●全日本F3選手権 第10戦 決勝
ポイントリーダー強し! Cで安田、Nで野尻が優勝
決勝スタートの約2時間前、S耐の予選で降り出した激しい雨。午後3時40分からスタート進行が始まった第10戦決勝を前には、雨こそ止んでいたが路面はまだかなり濡れている状態に。このため、グリッド上では前戦もてぎのようにタイヤ選択が分かれることに。
Cクラスではこれが5戦連続のポールスタートとなる関口雄飛を始め、山内英輝、安田裕信、リチャード・ブラッドレー、蒲生尚弥のトップ5台はスリックを選択。しかし、今大会から西本直樹に代わってシートを得たマシュー・ホーソンは7番グリッドからのスタートとあってウエットタイヤをチョイス 。
また、Nクラスでは野尻智紀、ギャリー・トンプソン、中山雄一のトップ3台はスリックながら、4〜6番手スタートの佐々木大樹、千代勝正、三浦和樹はウエットタイヤを選ぶこととなった。 迎えたスタートでは、関口、山内は好スタートも、ショートギヤを組んでいた安田はホイールスピンで大きく出遅れてしまう。
1コーナーは大きな混乱なくクリアした集団だが、2コーナーで安田に並びかけようとしたホーソンがコースオフを喫し最後尾にドロップ。さらに2コーナー立ち上がりではブラッドレーがスピンしクラッシュしてしまう。
このため、なんと1周目にしてセーフティーカーが導入されるが、ここでのオーダーは関口、山内、蒲生、安田、野尻、千代、佐々木、三浦、中山、ホーソン。早々にNクラスのウエットタイヤ勢がポジションを上げる。
リスタートは3周終了時。この周のヘアピンで蒲生が山内に襲い掛かり、2台は並走する形で立ち上がりかけたが、ここで2台は接触。山内はスピンしコースアウト、再スタートが出来ずリタイアとなってしまう
。
これで4周目には蒲生、安田が2〜3番手となるが、ペースの上がらない関口に蒲生が迫り、その背後で虎視眈々と安田が状況を見守る三つ巴の戦いに。蒲生の猛追はその勢いを増し、ついに6周目のアトウッド立ち上がりで関口を捕らえ、ついにトップ浮上。さらにダブルヘアピンひとつ目の進入で安田が関口をパス、2番手に。
この攻防の背後にはNクラストップの野尻がつけ、徐々に路面が乾き始める中、ペースの鈍った千代はスリックに履き替えるためピットイン。代わって佐々木がクラス2番手に浮上も、三浦、さらにホーソンを挟んで中山、トンプソンが一塊になって周回を重ねる展開に。
ファステストラップをマークしながら独走態勢に持ち込もうとする蒲生は、安田、関口をじりじりと引き離していく理想的な展開。しかし、このまま蒲生の2勝目かと思われた12周目のダブルヘアピンひとつ目で蒲生はオーバーランを喫し、安田との差が一気に1秒7に縮まる。すると、追い打ちを賭けるように14周目には蒲生に対し、山内との接触に関して10秒のペナルティーストップが科せられ手しまい万事休す。
これで2番手安田が事実上のトップとなるが、蒲生がペナルティーの提示に気づくのが遅れ、ピットインは16周終了時。ここまでの2周で蒲生に前を抑えられた安田の背後には、乾いて来た路面で息を吹き返した関口が肉薄。 ポイントランキング1位vs2位の攻防となったが、最終ラップにファステストラップを更新するなど、うまく逃げ切りを果たした安田が今季4勝目を獲得。関口は3連勝を逃し2位。3位には蒲生。ホーソンが初戦にして4位となった。
一方Nクラスでは野尻が中盤以降独走。終盤もつれるようにバトルを続けながらウエットタイヤ勢をかわし、Nクラスの2〜3番手に浮上した中山とトンプソンに若干間合いを詰められた野尻だったが、ファステストラップも獲得し、ポール・トゥ・ウイン。久々の完全勝利をマーク。2位には中山、3位にはトンプソン。レインタイヤのまま走り続けた佐々木が4位、同じく三浦が5位。周回遅れとなったものの、終盤ファステストラップを争う好走を見せた千代は6位でフィニッシュしている。
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