●全日本F3選手権 第16戦 決勝
●最終戦で劇的な大逆転!
Cクラスでは関口、Nクラスで千代が 2011年のチャンピオンを獲得
第14戦の決勝中のベストラップで決まった今季最終戦のグリッド。そのポールポジションには関口雄飛がつき、山内英輝、蒲生尚弥と続き、ポイントリーダーの安田裕信は4番手。リチャード・ブラッドレー、Nクラスポールシッターの佐々木大樹、Cクラスのマシュー・ホーソン、さらにNクラスポイントリーダーの野尻智紀はクラス2番手スタート。ギャリー・トンプソンがスターター周りのトラブルでピットスタートとなったため、千代勝正、三浦和樹、中山雄一、小泉洋史、野呂立が事実上ひとつ順位が繰り上がって、午後零時38分、スタートの時を迎えた。
第15戦よりも加速は今ひとつながら、好スタートの山内を牽制しながら関口はトップを死守。アウトから山内をかわした蒲生が2番手に浮上するが、このレースで関口がファステストを獲って優勝してしまうと2位に入らなければ王座獲得の夢が消える安田は、3台に行く手を阻まれてポジションアップは果たせず、ブラッドレーを従えた4番手のまま1〜2コーナーをクリアすることに。
トップに立った関口は、2周目、3周目とプッシュしてファステストラップを奪いに行くが、4周目、5周目にタイムアップし1分16秒048をマークした2番手蒲生のペースがこれを上回り、ファステストは蒲生の手に。
勢いに勝る蒲生は関口にコンマ数秒差に迫るが、トップを明け渡せば安田が4位であっても逆転タイトルの野望が消える関口も隙を見せず、序盤から拮抗した攻防が続く。
一方4番手を行く安田は、レース中盤になんとか山内を捕らえ、自力タイトル奪取を目指して3位に浮上するべく猛プッシュ。16周目にはコンマ2秒差とテール・トゥ・ノーズにまで持ち込むが、山内も巧みにポジションを守り、こちらも順位はなかなか入れ替わらない。
結局拮抗した状況はチェッカーまで続いたものの、関口が蒲生の追撃を振り切ってトップでチェッカー。安田は山内攻略を果たせず4位に終わり、この瞬間関口100ポイント、安田99ポイントとなり、最終戦で僅か1ポイント差で関口が逆転王座を獲得することとなった。5〜6位にはブラッドレー、ホーソンが続いた。
一方、同じくタイトル争いがもつれ込んでいたNクラスでは、クラスポールの佐々木が好スタートも、1〜2コーナーイン側で前のマシンに詰まったところを千代がアウトからかわしてトップに浮上。野尻はスタートでやや遅れ3番手となったが、その背後にはスタート直後の1コーナーで三浦を捕らえた中山が迫る。
2周目の1コーナーで野尻は中山の先行を許し4番手に後退し、これでNクラスのオーダーは千代、佐々木、中山、野尻、三浦、野呂、小泉、そしてピットスタートしたトンプソンとなるが、野尻が4位の場合には優勝してもファステストラップの1ポイント加算が必要な千代は、前のホーソンとの間合いをはかりながら6周目に1分17秒527をマークしファステストを奪う。
一時は背後の佐々木のプレッシャーを受けた千代だったが、中盤にはじりじりと2番手以下を引き離して行く。
佐々木は中山、野尻と等間隔の攻防となるが、中山、野尻も決定力を欠き徐々にポジションは膠着状態に。
最終的にファステストラップと優勝を勝ち獲った千代がトップでフィニッシュし、佐々木は2番手。3〜4番手に中山、野尻と続いたが、この結果千代、野尻ともに89ポイントと同ポイントに並ぶが、これで6勝と勝ち星で上回る千代が逆転でNクラスチャンピオンを獲得することに。なお、三浦、トンプソン、小泉、野呂が5〜8位でのチェッカーとなった。