昨日の雪辱を果たした宮田がポール・トゥ・ウィン
フェネストラズとのチャンピオン争いは佳境へ
|
宮田 莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S) |
曇り空の広がる朝を迎えた8月18日(日)、そこから晴れ間が見え始めるなか、午前8時25分に全日本F3選手権第17戦の決勝レースがスタート。前日の第16戦同様、14周で争われたこのレースではスタート直後に激しいトップ争いが繰り広げられたが、それを凌ぎ切った宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)がポール・トゥ・ウィンを達成、ファステストラップも獲得した。好スタートから宮田攻略を狙ったサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が2位に入り、前日の第16戦でリタイアを喫した小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が3位表彰台を獲得した。
■決勝は宮田とフェネストラズの一騎打ちへ
第17戦のスターティンググリッドは17日(土)の午前中に行なわれた予選のセカンドベストタイムにより決定した。その予選セッションでは計時システムの問題から途中赤旗による約30分の中断があったものの、そのなかでセカンドファステストラップを刻んだのは宮田だった。フェネストラズは2周続けてのアタック中、2コーナーでリヤが流れてタイムロスし、セカンドベストタイムは2番手に終わっている。これに続いたのは小高で以下、エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)、シャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)、大湯都史樹(TODA FIGHTEX)、笹原右京(B-Max Racing with motopark F3)、大津弘樹(ThreeBond F318)と続いた。
さて、予選から一夜明けた18日(日)。午前8時25分にフォーメーションラップがスタートし、13台のマシンが1周の隊列走行を終えると、14周先のチェッカーに向けて各車一斉にアクセルを踏み込んだ。
ここで抜群の動き出しと加速を見せたのは予選2番手のフェネストラズ。ポールポジション(PP)の宮田も動き出しはまずまずだったが、加速が若干鈍った。そこで宮田はフェネストラズを牽制し、1コーナー手前でイン側にマシンを寄せる。2台はサイド・バイ・サイドで2コーナーに入っていくが、1コーナーのラインがタイトになったフェネストラズがアウト側に少しふくらむかたちに。そのためアウト側にいた宮田が左リヤタイヤをダートに落とすシーンもあったが、お互いに一歩も引かず、やはりサイド・バイ・サイドのまま2コーナーを立ち上がった。続く3コーナーでイン側のラインとなった宮田がフェネストラズの前へ出てトップを死守した。
■前戦でリタイアを喫した小高が3位を獲得
|
小高 一斗(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S) |
一方、4番手スタートのアーメドがスタートでエンジンストール。ミレッシが4番手に浮上すると、その後方では5番手争いの大湯と大津がS字で接近戦を演じた。それを制した大湯が先行し、逆に大津はS字の立ち上がりで失速、河野駿佑(RS FINE K&N F318)と片山義章(YTB by Carlin)の先行を許した。その大津に激しい揺さぶりをかけたのは、今回スポット参戦の笹原だった。3周目、4周目の2コーナー、6周目の90度コーナー、9周目の5コーナーや90度コーナーなど、各所でアグレッシブな動きを見せて大津を攻め立てるが、大津はミスを犯さなかった。
一方、トップ争いはオープニングラップ以降、接近戦になることなく、2周目には宮田が1分45秒227、5周目には1分45秒143とファステストラップをマークしながらフェネストラズとの差を少しずつ広げていった。「昨夜の雨の影響か、全体的なグリップ不足に苦んだ。クルマが各コーナーでスライドしていた」というフェネストラズは、宮田を追うことができなかった。そのフェネストラズは最終ラップに「現実的ではなかったけど、もう失うものはなかったから」とファステストラップを狙って猛プッシュ。しかし、各コーナーで多くのミスをしたということで、それは叶わなかった。結局14周のレースを終始1分45秒台の安定したペースで走り切り、宮田が今季6勝目を挙げた。フェネストラズが2位。ニュータイヤでスタートしたものの、そのアドバンテージを活かし切れなかったという小高が3位。以下、ミレッシ、大湯、河野までがポイントを獲得している。マスタークラスは第16戦に続き、DRAGON(TEAM DRAGON F3)が制した。
この第17戦の結果、宮田は優勝に加えてPPとファステストのフルマークを達成、フェネストラズとの差を5ポイント縮めた。これで両者の差は28ポイントに。午後に行なわれる第18戦でPPを獲得しているフェネストラズが、そのままトップを守って優勝すればチャンピオンが決定する。逆に、もし宮田が優勝してファステストラップも獲得すれば、タイトル決戦の場は岡山の最終大会に持ち越される。それだけに第18戦は見逃せない1戦となる。
リザルト・エントリーリストのPDFはこちらへ
-
- 大湯 都史樹(TODA RACING)
-
- 久保田 克昭(Hanashima Racing)
-
-
シャルル・ミレッシ(OIRC team YTB)
-
- 片山 義章(OIRC team YTB)
-
- 大津 弘樹(THREEBOND RACING)
笹原 右京(B-Max Racing with motopark)
-
- DRAGON(B-Max Racing with motopark)
-
- 河野 駿佑(RS FINE)
-
- アメヤ・ベイディアナサン(B-Max Racing with motopark)
-
- エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark)