フェネストラズ&宮田がまさかのノーポイント
エナム・アーメドが今季初優勝という結果に
全日本F3選手権 第11戦のスタート進行が始まる頃からポツポツと雨が降り始めた富士スピードウェイ。だが、路面が完全にウェットとなることはなく、全車がスリックタイヤを装着してスタート。序盤からセーフティカー(SC)が導入される荒れた展開の中、トップチェッカーを受けたのはポールポジション(PP)スタートの宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)だったが、レース後車両違反があったとして失格に。代わってファステストラップを記録し2番手でチェッカーを受けていたエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)が、繰り上がって初優勝。2位に大津弘樹(ThreeBond F318)が入り、3位には大湯都史樹(TODA FIGHTEX)となった。
一方、終盤までレースをリードしたポイントリーダーのサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)はSC後のリスタート違反によるドライブスルーペナルティーを科せられ、8位に終わっている。
■予選で速さを見せた宮田がトップチェッカーも……
シャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)と山口大陸(タイロクレーシング28号)が欠場し、12台で争われることとなった第5大会。ドライコンディションのもと午前8時25分から30分間の予選が行なわれた。この予選で1分33秒507をマークしてPPを獲得したのは宮田。これにコンマ3秒差でフェネストラズが続き、以下、小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)、大津、アーメド、河野駿佑(RS FINE K&N F318)、片山義章(YTB by Carlin)と続いた。
その予選から約5時間のインターバルを経て、第11戦のフォーメーションラップがスタートしたのは午後1時45分。この頃には空から雨粒が落ち始めた。このフォーメーションラップ中にはアメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark F3)がスピンしたものの、コースに復帰。元の位置へと戻った。
全車が正規グリッドにつきスタートが切られると、まずまずの動き出しを見せたのはPPの宮田。2番手のフェネストラズは宮田以上の加速を見せて2台は並走。コカ・コーラコーナーの入り口でフェネストラズが宮田のインを狙うが、宮田はアウトから被せてポジションを守った。その後方では小高、大津、アーメドも激しい争いを展開。アーメドが1コーナーでコースオフするシーンもあったが、オープニングラップには大津とアーメドが小高の前に出ることに成功した。またダンロップコーナーでは河野が小高を攻略しようとしたが、立ち上がりで接触がありコースアウト、芝に足を取られてハーフスピンする場面もあった。後方では2コーナーを立ち上がったところでDRAGON(TEAM DRAGON F3)が三浦愛(ThreeBond F314)と接触し、三浦がスピンしクラッシュ。これによりSCが導入された。
三浦のマシン回収が終わり、レースがリスタートしたのは4周終了時。その先の1コーナーで宮田とフェネストラズ、さらにアウトから並びかけた大津が3ワイドに。大津が真っ先に1コーナーに飛び込んでいくが止まり切れずにコースアウト、一番インから入っていったフェネストラズが宮田の前に出た。そこからフェネストラズは2番手の宮田との差を必死で広げていく。一方、1コーナーでコースオフした大津はアーメドにもかわされ4番手に後退。その大津の後ろには8番手から追い上げてきた大湯都史樹(TODA FIGHTEX)が迫り、最終コーナーで逆転。次の1コーナーでは大津が大湯攻略を狙ったが、大湯は軽くコースオフしながらもポジションを守った。6周目にはダンロップコーナーのブレーキングで片山が小高をオーバーテイクして6番手に浮上。7周目の1コーナーから最終コーナーにかけて8番手のベイディアナサンを河野が攻め立て、前に出ることに成功した。しかし、翌8周目の1コーナーでベイディアナサンが再びポジションを取り返す。その直前には片山がブレーキングでコースアウトし、逆にポジションを落とす場面もあった。
15周のレースが折り返すと、リスタート後のバトルも一段落。フェネストラズ、宮田、アーメドはそれぞれ2秒余りの差での走行となる。アーメドの後方には大湯と大津が近づいてきたが、すぐにポジションが入れ替わる状況ではなかった。
■アーメド、大津が第2大会以来の表彰台に
この頃になると、コントロールタワーから次々とペナルティーが提示される。まずスタート直後の三浦との接触が危険行為と判定され、DRAGONには30秒のピットストップペナルティーが科せられた。さらに11周目にはベイディアナサンにスタート手順違反、さらに12周目にはトップを快走するフェネストラズにSCリスタート違反によるドライブスルーペナルティーが科せられ、それぞれがペナルティー消化のためピットへと戻った。
これにより宮田がトップのポジションを取り戻し、アーメドが2番手に浮上した。その後方では、大湯と大津が再び接近。14周目の1コーナーから2台は並びかけたが、コカ・コーラコーナーで大津が再び大湯の前に出ることに成功した。
その後は大きなポジションの入れ替わりがなく、結果的に宮田がトップチェッカーを受け、アーメド、大津が続いたものの、宮田の車両違反があったことで失格に。このためアーメド、大津、大湯、小高、片山、河野までがポイントを獲得した。この結果、ポイントランキング1-2のフェネストラズと宮田がまさかのノーポイントに。また、ベイディアナサンはSC後のリスタートでも違反があり、レース結果に30秒加算のペナルティーがさらに科せられることとなった。今回、1台のみの参加となったマスタークラスでは30秒ストップのペナルティーがあったものの、レース後に当該ペナルティーが取り消しとなったDRAGONが優勝を果たしている。
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- 片山 義章(OIRC team YTB)
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- 三浦 愛(THREEBOND RACING)
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- DRAGON(B-Max Racing with motopark)
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- 河野 駿佑(RS FINE)
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- 宮田 莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)
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- 小高 一斗(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)
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- アメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)
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- エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark)
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