●全日本F3選手権 第15戦 決勝
●関口が5勝目をマークも、安田不運なスピンで明暗。
Cクラスは 6ポイント差に Nクラスでは佐々木大樹が悲願の初優勝!
土曜の公式予選によって決した第15戦のグリッドは、フロントロウに関口雄飛と山内英輝が並び、16ポイント差と前日僅かながらリードを広げたポイントリーダー・安田裕信が3番手。これにリチャード・ブラッドレー、Nクラスのポールシッター野尻智紀、Cクラスのマシュー・ホーソンを間において、野尻に1ポイント差と肉薄した中山雄一、同じく8ポイント差の千代勝正、佐々木大樹、ギャリー・トンプソン、小泉洋史、野呂立、クラッシュのため予選アタック出来なかった蒲生尚弥、三浦和樹が続く結果となった。
気温17℃、路面温度21℃という肌寒いコンディションとなった日曜の午前8時半、第15戦決勝のフォーメイションラップがスタート。1周の後、いよいよ午後8時33分にレッドシグナルがブラックアウトした。
アウト側のポールポジションからスタートした関口は、まずまずの動きだしでトップのまま1コーナーへ進入も、クラッチの不調もあり動きだしの鈍かった山内は遅れ、代わって安田が2番手に浮上する。
ところが、2コーナー付近で安田に山内が追突してしまい、安田はスピンアウトを喫してしまう。このアクシデントを避けようと、後続がブレーキを踏む中で、ホーソンの背後でNクラスのトップを争っていた中山がホーソンのリヤに乗り上げてクラッシュ。中山のアウト側にいた野尻は行き場を失ってコースオフを強いられるアクシデントが発生する。
1周目を終え、上位は関口、山内、ブラッドレー、蒲生、さらにNクラストップに躍り出た佐々木、千代、トンプソン、三浦、小泉、野呂と続き、その後にコース復帰した野尻、安田が最後尾から追いかけるという予期せぬ展開。ホーソンはピットに戻ってリタイア、中山はピットでフロントウイングを修復しレースに戻るも、結局3周リタイアの憂き目に。
トップ関口は3周目に1分15秒376でファステストラップを獲得すると、山内に2秒以上の接近を許さずレースをコントロール。しかし、こうした展開の中、13周目には2番手山内に対し、安田に追突したアクシデントに関してドライブスルーペナルティーが科せられることに。これを受けて15周目に山内がピットインすると、代わってブラッドレー、蒲生が2〜3番手に浮上し、山内は4番手に後退する。
結局関口は独走状態のままトップフィニッシュ。ブラッドレー、蒲生のトムス勢が2〜3位を得て、山内は4位。総合7番手まで追い上げるも、安田はクラス5位に終わり、フルポイントの12ポイントを加算した関口が最終戦を残し、トップ安田に6ポイント差に迫ることとなった。
一方、Nクラスではスタート直後にトップに立った佐々木が序盤に2秒近いギャップを築くも、背後から千代が徐々に間合いを詰め始める。9周目以降は1秒を切り、コンマ5秒前後に迫った千代はだったが、佐々木は冷静にこれに対処。3番手トンプソン以下を引き離し、チームメイト同士のマッチレースの様相となるが、順位は最後まで入れ替わることは無く、佐々木が念願のF3初優勝をマーク。千代は2番手でチェッカー。13周目にハイポイントコーナーでコースアウトを喫しリタイアとなったトンプソンに代わり、3位に入ったのは野尻。チームメイトの三浦をかわして表彰台を獲得した上、ファステストラップを手中に納めた野尻は、アクシデントでの傷を最小限にとどめることに成功。千代、中山に対し8ポイントのリードを持って第16戦に臨むこととなった。