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坪井が今季9勝目を飾るも1ポイントに泣く
高星明誠が2017年チャンピオンを決める

全日本F3選手権第19戦を制した坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)

 2日間の専有走行を終え、全日本F3選手権は第19戦/第20戦の公式予選、そして第19戦の決勝レースが行われる9月23日(土)を迎えた。ただ、専有走行を終えた後、22日の晩にスポーツランドSUGOは雨が降り、迎えた23日の朝はウエットコンディションに。直前のスーパーフォーミュラのフリー走行で路面はライン上のみドライに転じたものの、路面の状況が前日から変わることが予想された。

 迎えた午前10時15分の公式予選は、30分のセッション。まずは各車が一度タイムを出しピットに戻るが、この時点で1分13秒236をマークしたのは大津弘樹(TODA FIGHTEX)。次いで宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)、そして坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)、高星明誠(B-MAX NDDP F3)と続いていた。

全日本F3選手権第19戦のスタートシーン

 チェッカーまで残り9分近くとなったところで各車がふたたびコースインするが、直後にSYUJI(B-Max Racing F306)がS字カーブ立ち上がりでストップ。赤旗が提示されてしまう。予選は残り3分で再開され、ふたたびアタックが展開されるものの、計測2周のうちにアタックをせざるを得ない状況となった。

 このなかで1分12秒588までタイムを伸ばし、見事自身初のポールポジションを獲得したのは大津。宮田が続き、タイトルを争う坪井が3番手、高星が4番手という結果に。F3-Nでは、長谷川綾哉(Alb新潟第一ホテルSugar)がポール。久保田克昭(Planex スマカメ・F308)、アレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)と続いた。

■トップ大津がまさかのクラッシュ

大津弘樹(TODA FIGHTEX)

 公式予選から約4時間のインターバルを経て、迎えた第19戦の決勝レース。曇天模様は午前から変わらないものの、コースは完全にドライに。迎えたスタートでは、ポールシッターの大津が1コーナーを制するものの、2番手スタートの宮田はやや遅れ、3番手発進の坪井が2番手へ。宮田、そしてアウト側から高星をかわした阪口晴南(HFDP RACING F316)が4番手につける。高星は5番手でオープニングラップを終えた。

 自身の初勝利に向け逃げたい大津だったが、序盤からピタリと坪井が背後へ。5周目以降、コンマ5秒差程度のギャップで攻防戦を展開する。また、宮田、阪口も1秒以内のギャップで続いていた。

 10周目を過ぎるころになると、ラップダウンも出はじめ、坪井はさらに大津とのギャップを詰めていく。すると、11周目のSPインコーナーでやや姿勢を乱した大津は、SPアウトへのアプローチでコースオフ。コースには戻ったものの、ふたたび姿勢を乱しスピンアウト。スポンジバリアに激しくクラッシュしてしまった。

■ファイナルラップに1ポイントをかけたドラマ

宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)

 これで首位には坪井が立ち、宮田、阪口、高星と続く展開となるが、大津のクラッシュによりスポンジバリアがダメージを受けたため、セーフティカーが導入される。この時点で残りは7周。そしてファステストラップは阪口がマークしていた。坪井は逆転タイトルに望みを繋ぐためには、勝利だけでなくファステストの1ポイントも必要となった。

 レースは15周目にリスタートとなるが、当然坪井はファステストラップを獲りにいく。17周目、坪井は1分17秒273をマーク。これでファステストを阪口から奪うことに成功する。「これで獲れたと思った」という坪井はそのままファイナルラップに突入。そしてそのままチェッカーを受け、今季9勝目を7連勝で飾ってみせた。

2017年王座を獲得した高星明誠(B-MAX NDDP F3)

 しかし、チェッカーを受けた坪井の背後で、「今日は予選2番手と勝てる位置にいながら、スタートで前に出ることができませんでした。今年まだファステストラップを獲れていなかったですし、獲りたかった」という宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)が1分13秒180というファステストをマーク! そのまま2位でチェッカー。さらに阪口が今季最上位の3位に入った。

 この結果、坪井はファステストの1ポイントを加算することができず、10点を加算し133ポイントに。一方、4位入賞となった高星は3ポイントを加え145ポイントとし、この結果高星の2017年ドライバーズチャンピオンが確定した。5位はアレックス・パロウ(THREEBOND)、6位は片山義章(OIRC F315)という結果となった。

■F3-Nは「SUGOに照準を定めていた」長谷川が勝利

 F3-Nは、スタートで久保田がリードを奪い、長谷川、植田、ヤンと続く序盤戦となる。しかし、5周を過ぎる頃になると、「前戦休んで、今回のSUGOラウンドに照準を定めていました」という長谷川が好ペースで久保田との差を詰めると、7周目の1コーナーでトップを奪う。

 そのまま長谷川は久保田との差を築いたままトップでチェッカー。第7戦富士以来となる今季2勝目を飾った。「途中で足がつってしまっていて、気づいたらセーフティカーが出ていた」という久保田が粘りの走りで2位に。植田が3位でフィニッシュした。なお、長谷川が今季2勝目を飾ったこともあり、まだ植田のF3-Nランキング2位は確定していない。

リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ

全日本F3第19戦 表彰台 全日本F3第19戦 F3-N表彰台 リタイアを喫した大津弘樹(TODA FIGHTEX)
セーフティカーランの様子 植田正幸(Rn 山下製作所 F308) アレックス・パロウ(THREEBOND)
久保田克昭(Planex スマカメ・F308) 高星明誠(B-MAX NDDP F3) ブルーノ・カルネイロ(AlbirexRT-WILSON)


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