ベストタイムを奪ったのは山下。坪井も1分13秒599までタイムを縮めたが、山下にはわずかに及ばず。とはいえ、TEAM TOM'Sがワン・ツーで金曜専有走行を終えた。
■タイトルをつかむのは誰だ!?
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片山義章/Petit LM Racing |
「木曜から坪井選手が速かったのですが、最終的に僕が少し速く走ることができたので、良かったです。ただ、昨年も金曜までトップタイムだったのに土曜にコースアウトしてしまったので、予選もしっかり集中していきたいです」と語るのは山下。
一方、2番手の坪井は「昨日も今日の午前も速かったです。ただ、最後ニュータイヤを履くときに試したことがうまくいかなかった部分はありますが、クルマはすごくいいです。今週末はずっとトップ争いできていますし、明日の予選がカギになるでしょうね」と初勝利に向け虎視眈々の様子だ。
ランキング首位のマーデンボローは3番手。チームメイトの千代が4番手という結果となった。5番手には牧野任祐(TODA FIGHTEX)がつけ、6番手には大津が続いた。F3-Nでは、DRAGONが1分17秒360をマークしこの日の最速に。片山は2番手で走行を終えた。廣田築(アルビレックスF306TLM)が3番手につけている。
「F3では初めてのSUGOなのですが、まだいいコーナーと悪いコーナーがある状態です」というのは片山。
「専有走行でかなりリズムが取れるようになってきました。予選が大事になると思いますが、早くタイトルを決めたいとも思っています。レースも楽しみですが、リスクがあるコースなので、リスクを楽しみつつ、安全にいきたいですね」
タイトル争いにとっても重要な予選は、9月24日(土)の午前10時20分に第15戦の予選がスタートする。泣いても笑っても最終ラウンド。栄冠を手にするのはいったいどのドライバーになるだろうか……!?
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牧野任祐/TODA FIGHTEX |
阪口晴南/HFDP RACING F312 |
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山口大陸/タイロクレーシング28号 |
久保田克昭/Planex Hanashima F3 |
コースオフを喫した石川京侍 |
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三浦 愛/EXEDY B-Max Racing F312 |
植田正幸/Rn-sports F308 |
イェ・ホンリー/KRC with B-Max F315 |
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大津弘樹/HFDP RACING F312 |
DRAGON/B-Max Racing F306 |
廣田築/アルビレックスF306TLM |
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