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専有走行レポート 第15/16戦
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勝って決めた! 山下が3連勝で2016年王者に
F3-NはDRAGON連勝でB-MAXがワン・ツー

全日本F3第17戦を制し、チャンピオンを獲得した山下健太

 午前8時20分にフォーメーションラップのスタートが切られた第16戦からわずか5時間ほど。午後1時30分、全日本F3選手権の2016年最後のレース、第17戦の決勝のときを迎えた。スポーツランドSUGOの天候は晴天。午前に比べ気温も上昇しており、第16戦とは異なる展開も予想された。

 第17戦は、第16戦の決勝順位がそのままグリッドとして採用される。第16戦で優勝した山下健太(ZENT TOM'S F312)がポールポジション、1ポイント差のランキング2位につけるヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が予選2番手、3番手に坪井翔(ZENT TOM'S F314)がつけるグリッドだ。

 ひりつくような緊張感が漂うグリッドへの試走では、シーズン序盤、試走の周回を少なくしていたマーデンボローが、最後までスタート練習を繰り返していたのが印象的だった。すでに第15戦で濡れていた路面も、完全にドライになっていた。

■スタートを制した山下が逃げ切り

全日本F3第17戦のスタートシーン

 大注目のスタートでは、直後山下が「ちょっとマーデンボロー選手の方がスタートが良くて、マーデンボロー選手を牽制しイン側に」マシンを振ったが、逆にマーデンボローはアウト側にラインをとるものの、イン側をおさえていた山下が1コーナーを制し、トップでオープニングラップを終えた。2番手にはマーデンボロー、3番手には坪井翔(ZENT TOM'S F314)と続いていく。

 山下は得意とする序盤の逃げ切りを図りたいところだったが、3周目の4コーナーで、F3-Nの片山義章(Petit LM Racing)がコースアウト。グラベルにストップしてしまったため、セーフティカーが導入される。これで山下とマーデンボローの差は一気にゼロになる。

 しかし「昨日もうまくいっていたので、今日もうまくいくと思った」という山下は6周目のリスタートを完璧に決めると、リスタート時だけで0.820秒のマージンを築いてみせる。その後上位陣は1秒前後の等間隔での戦いが展開されていくが、レース終盤の展開がどうなるのか注目が集まった。

ヤン・マーデンボローと坪井翔の2番手争い

 そんななか山下は、「チームは素晴らしいクルマを作ってくれたけれど、TEAM TOM'Sとの差を詰めきれなかった」というマーデンボローとの差をジワジワと広げていく。逆に、マーデンボローは終盤坪井に迫られ、山下追撃はならず。山下は最後まで集中力を切らさず、マーデンボローに対して2.943秒の差をつけチェッカー! このSUGOラウンドで3連勝を飾り、大逆転で2016年のシリーズチャンピオンを決めてみせた。

 マーデンボローは最後は坪井に0.306秒差にまで迫られたが、2位を死守し今シーズンを終えた。レースを終えた後、マーデンボローは自ら山下に歩み寄り、ふたりは固い握手を交わした。

 4位には第16戦と同じく石川京侍(TODA FIGHTEX)が入り、阪口晴南(HFDP RACING F312)が5位。4台による接近戦を制した大津弘樹(HFDP RACING F312)が6位となった。

DRAGON/B-Max Racing F306

■F3-NはB-MAXが嬉しいワン・ツー

 F3-Nは、第16戦で勝利を飾りポールポジションを獲得したDRAGON(B-Max Racing F306)がトップで1周目を終え、片山が2番手に続く。しかし、2周目に片山は混戦のなかで、SPアウトコーナー立ち上がりでコースオフしてフロントウイングを失ってしまう。翌周、この手負いの状態で4コーナーでフロントのグリップを失ってスピンアウト、リタイアとなってしまった。

 これでF3-NはDRAGONが首位、2番手に植田正幸(Rn-sports F308)がつけるが、リスタート後廣田築(アルビレックスF306TLM)が植田をパス。2番手に浮上しDRAGONを追ったが、13周目に廣田に対してジャンプスタートによるドライブスルーペナルティが科されてしまった。

 廣田の後退により、2位にはふたたび植田が浮上。DRAGON、植田という順位でチェッカーを受け、DRAGONは連勝、そしてB-MAX RACING TEAMは嬉しいワン・ツーフィニッシュを飾る結果となった。3位にはアレックス・ヤン(ALEX YANG Hanashima F3)が入っている。

リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ

全日本F3第17戦 表彰台 全日本F3第17戦 F3-N表彰台
クラッシュした片山義章 セーフティカーランの様子 3位となった坪井と4位の石川
大津弘樹/HFDP RACING F312 植田正幸/Rn-sports F306 両手でガッツポーズをみせる山下
阪口晴南/HFDP RACING F312 チェッカーを受けるDRAGON 三浦愛/EXEDY B-Max F312


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